ギャンブルの借金が返せない…ギャンブル依存症が原因でも自己破産できる?
誰でも陥る可能性があると言われているギャンブル依存症。
周りの人にもパチンコなどのギャンブルに依存している人がいるという人も多いのではないでしょうか?
ギャンブル依存症は気づかないうちに進行し、放っておくと、大切な家族との関係や仕事を失ってしまうこともありますし、返済できないほどの多額の借金を抱えてしまうこともよくあります。
ギャンブル依存症はまず自覚することが大切で、自覚が芽生えたらできる限り早く周りの手を借りて対処することが重要です。
パチンコやスロット、競馬などギャンブルがどうしても辞められない人向けに、ギャンブル依存症の症状と対処法について解説していきたいと思います。
ギャンブル依存症は病気ではない
自分自身に自覚がなくても、実はギャンブル依存症かもしれません。
「最近、パチンコに行く機会が多い」「むしゃくしゃするとパチンコがしたくなる」このような人はギャンブル依存症の可能性が高いといえます。
ギャンブル依存症は特別な病気ではなく、普通の人が気づかないうちに陥ってしまうものなのです。
ギャンブル依存症の大半が普通のサラリーマン
ギャンブル依存症は特別な病気ではありません。
ギャンブル依存症の人のうち、大半が普通のサラリーマンです。
「借金をしてでもギャンブルをする」という依存症の人が多いことから、依存症はお金がない・所得が低い人が陥ってしまうものと考えている人も多いのですが、依存症にお金のあるなしはそれほど関係ありません。
中には年収1,000万円以上も稼いでいるような高額所得の人も依存症になっているようなケースもあります。
お金を稼ぐためにギャンブルをするのではなく、趣味でやっていたらいつの間にか依存症になっていた、というパターンです。
「自分はお金に困っていないのでギャンブル依存症にはならない」そうタカをくくっている人もいるかもしれませんが、このようなことはありません。
自分もいつギャンブル依存症になるかわからない…そういう危機感を持ったうえで適度にギャンブルを楽しむことが大切です。
気づかないうちにギャンブル依存症になっている
ギャンブル依存症に明確な境界線はありません。気づかない間にギャンブル依存症はあなたの脳を蝕んでいるのです。
「自分はまだ依存症ではない」と思っていても、実は依存症に片足を突っ込んでしまっていることもあります。
後述する、依存症の症状に自分が1つでも当てはまっていたら「自分は依存症かもしれない」と自覚して、ギャンブルから身を置くなどの適切な対処をすることが大切です。
ギャンブル依存症の症状
ギャンブル依存症の症状はさまざまですが、代表的な症状としては以下のようなものがあります。
自分がいずれかの症状に該当しないかどうか確認して、どれかに該当するのであれば、「ギャンブル依存症かもしれない」という自覚を持つようにしましょう。
以下のいずれかの症状に当てはまっていた場合にはギャンブル依存症の可能性が高いので、適切な治療を受けることをおすすめします。
※ギャンブルの中でも比較的ポピュラーな「パチンコ」を例に解説。
パチンコをしないと落ち着かない
パチンコをしないとなんとなく落ち着かないという人はギャンブル依存症の初期症状の可能性が高いです。
パチンコをしないとイライラ、そわそわする。休日になんとなくパチンコ屋に足を運ぶと安心する。
このような人は、今後パチンコに依存していく可能性が高い人です。
いつもギャンブルのことを考えている
パチンコをしていないときでもパチンコのことをいつも考えているような人はギャンブル依存症の可能性が高いです。
仕事中も日常生活でも頭の中はパチンコのことばかりになり、私生活も仕事も手につかなくなってしまいます。
すると、私生活も仕事もうまくいかなくなってしまうことが多いので、またパチンコのことを考えて救われる。
このようなサイクルになり、さらにパチンコにハマってしまうのです。
ストレス解消のためにギャンブルをしたくなる
うまくいかないことやイライラすることがあると、パチンコなどのギャンブルをしたいと考えるようになることはないでしょうか?
