増額でカードローンの限度額を引き上げる方法と増額審査に通るコツ

カードローンは便利です。便利なために気づいたときには「あと少ししか限度額がない」「限度額がいっぱいでもうこれ以上借りられない」という経験をお持ちの人も少なくないのではないでしょうか?
そのようなときには、手持ちのカードローンの限度額を引き上げる「増額」という手続きを行えば、利用可能額を増やすことができます。しかし、増額には審査があり、審査のポイントをしっかりと抑えておかなければ減額や契約解除になってしまうリスクもあります。
この記事では、カードローンの限度額を増額して引き上げる方法や増額審査に通るためのポイント、増額の注意点とリスクなどについて解説します。
増額でカードローンの限度額を引き上げる方法
カードローンは審査を通過した後、契約時に「〇〇万円まで利用可能」という限度額が決められていますが、契約後にこの限度額を増やすことできます。
このカードローンの限度額を引き上げることを「増額(増枠)」といいます。
ただし、カードローンの増額は誰でもできるわけではなく、増額を行うには増額審査に通過する必要があります。
ではカードローンを増額したいと考えたときにはどのような方法で増額の申し込みを行えばよいでしょうか?
公式サイトで増額の申し込み
インターネットのマイページなどにログインして、インターネット上から増額の申し込みができるカードローンが数多くあります。
電話(フリーコール)で増額の申し込み
また、すべてのカードローンではコールセンターに電話すると、そこから増額の申し込みを行うことができます。
自動契約機では増額できない
大手消費者金融は自動契約機がありますが、自動契約機では増額の申し込みを行うことはできません。
そのため、カードローンの限度額を増額したい場合には、基本的にインターネット(会員ページ)か電話で申し込みするかの2択から選びましょう。
カードローン会社から増額の案内がきた場合
カードローンを利用していると、郵便や電話でローン会社の方から「増額しませんか?」という案内がくることもありますし、ATMでキャッシングや返済をしたときに画面上で「あと〇〇万円まで増額可能です」という表示があったという経験がある人もいるのではないでしょうか?
このような場合には、ローン会社の方から「増額できますよ」という案内をしているため、限度額を増やすことができる可能性は高いとはいえますが、必ずしも増額が可能であるとは限りません。では、どのような視点で増額の案内を送っているのでしょうか?
カードローン会社は定期的に途上与信をしている
カードローンは1年に1回程度、定期的に契約者の途上与信を行っています。これは契約者からの申出の有無にかかわらず必ず行われています。その際に、利用実績が良くてローン会社的にも「もう少し多くの金額を借りてほしい」という人には増額の案内を出しているのです。
途上与信ではカードローンの利用状況や信用情報を審査
途上与信では、当該カードローンの利用状況や信用情報を審査します。利用状況に何も問題がなく、カードローンやクレジットカードの返済など信用情報に問題がなければ増額の案内を送っています。
途上与信で審査される項目は、当該カードローンの利用状況と信用情報の2つだけです。このため、途上与信だけでは見れない情報に関しては、実際に増額を申し込んでみなければ確認することはできません。
いざ増額に申し込んでみても、勤務先が変わっていたとか年収が下がっていたという場合には、カードローン会社から増額の案内がきたとしても審査に落ちてしまうこともあります。
カードローン会社から増額の案内がくるのは、利用状況や信用情報になにも問題がない人に限定されますが、より詳しく調査した結果、増額の審査に落ちてしまうこともあります。
カードローンを増額するための条件
カードローンの増額は以下の2つの条件を満たしている人でないと審査には通過できません。
- 返済に遅れがない
- 半年以上の利用実績
返済に遅れがない
契約してから増額するまでに返済遅れがないことが1つ目の条件になります。
返済に遅れがある人はローン会社にとっては不良債権化する可能性が高い債権です。
ローン会社からすると、リスクの高いことがわかっている人に対してより多くのお金を貸してしまったらさらに多くのリスクを背負うことになります。
返済に遅れがないからこそ、ローン会社はさらに多くのお金を借りてほしいと考えるのです。
半年以上の利用実績
増額審査に通過するためには、最低半年以上の利用実績が必要です。カードローン契約者がお金を返す人かどうかの判断はある程度の利用期間がなければ分かりません。
最低でも契約してから半年以上の期間が経過し、その期間の返済に遅れがないということも条件になります。また、利用実績は長ければ長いほうが増額審査には有利になります。
カードローン増額の審査基準
カードローン増額には審査があります。では、どのような基準で増額審査が行われるのでしょうか?
