全国銀行個人信用情報センターとは?全国銀行協会が運営する個人信用情報機関

全国銀行個人信用情報センターとは?全国銀行協会が運営する個人信用情報機関

全国銀行個人信用情報センター(KSC)とは、銀行が加盟している全国銀行協会(JBA)が運営する指定情報信用機関の名称です。

銀行カードローンは全国銀行個人信用情報センター(KSC)が保有する個人信用情報をもとに審査をおこない、融資の判断に役立てています。

信用情報はカードローンの審査が通るかどうかを左右する重要な要素ですが、いろいろなサイトで取り扱われているテーマである反面、情報が氾濫して逆にわかりづらくなっていると感じます。

この記事では、全国銀行個人信用情報センター(KSC)とは?について、銀行員の筆者がわかりやすく解説します。

銀行系カードローンと全国銀行個人信用情報センター(KSC)の関係性についても触れながら説明していきます。

全国銀行個人信用情報センターとは?

銀行系カードローンの審査では、信用情報機関「全国銀行個人信用情報センター」の個人信用情報を見ます。

これは銀行や政府系金融機関が加盟する団体である一般社団法人全国銀行協会(全銀協/JBA Japanese Bankers Association)の公式ホームページを見ても明らかです。

全国銀行個人信用情報センター(以下「センター」といいます。)は、消費者信用の円滑化等を図るために、一般社団法人全国銀行協会(以下「全銀協」といいます。)が設置、運営している個人信用情報機関で、ローン等に関する個人信用情報を登録し、会員における与信取引上の判断のための参考資料としてこれを提供しています。 センターの会員は、センターを利用することにより、消費者等への過剰貸付(多重債務)の防止や審査事務の迅速化を図っています。
引用:センターの概要|全国銀行個人信用情報センター

カードローンは住宅ローンや事業資金と同様に、銀行が顧客にお金を融資する契約です。これを与信取引といいます。

与信取引上の判断とはカードローンの融資審査のことであり、銀行系カードローンの審査では、一般社団法人全国銀行協会(全銀協)の運営する指定信用情報機関の全国銀行個人信用情報センター(KSC)が利用されています。

※ちなみにKSCは個人(K)・信用情報(S)・センター(C)の頭文字です。

要するに全国銀行個人信用情報センター(KSC)とは、銀行が自分たちのために作った「銀行御用達の指定信用情報機関」だといえます。

ところで、日本にある指定信用機関はなにも全国銀行個人信用情報センター(KSC)だけではありません。それぞれ設立経緯や加盟企業の違いにより3つあります。

指定信用情報機関とは?

指定信用情報機関とは、個人信用情報を登録・保有・管理している団体です。

日本には全国銀行個人信用情報センター(KSC)を含め3つの指定信用情報機関が存在しており、団体ごとに加盟企業や役割などが異なります。

指定信用情報機関一覧
指定信用情報機関の名称略称加盟企業
全国銀行個人信用情報センターKSC全銀協/JBAに加盟する銀行等の金融機関
(株)CICCICクレジット、信販、リース会社等
(株)日本信用情報機構JICC消費者金融等

加盟企業を融資やローンに置き換えると、以下のように分類されます。

  • KSC→銀行系(銀行系カードローン、住宅ローン、自動車ローン)
  • CIC→クレジット系(カード払い、リボ、キャッシング・クレジットのローン)
  • JICC→消費者金融系(消費者金融系カードローン)

上記3つの信用情報機関は、情報交流ネットワークのCRIN(クリン)やFINE(ファイン)を通じて、相互に提携・情報共有しています。

この信用情報機関の相互情報共有こそが、銀行カードローンの審査では重要となります。

個人信用情報の相互交流ネットワーク〜CRINとFINE

無計画に融資をおこなった結果、多重債務で苦しむ人がこれ以上に増えないようにと、消費者保護の観点(建前?)から始まったのがCRIN(クリン)、FINE(ファイン)という仕組みです。

CRIN(クリン)とFINE(ファイン)の定義は以下のとおりです。

CRIN(クリン)

CRIN(クリン)とは、信用情報機関である全国銀行個人信用情報センター(KSC)、CIC、JICCの3社が自主的に運用する情報交流ネットワークです。

FINE(ファイン)

