審査甘い(緩い)カードローンでお金借りるのは危険?

カードローン審査

審査甘い(緩い)カードローンでお金借りるのは危険?

「審査が甘い(緩い)カードローンに申し込みたい」。

カードローンに申し込むときは審査に落ちるのが怖いので、誰でも通る審査甘いカードローンでお金を借りたいですよね。

でも、審査甘いカードローンなんてこの世に存在するのでしょうか?そもそも、審査が緩くて簡単にお金を貸してくれる神様のような会社なんてあるのでしょうか?

カードローンには必ず審査があります。

そのため、必ず審査に通ると断言できるカードローンはありませんし、そのような文言で広告を出稿することは法律によって禁止されています。

しかし、カードローンの審査基準は会社によってそれぞれ異なりますので、審査が厳しいカードローンもあれば、審査が甘めのカードローンもあるのではないでしょうか。

このページでは、審査甘いカードローンは本当に存在するのか?そして、審査が緩いカードローンの危険性などについて、元銀行員の筆者と一緒に考えていきましょう。

審査甘いカードローンはある?

審査が甘いカードローンと検索すると、「カードローン審査甘いランキング」や「カードローン審査が甘いおすすめ○選」などが並んでいます。

それらのサイトをクリックしてみると、普段見慣れないローカルな貸金業者ばかりを紹介しているサイトが多くて、なんだか怖いですよね。

審査が甘いカードローンなんて本当に存在するのでしょうか?そもそも審査が甘い・緩いの基準とは?

カードローンには必ず審査があります。

審査を行うことは法律によって義務付けられているので、法律を守って業務を行っている安全な業者のカードローンでは必ず審査が行われます。

「審査なしで融資」「審査甘くて誰でも通る」などと謳っている業者は確実に闇金ですので、甘い言葉に乗せられて絶対にお金を借りてはいけません。

カードローンは法律によって審査が義務付けられている

消費者金融の業務を詳細に取り決めている貸金業法では、第13条に「返済能力の調査」が定められています。

返済能力の調査とは、顧客の信用、収入などを調査しなければならないというもので、「調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。」という一文まで記載されています。

つまり、顧客の個人信用情報や収入を調査して、返済能力を調査したうえで融資をしなければならないと法律によって明確に決められているのです。

したがって、消費者金融がカードローン融資の前に審査を行うことは法律によって定められた義務で、審査を行わずに融資をすることは法律違反となり行政処分の対象となってしまうのです。

また、銀行業務を規制している銀行法ではここまで詳細な決まりはありませんが、銀行はそもそも顧客から預かった預金を融資で運用しているので、危険な顧客に融資をすることはできません。

顧客の大切な預金の一部を別の顧客に貸すので、必ず返済してもらえるかどうかをチェックするために、やはり銀行のカードローンでも審査は必ず行っています。

激甘審査カードローンや審査なし融資は闇金

「激甘審査カードローン」「審査なしで必ず融資」などと謳っている業者が存在しますが、このような業者は闇金です。

前述したように、審査を行うことは法律によって義務付けられた行為ですので、審査なしで融資ということ自体が違法なのです。

法律を守った業者は必ず審査を行いますし、審査を行う以上、審査に落ちる可能性がありますので、「審査なし」と広告することすら禁止されています。

「審査なし」や「激甘審査」「100%融資」と謳っている業者は闇金ですので絶対にお金を借りないようにしてください。

審査が甘いカードローンとは?

上記の理由によって、カードローンでは必ず審査が行われます。

債務者を借りすぎから守るためには、消費者金融であれば総量規制が導入されていますし、銀行は自主規制によって総量規制並みの融資しか行わないようにしており、審査では他社借入と収入をチェックしています。

一方、カードローンの審査を行う目的として「貸し倒れても収支に見合う範囲内に留めるため」というものがありますが、収支に見合うかどうかというのは、消費者金融や銀行がどの程度の貸し倒れリスクを背負うことができるのかということです。

カードローン各社によって背負うことができるリスクは異なり、審査の甘さや厳しさを決定する重要なポイントになります。

カードローンによって背負うことができるリスクはどの程度異なるものなのでしょうか?

リスク許容度とは?