信用情報の照会
増額の審査では、初回の審査と同様に信用情報の照会があります。
契約開始から増額を申し込むまでの間に信用情報を傷つけるような事故はなかったか、他社借入はどの程度あるのか、ローンやクレジットカードの返済に遅れがないかなどを調べています。
属性スコアリング
前述した信用情報に加え、勤務先、年収、勤続年数などの情報を点数化し、点数化した情報をコンピューターで自動判定します。ここで、さらに多くの金額を貸すことができると判定された人は増額の審査に通過できることになります。
勤務先への在籍確認
増額の審査でも、スコアリングのあとには必ず在籍確認があります。
勤務先が変わって勤続年数が短くなっている人は審査に不利になると考え、「契約時から勤務先が変わっていない」と申告する人も少なくありません。
しかし、増額審査の際にも在籍確認は必ず行われますので、たとえ勤続年数が短くなっていたとしても、勤務先は正直に申告しましょう。
カードローンの増額審査に通るコツ
増額の審査に通過するには以下の4つのポイントがあります。
- カードローンの利用実績が良好
- 他社借入を増やさない
- 属性が悪化していない
- 総量規制(年収1/3)の範囲内
カードローンの利用実績が良好
増額の条件でも説明した通り、これまでの返済実績に遅れがあると増額審査には通過できません。
増額申込の際には、契約してから一度も返済に遅れがないことが求められます。また、審査の際には他社借入やクレジットカードの返済履歴も過去24ヵ月分照会されてしまいます。
ここで遅れが多い場合にも審査に通過することは困難になりますので、増額するカードローンに限らず他のローンやクレジットカードの返済も遅れがないようにしましょう。
他社借入を増やさない
他のカードローンなどの借入が増えていないことも1つの条件です。
他社に浮気することなく、自社のサービスを贔屓にしてくれる人のほうが審査では好印象です。
また、1本の借入金額が多い人のほうが、複数の借入が少額ずつある人よりも審査には有利になりますので、他の借入本数が増えていないということも増額審査に通過するための1つのポイントであるといえます。
また、カードローンを新規で契約してから、増額を申し込むまでの間に、他社ローンの返済遅れや長期延滞、代位弁済を起こしていないことも重要です。
現在利用しているカードローンの限度額が減額されるほか、契約を切られる可能性もありますので注意しましょう。(後述)
属性が悪化していない
年収が下がる、勤続年数が短くなるなどの、カードローン契約当初よりも属性が悪化していないということも重要です。
むしろ契約時からある程度の年次が経過して、年収や勤続年数が長くなっているという状況であるからこそ、ローン会社は限度額を増やすという判断をすることができるのです。
こちらもあまりにも属性が悪化していると、減額や契約解除となることもあります。(後述)
総量規制(年収1/3)の範囲内
消費者金融や信販会社等の貸金業者は、貸金業法の総量規制により、個人の年収の3分の1までしかお金を貸せません。
そのため、増額した結果、年収の3分の1を超えた借入額となってしまう場合は、当然ながら限度額の増額はできません。
増額後も年収の3分の1以内に収まっていることが求められます。
例①)
年収:150万円
初回契約時の利用限度額:50万円
増額可否:×
例②)
年収:150万円
初回契約時の利用限度額:30万円
増額可否:20万円まで増額可能
総量規制は貸し過ぎ・借り過ぎを規制するため法律です。そのため、必ずしも年収の3分の1まで借りられるという訳ではありませんのでその点ご注意ください。
カードローンの増額審査に落ちるケース
増額審査のポイントを押さえていない人は、増額を申し込んだことによってむしろ限度額が下がるとか、カードローンの利用停止となってしまう可能性がありますので、増額を申し込む前には、自分が以下の4点のいずれかに該当していないかどうか注意してください。
- 他社借入が増えて総量規制オーバーになった
- 年収低下により融資可能枠が減った
- 転職したことで勤続年数が短くなった
- 他社ローンの返済遅れや金融事故が見つかった
他社借入が増えて総量規制オーバーになった
カードローン契約時から現在までに、他社の借入やクレジットカードのキャッングの借入が増えて、増額の申し込みをしたときに、すでに総量規制の枠をオーバーしている場合には、総量規制の枠に収まるような金額に減額になってしまいます。
例えば、年収300万円の人は100万円まで借りられますが、この人が銀行などの金融機関以外からの借り入れがすでに120万円に達してしまっている場合には、現在の限度額よりも20万円減額となってしまうのです。
年収低下により融資可能枠が減った
総量規制とは、貸金業者からの借入が年収の3分の1以内とならなければならないという法律上の規制です。したがって、年収が下がれば借入可能額も年収に比例して少なくなってしまいます。
転職や減給などによって、契約時よりも年収が下がっていた場合には、その年収に合わせて借入限度額が減額となってしまいます。
転職したことで勤続年数が短くなった
属性の悪化によって、借入限度額が下がることもあります。最もよくある事例としては、転職によって勤続年数が下がり、それを原因として減額となってしまうことがあります。
一般的に転職によって年収が増えていない場合には、ネガティブな転職であると判断されてしまい審査では不利となります。
カードローンの増額審査で不利とならない転職の条件は次の2つです。
- 退職後、無職の期間が短い(転職先ですぐに働く)
- 転職により、以前よりも年収が増えた
この2つの条件を両方とも満たしている場合には、増額の審査に通過できる可能性があります。やはり契約時から増額を申し込むまでの間に転職をしていないほうが審査では有利です。
他社ローンの返済遅れや金融事故が見つかった
先ほど述べたように、信用情報の審査によって他社からの借入金の返済状況やクレジットカードの支払状況は過去24ヵ月分が丸裸になってしまいます。
ここで遅れが多いと、「こんなに多くのお金をこの人に貸すのは怖い」と判断されれば減額となってしまうことがあります。
また、他社でのカードローンやクレジットカードの返済を2ヵ月以上延滞した「長期延滞」という情報や、返済状況が悪いために契約そのものを切られてしまった「強制解約」といったような事故情報がある場合には、増額を申し込んだカードローンの契約をむしろ強制的に解約となってしまうことがあります。
増額を申し込むということは、「新たに審査に申し込む」ということですので、安易に増額の申し込みを行うことで、増額申込みをしなければバレなかった情報がバレてしまうリスクにも留意してください。
まとめ
カードローンの限度額を増やす増額を行うには、審査に通過する必要があります。
増額の審査に通過するには、半年以上の利用実績と、過去の返済に遅れがなく、契約時から増額申込時までに、他社借入が増えていない、勤続年数が下がっていない、年収が減っていないなど、契約時から増額時までに属性が良好になっている必要があります。
増額審査は基本的に新規契約時と同じ目線で審査が行われますので、この際に新規契約の審査すら通過することができないような人は、増額に申し込んでも減額や強制解約となってしまうこともあるため安易に申し込みを行わずに、新規契約時よりも自分が審査的に立派になっているという自負がある場合のみ申し込みましょう。