FINE(ファイン)とは、貸金業法で指定されているCICとJICCの2社が法律の義務により運用するネットワークです。

FINE(ファイン)に関するポイントは以下の2点となります。

  1. どの機関に照会しても3社の情報を参照できる
  2. 加盟する信用情報機関の信用情報だけを詳しく参照でき、他は部分情報(異動)だけ

実務的には、銀行カードローンなら「全国銀行個人信用情報センター(KSC)は詳しい情報」「CICとJICCは異動情報だけ」。

消費者金融系カードであれば「JICCは詳細」「CICと全国銀行個人信用情報センター(KSC)は異動情報だけ」ということになります。

全国銀行個人信用情報センターが保有する情報の種類

信用情報とは、クレジット、カードローン、住宅ローンなどの申込みや契約に関する情報のことです。

銀行では個人信用情報のことを略して個信(コシン)などとも言います。意味は同じなので今回は「信用情報」で統一します。

カードローンやクレジットカード、あるいは住宅ローンを申し込んで融資を受けると、下記のような情報が信用情報機関に登録・保管されます。

  • 「本人情報」→本人を識別するための情報、住所・氏名・TEL・勤務先など
  • 「申込情報」→カードローン等の申込内容や契約内容、申込金額など
  • 「支払情報」→現在残高、支払状況、入金遅れ日数、延滞の回数など
  • 「異動(事故)情報」→代位弁済、自己破産・債務整理等の官報情報など

これが一般的に用いられる信用情報の意味とその情報の中身です。

なお、ここでもいくつか専門的な用語が出てきましたが、それらはのちほど説明します

個人信用情報の調査方法〜銀行カードローン

銀行カードローンの審査では、全国銀行個人信用情報センター(KSC)が保有する信用情報を実際にどうやって見るのでしょうか?

ここからは、事務的な手続きの流れについて説明します。

なお事務手続きは銀行により違いがありますが、概ね基本事項は共通しています。また、CIC・JICCの手続きも基本的には全国銀行個人信用情報センター(KSC)と同じです。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)信用情報の調査方法
  • ローン申込者に個人情報取り扱いの同意を得る
  • 個人信用情報の照会
  • 個人信用情報の登録内容を基に融資の審査をする

個人情報取り扱いの同意を得る

書面の申込みなら用紙に(一番上や下にある場合が多い)、ネット申込みなら専用の画面に遷移して「今回カードローンを申込むうえで、私は個人情報の取り扱いに同意します」と署名(クリック)することで、顧客より個人情報取り扱いの同意を得ます。

これは個人情報保護法で定められていることで、信用情報の調査には申込みした人からの個人情報取り扱いの同意が必須です。

同意を得ずに信用情報を調査すると法令違反になってしまいます。

個人情報保護法違反は重大なペナルティになりますので、銀行はこの同意取得については厳正に手続きをします。勝手に信用情報を調べるようなことは絶対にできません。

個人信用情報の照会

銀行によって異なりますが、共通するのは「慎重に調査する」ということです。

調査と書きましたが、信用情報は調査というよりも、登録されている情報を取り出すといったニュアンスが適しており、銀行では調査ではなく「照会する」などと表現します。

調査、照会とも意味に変わりありませんが、重要なのは「照会したことも信用情報機関に記録されてしまう」という点です。

例えば銀行カードローンの申込みを受けて全国銀行個人信用情報センター(KSC)の信用情報を照会するときには、今回の申込内容を登録しないと情報が取り出せない仕組みになっているのです。

ここで登録された情報は「申込情報」として信用情報機関に記録・保管されます。そのため、ただ見るだけはダメ。申込情報を登録しないと情報を入手できないので、銀行は信用情報を照会するときには慎重に対応します。

なぜなら、他人の名前、住所や名前の字が違うなど、万が一間違った内容で照会(登録)してしまうと、その間違った申込情報が信用情報機関に登録されてしまいます。

また、照会した情報が他人のものだった場合、同意を得ず勝手に信用情報を見たことになってしまうのです。間違えられた人から苦情の申し出があると銀行の信用にも関わる場合があります。

慎重な取り扱いをするために、例えば私の勤務する銀行では、照会する用紙を作成したら別の人間(原則は中間管理職以上の経験豊富な銀行員)が内容を確認したうえで照会(登録)します。