リスク許容度とは、「どのくらいのリスクまでであれば融資を実行するのか」「どのくらいのリスクまでであれば、お金を貸しても損失がないものか」というボーダーラインのことです。

カードローンの審査では顧客のリスクを判定します。例えば、リスク許容度が15.0%のカードローンに申し込んだ人を審査した結果、その人がリスク10.0%であれば審査通過となりますし、リスク16.0%の人の場合には審査に落ちてしまうことになります。

ただし、会社によって「どのくらいまでのリスクを許容できるのか」というリスク許容度は異なります。

つまり、審査が甘いカードローンがあるとすれば、それはリスク許容度が高いカードローンだといえるでしょう。

消費者金融は金利≒リスク許容度

消費者金融には、銀行カードローンのように保証会社がついていません。

そのため、すべてのリスクを消費者金融が背負い、利息のすべては消費者金融の売り上げになります。

例えば100人に金利18.0%で1万円ずつ融資を行った場合、合計100万円の融資では1年間で得られる利息収入は18万円になります。

融資に伴う経費などを考慮しないと、100人融資したうちの18人までであれば貸し倒れたとしても消費者金融には損失が出ないことになります。

つまり、保証会社がつかない消費者金融では「金利≒リスク許容度」になるので、金利18.0%のローンでリスク18.0%の人までは融資が可能になると考えることができます。

銀行カードローンは保証料≒リスク許容度

消費者金融が「金利≒リスク許容度」ですので、消費者金融よりも金利が低い銀行カードローンは審査が厳しいと考えることができます。

しかし、銀行カードローンは消費者金融との金利差以上にリスク許容度が低くなっています。それは、銀行カードローンには保証会社がついているためです。

保証会社の役目とは、銀行カードローンの返済が焦げついたときに、カードローンの残高を銀行へ保証することです。

つまり、最終的なリスクはすべて保証会社が負っていますし、銀行カードローンでは保証会社の保証さえ得られればほぼ確実に融資を実行します。

保証会社が背負うことができるのは、保証料収入の範囲内のリスクまでですが、保証会社に入る保証料収入は、銀行カードローン金利の3割~5割程度だといわれています。

つまり、金利14.0%の銀行カードローンの保証を行って得られる保証会社の保証料収入は4.2%~7.0%程度ということになりますので、消費者金融カードローンのリスク許容度と比較してかなり低いリスクしか背負うことができないのです。

銀行カードローンは誰でも通るほど審査甘くない

このように、消費者金融と銀行カードローンではリスク許容度がまったく異なるので、消費者金融よりも低いリスクしか許容することができない銀行カードローンのほうが審査は厳しいといえるでしょう。

逆に言えば、消費者金融は銀行カードローンと比べると審査が甘いといえるかもしれません。

しかし、これはリスク許容度だけの話であり、リスクの中身を決める審査はまた、別の基準で行われます。

カードローンの審査基準は甘い?

このように、銀行カードローンは審査が厳しくて、消費者金融は審査が甘い傾向にありますが、それはあくまでも許容できるリスクの話ですので、顧客のリスクを判定するための審査基準は各社で異なります。

各社異なる基準で厳格に審査をしている以上、「この会社は他社と比べて特別に審査が甘い」というようなカードローンは存在しません。

そのため、消費者金融の審査に落ちたとしても銀行カードローンの審査に通過できる、ということも可能性としてはゼロではないのです。

審査が甘いか厳しいかはカードローン会社で異なる

「顧客のリスクはどのくらいか」ということを判定する審査基準はカードローン会社によって異なります。

例えば信用情報がブラックの人でも、銀行の大口預金者であれば、銀行側が保証会社へお願いして審査に通してしまうようなことがあるのです。

つまり、A社ではリスク10.0%でもB社ではリスク15.0%という判定になることはあるのです。

絶対的に「この会社であれば低いリスクと判定されて、実際はリスクの高い人まで融資をしてくれる」というような、基準で審査を行っている会社は存在しません。

審査通過率が高い=審査が甘いではない

大手消費者金融では毎月の審査通過率を公式ホームページで公表しています。

インターネット上でよく見かける文言として「大手消費者金融の○○は通過率が高いから審査が甘い」などと記載されていますが、これも正確ではありません。

審査通過率は毎月異なるので、月によってはA社よりもB社やC社のほうが審査通過率は高いこともあり、「○○は通過率が高い=審査が甘い」というのは毎月変動する審査通過率の一部分だけを切り取っているだけにすぎません。

また、審査通過率はリスクの高い顧客ばかり申し込んできたら下がりますし、リスクの低い顧客の申し込みが多ければ上がるものなのです。

また、その時々の会社の収益状態によっても審査通過率は変動することもあり、「今月はリスクを背負ってでも新規顧客を獲得する」というような月は審査通過率が高くなる傾向があります。

審査通過率がいつも必ず他社よりも高いという会社は存在しませんし、審査通過率が高いということが直接的にカードローンの審査が甘いということにもならないのです。

大手消費者金融よりも中小消費者金融のほうが審査甘い?

