カードローンの延滞とは?信用情報における遅延と延滞の違い

カードローンを語るうえで必ず出てくるキーワード、それが「延滞」です。

カードローンを延滞すると遅延損害金などの金銭的なペナルティーが発生するだけでなく、信用情報に延滞の記録が残り、今後組む予定のローン審査にも大きな影響を及ぼします。

2〜3日くらいなら返済が遅れても大丈夫!このような軽い気持ちで毎月のようにカードローンの延滞を繰り返している方は注意が必要です。

  • そもそも延滞ってなに?
  • カードローンを延滞するとどうなる?
  • 延滞と遅延はなにが違うの?

この記事では、カードローンの延滞に関する素朴な疑問について、銀行員がわかりやすく解説します。

カードローンの延滞とは?

カードローンにおいて延滞とは、毎月の返済日(正式には約定返済日)までに支払いがなかったことを指します。

カードローンの返済は口座からの自動引き落としが一般的ですが、延滞になる原因としてよくあるものは次のようなパターンではないでしょうか。

カードローンの返済が遅れてしまう理由
  • 返済日までに入金できなかった
  • 返済日を忘れていた
  • 他の支払いが先に引き落としとなり、口座残高不足でカードローンが引き落としされなかった

カードローンを延滞する事情や理由がなんにせよ、決められた返済日までに借りたお金を返さなかったら例外なく延滞の扱いとなります。

カードローンの延滞には3つの種類がある

カードローンの延滞には3つの種類があります。

カードローンの延滞は3種類ある
  • 恒常延滞
  • 月中延滞
  • 当日延滞

これは延滞の程度、つまり何回(何ヶ月)返済が遅れているか?による区分けとなります。

カードローンを取り扱う金融機関によって延滞期間や延滞回数などの基準に若干の違いはありますが、その意味するところはほぼ同じです。

恒常延滞(こうじょうえんたい)

恒常延滞とは、カードローンをまったく返済しておらず、何ヶ月間も延滞が続いている状態をいいます。

恒常延滞は重度の延滞であり、保証会社の保証付きカードローンであれば代位弁済(保証会社が肩代わりして銀行に一括返済する)の対象です。

また保証人が必要なローンでの恒常延滞であれば、保証人への一括支払請求や不動産差し押えなどを具体的に検討し始めるほど非常に深刻な状況です。

当然ながら、カードローンで恒常延滞をしている人は、その銀行では絶対に新しい融資を受けられません。

ちなみに私の勤務する銀行ではカードローンの返済が3ヶ月間滞ると恒常延滞となり、上記のような債権回収策に着手します。

こうした延滞が3ヶ月目で恒常延滞となり、抜き差しならないタイムリミットを迎えるというのが銀行系のカードローンでは一般的です。

月中延滞(げっちゅうえんたい)

カードローンの約定返済日を過ぎてはいるものの、月末までに返済のあった延滞のことを、その月を越えない(月をまたがない)という意味で月中延滞と呼びます。

銀行は月(1ヶ月)という単位を重視していて、月末を越えるか越えないかで延滞の重みは違います。

月中延滞だけならすぐには代位弁済の対象とはなりませんが、あくまでも状態として恒常延滞よりはマシという程度です。

しかし銀行からすれば、月中延滞を超えていつ恒常延滞になってもおかしくないレベルだと考えています。

銀行は月中延滞をしている方の返済状況を厳しく見張っているので、カードローンを月中延滞してしまうと、その銀行では新たな融資を受けるのが難しくなります。

とはいえ、恒常延滞や月中延滞は本人も返済が遅れていることは十分に自覚しているはずなので、新たな融資を受けられなくとも文句はないと思います。

しかし、もっと注意しなければならないのは次に説明する当日延滞です。

当日延滞(とうじつえんたい)

当日延滞とは、約定返済日の当日に入金をしたものの、その日だけ瞬間的に延滞となったという意味です。

返済日の当日になって、慌てて口座にカードローンの返済金を入金される方は多いと思います。

じつは返済日の当日に入金したにもかかわらず、それでも延滞になってしまうのです。たとえ返済日の当日に入金をおこなっても銀行では延滞と考えます。

その理由について、まずはカードローンの返済の仕組みから説明していきましょう。

延滞を知る!カードローン返済の仕組み

カードローンや融資などの返済やクレジット代金の引き落としは、返済日(引落日)の当日にコンピューターで自動処理されます。

コンピューターが動き始める時間はさまざまですが、大体は当日の午前0時、つまり日付が変わったと同時に口座の残高をチェックするというのが主流です。

なお残高チェックや引き落としの処理は当日中に何回か実行され、最終的に当日の夜間が最後の引き落としとなるのが一般的です。

例えば前日までに入金が間に合わなかったとしても当日の朝一番で銀行ATMでカードローンの返済金を入金して、再度引き落としのタイミングに間に合えば無事に引き落としされます。