それでも稀に間違うこともありますが、その場合でも本社所轄部署へすぐさま報告して迅速に修正をします。そのくらい銀行は信用情報調査には厳密に対応しています。

個人信用情報の登録内容を基に融資の審査をする

調査した信用情報の内容を見てカードローンの融資審査をおこないます。

無担保・保証人なしのカードローンでは、申込む本人についての情報がより重要ですので、カードローンの審査における信用情報の影響度は大きく、信用情報が審査結果を左右するといっても過言ではありません。

※信用情報の具体的な内容は後述します。

銀行カードローンと並ぶローンの代表格である住宅ローンでも信用情報を審査に使います。

信用情報の照会(登録)方法はカードローンとほぼ同じですが、住宅ローンの審査ではカードローンとは信用情報の使い方が異なります。

個人信用情報の調査方法~住宅ローン

住宅ローンの審査では、信用情報機関の全国銀行個人信用情報センター(KSC)、CIC、JICCの3社すべての情報を見ます。

なぜかというと、住宅ローンは借入金額が何千万円とカードローンよりも大きく、信用情報ひとつとってもカードローンよりも厳しく見なければならないからです。

そのため、住宅ローンのほうがカードローンよりも多面的にかつ厳しく信用情報を見るといえます。

信用情報機関3社すべての情報を見ると書きましたが、こちらも事務的な手続きを説明していきます。

なお銀行の内部事情についての記載もありますが、あくまで余談と捉えてください。

住宅ローン審査・信用情報の調査方法
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)の個人信用情報を調べる
  • 保証会社にCICとJICCの個人信用情報を調べさせる
  • すべての個人信用情報を総合的に判断して融資の審査をする

住宅ローンにおける個人情報の取り扱いは3つの情報機関すべてについて同時に同意する形式になっており、これは前述のCRIN(クリン)、FINE(ファイン)という情報共有ネットワークの仕組みに基づくものです。

どこかに何かの融資を申込むと、3つの情報機関の信用情報をすべて調べられてしまうというわけです。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)の個人信用情報を調べる

事務の基本的な流れはカードローンの場合と同じです。

信用情報を照会をすると、CICとJICCの異動情報までもが同時に知ることができるので、信用情報は粗方わかります。

ただし、住宅ローンでは、CICとJICCの信用情報はさらに詳しく調べる必要があるため、これらを保証会社に調べさせます。

保証会社にCICとJICCの個人信用情報を調べさせる

住宅ローンの審査では、CICとJICCの信用情報も必要なのですが、銀行がこれを直接的に調査することはできません。

少しややこしい話になりますが、銀行はCICやJICCに加盟していないことが多いので、これら2社の信用情報を詳しく知ることはできないのです(加盟している銀行もあります)。

実際には住宅ローンの保証をおこなう保証会社がCICとJICCの信用情報を照会し、銀行に大まかな結果を知らせます。

保証会社はCICとJICCに加盟していますが、銀行はこの2社には加盟していないのであくまで「大まかな結果」しか知ることができません。

銀行の住宅ローンの保証会社は、銀行が100%出資する子会社がほとんどです。しかし、あくまで別の会社なのでこのような回りくどいやり方をしているのです。

あくまで私が勤務する銀行の場合ですが、個人情報保護法により保証会社はCICやJICCの信用情報の詳しい内容を銀行に教えてはいけないことになっています。

しかし、ながら、銀行系の保証会社は元支店長など銀行からの出向社員で構成されているケースがほとんどですので、実質的には銀行と限りなく近い存在です。

本音と建前ではありませんが、そこは元銀行員、保証会社の社員は隠語や暗号で「この人はダメ、異動がある」といった内容をこっそり教えてくれます。

銀行の住宅ローンは、まず保証会社付きで審査をし、ダメな場合に保証人扱いでの取り上げを検討しますが、こうした保証会社からの情報がその後の審査に影響することもあります。

すべての個人信用情報を総合的に判断して融資の審査をする

信用情報を可能な限り詳細に調査し、総合的に判断します。

上述したような保証会社からの情報も判断要素になることは言うまでもありません。

仮に住宅ローンで審査が通らず、断わるときに例えそれが事実であったとしても「保証会社からの報告でCICに異動情報がありダメでした」などと銀行員は絶対に言いません。

全国銀行個人信用情報センターと銀行カードローンの審査

ここまで銀行カードローンと住宅ローンの比較などを交えて信用情報について説明してきました。

今度は少し違った角度から信用情報についてお話ししたいと思います。

銀行カードローンの審査と信用情報の素朴な疑問について銀行員がお答えします。

  1. どの個人信用情報がカードローンの審査に影響する?
  2. 信用情報機関にはどんな情報が登録される?
  3. 個人信用情報はいつ消える?