これもパチンコ依存症の症状です。特に依存症の人は普段からギャンブルのことばかり考えているので、仕事も私生活もうまくいかなくなります。すると仕事や私生活でストレスが溜まるようになるので、ストレス解消のためにパチンコをしたくなるという悪循環に陥ってしまいます。
こうなってしまうと、ギャンブル依存症の中期段階まで来てるといえるでしょう。
人に嘘をついてギャンブルをしている
家族や友人に嘘をついてパチンコなどのギャンブルをするようになると、依存症もいよいよかなり進行している状態だといえます。
大抵、パチンコなどのギャンブルにのめり込んでいる人のことを周りの人は良い目では見ません。そのため「パチンコ以外のところに行く」と嘘をついてパチンコに行くのです。
しかし、パチンコに負けてしまうとお金がなくなってしまうので、嘘を隠すために以下のようなサイクルに陥ってしまいます。
- ギャンブルの負けを取り戻すために必死に勝ちにいく
- ギャンブルで負けてしまう
- ギャンブルに負けてイライラする
- 家族や知人との関係がうまくいかなくなる
- イライラするから気を紛らわせるためにまた、パチンコ屋に行く
という悪循環でどんどんパチンコに依存していくのです。
後述しますが、ギャンブル依存症で重要なことは、周りの人と依存症の苦しみをシェアすることと言われています。
しかし、嘘をついてギャンブルをすることによって、自分は周りから孤立してしまうので、孤立を原因としてギャンブルに依存してしまうのです。
借金をしてまでギャンブルがしたい
ギャンブルで負けてしまうと、依存症の人は負けを取り戻そうとします。
手元にお金がなければ、借金や、家族の大切な預金を使ってまでパチンコをしてしまいます。
このような症状になってしまったら、これは依存症の末期症状ということができます。
- ギャンブルに負ける
- 負けを取り戻そうとする
- 結果、ギャンブルで負ける
- お金がないから借金する
- ギャンブルをやってまた、負ける
このようなサイクルによって、借金はどんどん増えてしまいます。
このような自分に対して「自分は最低だ」などと自分を責め続けると、うつ状態になってしまいます。
そして、うつ状態を解消するために、またパチンコに依存してしまうという悪循環になってしまうのです。
気づいたときにはもうこれ以上お金を借りられなくなり、債務整理をする人が非常に多いのが実態です。
ギャンブル依存症対策
このように、ギャンブル依存症の症状には段階があり、初期症状であれば、「自分は依存症ではない」と思っている人が大半で、自覚がないので対策が難しいというのが現状です。
どんな小さな症状であっても、自分が上記の症状に該当するのであれば、適切な対策を講じる必要があります。
ギャンブルに関わる情報を遮断する
最初にやるべきことはギャンブルに関わる情報を遮断するということです。
ギャンブルの情報アプリをとっている人であれば、アプリを消す、ギャンブル雑誌を読まない、ネット広告を見ないようにするなどして、できる限りギャンブルの情報は遮断するようにしましょう。
パチンコ屋の前を通らない
パチンコ店などは駅前や国道沿いなど、かなり目立つ場所に立地しています。
給料日後、財布の中に数万円程度のお金があるときにパチンコ店の前を通ってしまったら、どうしてもパチンコをしたい気持ちを抑えることができずに、パチンコ店に入ってしまうことがあります。
このため、普段の生活ルートの中にパチンコ店があるのであれば、意図的にその道は避けて、パチンコ店が視界に入らないように意識しましょう。
ギャンブル依存症が初期症状であれば、情報を遮断したり、パチンコ店の中を通らないなどの配慮を一定期間行うだけで、依存症から脱却することができるケースが多いようです。
家族に打ち明ける
自分がギャンブル依存症であることを家族に打ち明けることは非常に大切です。
家族に隠しながらギャンブルでお金を使ってしまうという悪循環の中で、孤独と焦りと自責の念を感じ、またギャンブルに依存していくのがギャンブル依存症のサイクルです。
ギャンブル依存であることを、家族に話すことは最初は大きなケンカやトラブルになるかもしれませんが、取り返しのつかない状態になってから家族にバレてしまったらさらに事態は悪化します。
まずは、自分がギャンブル依存であることを家族に打ち明け、家族とギャンブル依存症の苦しみをシェアするように努めましょう。
自助グループに参加する
先ほどから述べているように、ギャンブル依存症は一人で抱えないということが非常に重要になります。
同じような悩みを抱える人が集まって悩みを話し合うことができる自助グループ(セルフヘルプ・グループ:Self Help Group)は全国に多数あります。
自助グループで共通の悩みもつ仲間と話し合うことで「苦しんでいるのは自分だけではない」ということが分かり、精神的な苦しみから解放されます。
ギャンブル依存症の人がギャンブルから足を洗うことは簡単なことでありません。