カードローンは当日中に返済されれば延滞利息や遅延損害金などは発生しません。しかし金銭的なペナルティがなくとも銀行では当日延滞したと記録が残ります。

当日の瞬間的な延滞は仕組みだけでいえば延滞には当たらないので、個人信用情報には異動などの事故情報として登録されることはありません。

しかし、この当日延滞については一般の人と銀行では捉え方が違っているのでより注意が必要です。この点については次項で詳しく説明していきます。

カードローンの延滞に対する銀行の考え方

返済日の当日に入金されても銀行では延滞と考えます。これは銀行融資の大原則です。

繰り返しとなりますが、当日中にカードローンの返済金を入金すれば厳密には延滞とはならず、延滞利息や遅延損害金は発生しません。

では、なぜ銀行は当日延滞を延滞と考えるのでしょうか?それはカードローンの返済に対する意識や生活態度について、銀行では次のように考えているからです。

銀行は当日延滞をこのように見ている
  • 生活が苦しく、当日にやっと返済するお金を準備できた
  • 返済日を忘れていた?お金にルーズな人間である

このように金貸しの目線で見れば、当日延滞も恒常延滞もそこまで大きな違いはないのです。

当日延滞が複数回あると新しいカードローンを組めない可能性がある

恒常延滞や月中延滞は言うまでもありませんが、当日延滞の場合でも個人信用情報には返済の遅れが履歴として記録されます。

金融機関によって審査基準が違うので一概には言えませんが、私が勤務する銀行では返済履歴を細かく検証するので、もし当日延滞が複数回あったのであれば、新しいカードローンを申し込みがあっても審査で落とします。当日延滞でも延滞に変わりありません。

当日延滞が複数回あると新しいカードローンを申し込んでも即審査落ちとなるので注意しましょう。

当日延滞を繰り返すと銀行から返済しない人間として見られる

当日延滞を繰り返していると、返済日の当日でも銀行から督促の電話がかかってくるようになります。

これはあなたが「督促をしないと返済しない人間」だと銀行から見られているからです。

銀行から見れば恒常延滞や月中延滞をしている人たちと同列に扱われているのです。

カードローンの当日延滞を防ぐ方法

カードローンの当日延滞を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?

これは決して裏ワザ的なことではありません。むしろ融資やクレジットなど返済についての基本事項、つまりは「借金との付き合い方」の基本となる部分です。

具体的には入金するタイミングに注意することが重要です。遅くともカードローンの返済は前日までに口座へ入金するようにしてください。そうすれば当日延滞とはなりません。

もちろん月によっては返済が苦しい時もあるでしょう。しかし、場合によっては親兄弟や知人などに用立ててもらってでも当日延滞を避けるという方法もあります。

また、せっかく入金したのにクレジットカードや公共料金の支払いなど別の引き落としのせいで口座残高不足となりカードローンの返済が落ちなかった…とならないように、すべての返済にいくらお金が必要なのかをしっかりと把握することが大事です。

いずれにしても、新たなカードローンや住宅ローンの利用を考えているなら当日延滞には十分に注意してください!

カードローンの延滞と個人信用情報の関係

恒常延滞や月中延滞は言うまでもありませんが、当日延滞でも個人信用情報にその履歴が記録される場合があります。

最後に延滞と遅延の違い、個人信用情報との関係について説明したいと思います。

個人信用情報における遅延と延滞の違い

延滞という言葉について、銀行などの金融機関と個人信用情報機関では解釈が分かれます。

銀行では、決められた返済日までに返済がないものを延滞と呼びます。

個人信用情報では、例えば信用情報機関の株式会社シー・アイ・シー(CIC)の場合、返済日より61日以上または3ヶ月以上の返済遅れを延滞として扱います。

銀行やCICでは返済が遅れていることを延滞という用語で統一しており、混同を避けるために言葉が類似する遅延はあまり使いません。

ただし、61日未満の遅れを遅延、61日以上の遅れを延滞、とこのように日数で区別している信用情報機関もあります。

信用情報に延滞の記録が登録されるとどうなる?

個人信用情報では、延滞の状態、期間、程度など情報として登録される基準もさまざまです。

大事なのは延滞でも遅延でも、カードローンの返済が遅れると信用情報にネガティブな情報が登録されることは間違いありません。

例えば信用情報機関CICでは61日以上または3ヶ月以上の遅れで「異動」と表示されます。

異動は個人信用情報において致命傷ともいえるネガティブな情報です。そのため、信用情報に異動の記録があるとカードローンや住宅ローンなどの新しい融資はまず不可能だと思ってください。

また、個人信用情報には毎回の入金状況までも事細かく記録されています。

銀行がこうした情報を審査でどのように利用するか?これは審査に関わることなので公表されてはいませんが、当日延滞はしっかりと信用情報に記録されているという点はぜひ覚えておいてください。

カードローンの延滞で信用情報に傷がつく

最後になりますが、カードローンの延滞で個人信用情報が傷つかないようにするためには、一体どのように対策すればいいのでしょうか?

では銀行員としてお答えします。それは、「毎月決まった返済日に返済する」です。拍子抜けしたかもしれませんが、私は決してふざけているわけではありません。

これまで銀行員として数多くのお客様と向き合った経験から言いますと、「決まった返済日に返済する」というのは当たり前であってもじつは結構大変なことです。

人にはいつなにが起こるかわかりません。例えばリストラ、事故、病気、災害など、カードローンの返済ができなくなるリスクはすべての人が平等に抱えています。

もちろんこうしたトラブルのとき、銀行では返済に猶予を与えたり、他にもいろいろと相談に乗ってくれたりします。しかし銀行が助けられるのは、これまで遅れなく返済してきた人だけです。

「返済日が何日だったか忘れていた」「他にも引き落としがあることを忘れていた」。このようなお金の管理ができないルーズな人間を果たして銀行が助けてくれるでしょうか?

カードローンの延滞を安易に考えるべきではありません。当日延滞でも信用情報にはネガティブな情報として記録されます。

毎月の返済に遅れがないよう、しっかりと支払いの管理おこないましょう!

監修:加藤隆二/銀行員