どの個人信用情報がカードローンの審査に影響する?

カードローンに限らず融資審査での着眼点、重要視する度合いなどは金融機関でそれこそ千差万別です。

この違いが俗に「あの銀行は審査が緩い」「あそこの銀行は厳しい」といった評判につながります。

しかし、ながら「金貸しとしての目」に大差はありませんので、共通するいくつかの点と、どのように影響するのか?についても簡単に説明します。

年収

信用情報に記録されている場合がある。申込内容との相違があると直接本人に問い合わせがくることもある。

勤務先の資本金

勤務先の安定性=収入の安定性の尺度となる。これも信用情報に記録されている場合があり、カードローン申込みの際に適当な資本金を申告するとマイナス。

勤続年数

複数の勤務先がいくつかの信用情報に記録されていると転職歴を問われる。申込内容との食い違いがあるともちろんマイナス。

信用情報には時系列で正確に情報が記録されることを覚えておいてください。

信用情報機関にはどんな情報が登録される?

読者の皆さんが一番気になる「異動」情報が、信用情報機関に記録される期間やタイミングについてお話します。

信用情報はいつ消える?
信用情報の種類期間
異動情報(延滞、代位弁済などの事故情報)ローンやクレジットカード等は契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間
官報情報(自己破産等の法的整理)破産や民事再生開始といった官報記載事項は、その決定日から10年を超えない期間
貸付自粛制度(本人自ら「自粛対象者」に登録)個人信用情報機関に登録されてから5年以内

※KSC、CIC等信用情報機関基準を参考

延滞

毎月返済がいつからいつまで、何ヵ月(何回)延滞したか?など。

銀行と信用情報機関は相互にオンラインでつながっていますので、延滞すると自動的に記録されます。

代位弁済

銀行もしくは代位弁済をした保証会社からの報告および通報で記録されます。

自己破産

自己破産などのいわゆる法的整理も、やはり銀行や保証会社からの報告で記録され、同時に官報にも記載されます。

なお官報への記載は法的手続きの一環であり、銀行や信用情報機関がおこなうことではないという点も覚えておくといいでしょう。

興味のある方は、信用情報機関各社のホームページに解説がありますので参考にしてください。

貸付自粛制度とは~平成31年3月29日より制度開始

貸付自粛制度とは、浪費癖があることやギャンブル依存等により、本人やその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあることなどを理由に、「自粛対象者」と登録するように本人が申告する制度です。

自粛対象者になると、そのあと本人が申し込みしても金融業者は応じないこととなります。

個人信用情報はそう簡単には消えない・消せない

今回は全国銀行個人信用情報センター(KSC)の説明を中心に、信用情報などカードローンに関する基本事項もお話しして参りましたがいかがだったでしょうか?

信用情報のことを知れば、カードローンや他のローン審査の基本もわかると思いますのでぜひ参考にしてください。

そして、最後のまとめとして「信用情報はそう簡単に消えない」というお話しをしたいと思います。

銀行内部では延滞や自己破産といった情報は半永久的に蓄積されます。他の種類のローンだからとか、支店を変えたら大丈夫などということはなく、今後その銀行で融資を受けることは不可能です。

他の情報サイトでは「信用情報は○年後には消えます」「○年経てば申込みしてもOK」といった表現がありますが、これには何の確証もありませんのでご注意ください。

また、上述したCRINやFINEのように相互に情報を共有している場合もあります。どことどこが提携しているのか?どういった情報をどのように提供し合っているのか?実はこういった内容はすべて公表されています。

カードローンなら「個人情報について」「提携する情報機関について」「保証会社について」といったキーワードでサイト内検索すると必ず説明に遷移します。これらも個人情報保護法で定められたことです。

普段なかなか見ることのない文書ですし、少し面倒かもしれませんが、自分の信用情報や個人情報がどのように取り扱われているのかを知るには一番確実な方法です。

なお、カードローンなどの申込みの際に「別途記載の注意事項についても私は確認し、同意します」と記載されている、この別途記載こそこうした文書です。

仮に目を通していなくても、同意のチェックをするとこれらすべてを理解し同意したことになりますのでご注意ください。

監修:加藤隆二/銀行員