精神的には非常に苦しいものですが、自助グループに参加することによって、皆で依存症から脱却するのだという共通の仲間ができるので、一人で克服しようとするよりもギャンブルを断つことの苦しみが軽減されます。
専門医にかかる
ギャンブル依存症とは、医学的に脳の病気であるとされています。
ギャンブルをやめられない人は、自分を責めるのではなく「自分は病気なんだ」と自覚することも大切です。
自分が悪いのではなく、病気であれば、治療をすればよいのです。
勇気を出して精神科医などを受診することも大切です。
適切かつ医学的な治療を受けることでも、ギャンブル依存症を脱却することができます。
家族がギャンブル依存症にかかったら
このように、ギャンブル依存症は「自分は絶対に大丈夫」という人でも、陥ってしまう可能性があります。もしかしたら家族の誰かがギャンブル依存症になってしまうかもしれません。
先ほどから述べているように、ギャンブル依存症は家族や他人と悩みをシェアすることが最も重要で、絶対に放置してはいけません。
家族の1人がギャンブル依存症となり、すでに借金が増えてしまっているときに家族はどう対処すればよいでしょう。
放置すると借金が山のように増える
家族のギャンブル依存症を放置すると借金がどんどん増えていきます。
借りられるだけお金を借りて、借りられなくなってしまったあとは、家族にもお金を要求するようになってしまい、最終的には家庭崩壊になってしまうケースもあります。
このため、家族がギャンブル依存症かな?と思ったら放置せず、できるだけ話しをして、パチンコ意外の目的で外に連れ出すことを心がけましょう。
緑が多い場所や体を動かすことがよいとされていますので、ギャンブルをしているからといって責めずに、できる限りパチンコを忘れさせる方向へと導いてあげるようにしましょう。
借金は家族全体の問題として捉える
すでに借金が増えてしまっているのであれば、一緒に返済計画を考えるようにしましょう。
借金を返してあげるのではなく、借金の返済に対する悩みを一緒に考えてあげることが大切です。
一人で借金の悩みを抱えると、ギャンブルで取り返そうという気持ちになり、ますますギャンブルに依存してしまいますので、毎月いくら返済すればよいかなどの悩みを共有し、話し合える環境を作ることが重要なのです。
ギャンブルの借金が返せないときの対処法
いくらギャンブル依存症から脱却できたとしても、すでにギャンブルで多額の借金を作ってしまっている人は、借金を返済していかなければなりません。
ギャンブルで借金をしている人は複数の借り入れ先から借金をしている多重債務者である可能性が非常に高いといえます。
ギャンブルで借金をしている人はどのように借金を返済していけばよいのでしょうか?
おまとめローンで借金をまとめる
複数の借入金があると、その借入件数の分だけ返済金があるため、毎月の返済額が大きくなってしまいます。
このような人はおまとめをすることによって返済額が少なくなることがあります。
消費者金融から借りているのであれば、消費者金融のおまとめローンでまとめることができますし、銀行から借りているのであれば、銀行のおまとめローンを利用して、毎月無理なく返済できるようになる場合もあります。
カードローンで借金をまとめる
カードローンでも借金をまとめることが可能です。
使い道自由ですので、消費者金融も銀行からの借入も1本化することができます。
さらにカードローンは限度額が大きくなればなるほど金利が下がっていくので、おまとめによって借入額が大きくなれば好条件の金利でお金を借りることも可能です。
すでに複数の借入金がある人が審査に通過することは簡単ではありませんが、試してみる価値がある方法です。
債務整理を検討する
複数の借金を抱え、返済することが困難で、おまとめなどでも解決することができない場合には債務整理を検討しましょう。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などの方法がありますが、どの方法でも素人である債務者単独で行うことは困難ですので、弁護士に依頼する必要があります。
手元に弁護士費用がない場合には、着手金無料、成功報酬は分割払い可能という弁護士事務所へ相談するようにしてください。
債務整理に強い弁護士事務所は無料相談会を行っているので、そちらを活用するとよいでしょう。
まとめ
ギャンブル依存症は誰でも陥る可能性のある脳の病です。
脱却するためには早期に依存症の自覚を持ち、1人で抱えずに家族や仲間や専門家に力を借りることが大切です。
晴れて依存症から脱却することができたとしても、借金は返済していかなければなりませんので、おまとめローンやカードローンで返済額の軽減を図りましょう。それでもダメなら債務整理を行うことも可能です。
ギャンブル依存症やそれに伴う借金問題は必ず解決できる問題ですので、正面から問題に取り組み、家族や仲間が一緒に向き合うようにしましょう。