一般的に「大手消費者金融のカードローンよりも、中小の消費者金融のほうが審査は甘い」と言われます。

しかし、大手消費者金融と中小消費者金融では会社ごとに審査の基準が異なるだけで、これも大きな間違いです。

大手消費者金融は融資までのスピードを重視するために、スコアリングという方法で審査を行っています。

スコアリングとは顧客の信用情報や属性情報を点数化してリスクを判定する審査方法です。

一方、中小消費者金融では独自に審査を行い、信用情報や属性だけで判断をせず、申込者の人間性までを加味して総合的に審査を行います。

したがって、中小消費者金融では信用情報がブラックでも人間性から「この人は返済していくことができるだろう」と判断できれば審査に通過できる場合があります。

逆に信用情報にまったく問題がなく、大手消費者金融の審査に通過できるような人でも、中小消費者金融の独自審査では「人間的に信用できないから融資をするのはリスクが高い」と判断されて審査に落とされてしまう可能性もあるのです。

中小消費者金融だからといって審査が甘いとは一概には言えません。

カードローンで審査をする目的とは?

カードローンでは必ず審査が行われますが、その目的は主に3つです。

  • 債務者を借りすぎから守るため
  • 貸したお金を返してもらうため
  • 貸し倒れても収支に見合う範囲内に損失を留めるため

上記3つの理由により、カードローン会社では必ず審査が行われます。

闇金が審査なしで融資を行う理由は、債務者を借りすぎから守る意図はそもそもなく、損失が出ないように脅迫によって執拗に取り立てを行うためです。

カードローンにおいて審査が行われる目的について詳しく解説していきます。

債務者を借りすぎから守るため

カードローン審査の目的の1つに、債務者を借りすぎから守るという目的があります。

お金を借りたい人の中には、自分の返済能力を超えても借りられるのであれば借りてしまうし、後に返済ができなくなり自己破産に至ってしまうようなケースもあります。

カードローンの審査では、債務者の返済能力を調査して、その返済能力を超えた分に関しては融資を行わないことで、債務者を借りすぎから守っているのです。

貸金業法では借りすぎを予防するために総量規制(*1)を定めていますが、審査を行わなければ顧客の収入を知ることができないので、必ず審査を行うのです。
※1.過度な借り入れから消費者を守るため、年収の3分の1を超える貸付を禁止するルールのこと。総量規制の対象となる貸付は貸金業者(消費者金融、事業資金を貸付ける事業者金融、クレジットカード会社など)の貸付。

貸したお金を返済してもらうため

お金を貸す側としては、貸したお金を返済してもらってこそ収益を生み出すことができます。

お金を返すことができない経済状態の人に融資をしてしまったら大きな損失になってしまうので、損失を生み出さないために、しっかりと審査をして返済に問題がないかどうかをチェックしているのです。

貸し倒れても収支に見合う範囲内に留めるため

お金を貸す側にとって、貸したお金の中には返済できずに貸し倒れてしまう可能性があるということは想定内です。

詳しくは後述しますが、お金を貸す側のリスク許容度の範囲内の顧客であれば、統計上は貸し倒れても損失は出ないように金利というものは設定されています。

審査の大きな目的としては、顧客のリスクを判定し、リスクの度合いが許容範囲内かどうかということもチェックしています。

そのため、「極めてリスクが低い」と判断できる人に対しては低金利が適用されることがあるのです。

カードローンは審査によって金利が異なることがありますが、低金利が適用されるというのは、その人のリスクが低いためです。

まとめ

闇金からお金を借りる以外には、カードローンでは必ず審査が行われます。

銀行も大手消費者金融も中小消費者金融も、それぞれの経営方針や事情に合わせて異なる基準で審査を行っています。

銀行や消費者金融が必ず審査を行う以上、審査に落ちる可能性はどのカードローンでもあるので、どのような人でも必ず審査に通過できるという意味での審査甘いカードローンは残念ながら存在しません。

許容できるリスクは確かに銀行よりも消費者金融のほうが高くなっていますが、そもそもリスク判定を行う審査の基準が各社異なるので、激甘審査のカードローンなどというのは存在しないのです。

どんな人でも審査に通過できる審査甘いカードローンは存在しませんが、審査に通過しやすくする自分を作っていくことは可能です。

この記事のまとめ

  • 年収の3分の1以上の借り入れはしない
  • 勤続年数を長くする
  • クレジットカードや借入金の返済は期日通りに行っていく
  • 3社審査に落ちたら6ヵ月以上は申込みを控える

これらの行為を意識して行っていくだけで、銀行や消費者金融を問わず、どのようなカードローン審査にとってもプラス材料になることは間違いありません。

審査が甘いカードローンを探すのは時間の無駄です。間違って闇金からお金を借りてしまうとどうなるかはこれまで述べてきたとおりです。

審査甘いカードローンを探すよりも、審査に通過しやすい自分をつくる努力を半年でもいいので継続してみましょう。

この記事の執筆者

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知って得するお金の情報サイト「知っ得!カードローン」の運営者です。キャッシング専門ライターとして活動を始めてから、今年で6年目になります。貸金業務取扱主任者資格、ファイナンシャル・プランニング技能検定2級(FP)、日商簿記検定2級に合格。生活困窮者や自己破産者を救いたい一心で記事を書いています。