レディースローンは女性アルバイトやパート主婦に審査が甘い?

レディースローンの審査は働く女性のうち多くを占めるパート・アルバイトや主婦に甘いのでしょうか?
いえ、けっしてそのようなことはありません。女性といってもきちんとカードローンの審査を受けて、厳しい審査基準を通過する必要があります。
ところで女性向けカードローン「レディースローン」が作られた背景は次のようなものです。
従来の個人向けキャッシングローンは、消費者金融中心にサラ金のイメージが強く、また利用者も男性が中心でした。
そのため女性がカードローンを初めて借りようとしても、以下のようなイメージがつきまとっていました。
「初めて借りるので怖い」
「利用した経験もなく借り過ぎが不安」
「借金していることを家族や会社に知られるのが恥ずかしい」などなど。
一方で、女性が社会に出てどんどん働く場が広がっており、またそれに合わせて自分のためにお金を使う機会が増えたため、毎月の給料では足らない部分は借金でおぎなう必要も出てきました。
カードローン会社としても、これは女性にお金を借りてもらう絶好のチャンスであり、そのためにまずは従来のカードローンのもつ暗い印象を振り払い、女性でも安心して使える明るいイメージの女性専用カードローンを開発する必要に迫られました。
それが女性向けの「レディースローン(カードローン)」です。
現在では、銀行や消費者金融などが女性専用カードローンを取り扱っており、女性でも気軽に利用できる環境が整っています。
ただし、働く女性の中にはまだパートやアルバイトや派遣社員などの身分で働いている女性の割合は数多く、正社員の数は男性に比べてまだまだ少ないのが現実です。
そこで今回の記事では、そのレディースローンに焦点を当てて、働く女性の中心を占めるパートやアルバイトや主婦などがレディースローンを申し込みしたら審査は厳しいのか、また審査に通るにはどのような点に気をつける必要があるか、など職業別にも詳しく解説します。
レディースローンは女性アルバイトやパート主婦に審査が甘い?
レディースローンとは、その名のとおり女性向けのカードローンやキャッシングサービスのことをいいます。
女性専用の借り入れということで、一般向けのカードローンに申し込むよりもレディースローンのほうが審査に通りやすい気もしますが、あくまでも融資ですので、女性だからといって審査が甘いわけではありません。
そこにはそれぞれ業者独自の審査基準もあり、女性が申込みしても、そのうち一定数は審査落ちとなる可能性があります。
また、専用ローンとなっていても、レディースローンは業者が「あくまでカードローンというもののイメージ向上を狙った商品」であることを忘れてはなりません。
その結果、レディースローンの審査も、一般カードローンの基準に準じて行われるということであり、レディースローンといってもけっして審査に甘いというわけでもないのです。
そこでまずは、レディースローンと一般カードローンについて、どれくらい商品内容に違いがあるか、大手消費者金融の商品を例に一覧表にして見比べたいと思います。
レディースローンと一般カードローンの違い
以下が大手消費者金融3社のレディースローンと一般カードローンを商品スペックや審査時間を並べて比較したものです
レディースローン | 金利(実質年率) | 借入限度額 | 審査時間 | |
---|---|---|---|---|
プロミス | レディースキャッシング | 年4.5%~17.8% | 1万円~500万円 | 最短30分 |
一般カードローン | 年4.5%~17.8% | 1万円~500万円 | 最短30分 | |
アコム | 働く女性のカードローン | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | 最短30分 |
一般カードローン | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | 最短30分 | |
アイフル | アイフルレディースSuLaLi(スラリ) | 年18.0% | 1,000円~10万円 | 最短即日 |
一般カードローン | 年3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | 最短30分 |
※大手消費者金融の主要サービスである30日間金利無利息サービスについても、各社のレディースローン、一般カードローンとも、利用制限なく共通して利用できます。
結論から言えば、レディースローンと一般カードローンに大きな違いはありません。
アイフルのレディースローンだけ、借入限度額が最高10万円とやや限定的ですが、それ以外には各社ともほとんどの点で一般カードローンとの違いを見つけることはできません。
つまり、商品内容はほぼ同じものとして両者は理解する必要があるのです。
レディースローンの特徴は女性専用のレディースコール
それではわざわざ女性専用ローンと銘打ったレディースローンの特徴はどこにあるのでしょうか?
それはズバリ、各社とも「女性専用のレディースコール」という専用相談窓口が用意されていることです。
「女性専用のレディースコール」では、応対してくれる担当オペレーターはすべて女性ですので、男性には相談しづらいという女性でも、同性であれば気軽に相談できますよね。
まさに「女性専用レディースコール」の設置はその効果を狙って作られているのです。
レディースローンは女性に審査が甘いわけではない
繰り返しになりますが、女性専用窓口があることを除いては、レディースローンといっても決して女性にだけ審査が甘いわけではありません。
一般カードローンと同じくレディースローンの審査を通るためには一定の審査基準を満たすことが必要です。
ではその審査基準とはどのようなものでしょうか?レディースローンも一般カードローンもスペックや審査時間、サービス内容が変わらない以上はレディースローンの審査基準も一般カードローンに準じたものであることはほぼ分かります。
この章では、レディースカードローンの審査のポイントについて解説します。
レディースローンの審査ポイント
まずは大手消費者金融3社のレディースローンの申込条件を確認してみたいと思います。
各社の申込条件を比較することで、レディースローンの審査のポイントも見えてきます。
レディースローン | 貸付対象者・申込条件 |
---|---|
プロミスレディースキャッシング | ・年齢18歳以上、69歳以下のご本人に安定した収入のある方 ※主婦や学生でもアルバイト・パートなどによる安定した収入のある場合は申込み可能 |
アコムレディース「働く女性のカードローン」 | ・年齢が満20歳以上の方 ・安定した収入と返済能力を有する方 ・アコムの審査基準を満たす方 |
アイフルレディースSuLaLi(スラリ) | ・年齢が満20歳以上の方 ・定期的収入と返済能力を有する方 ・他社の借入がない方・アイフルの審査基準を満たす方 ※取引期間中に満70歳になった時点で新たな融資が停止となります |
この一覧表を見ると、各社とも審査で年齢、収入等の条件が、レディースローンの審査でも重要であることは分かります。
しかし、それでも「(会社名)の審査基準を満たす方」という点がまだまだあいまいですよね。
そこでこの「(会社名)の審査基準を満たす方」という点について、もう少し深く掘り下げてアプローチしてみましょう。
この各社の審査基準というものは、属性、信用情報、在籍確認といった3つの審査項目から成り立っていると筆者は考えています。
レディースローンの審査においても、これらをすべて満たすことでカードローンの利用ができるものと考えます。
スコアリング(属性)審査
スコアリングとは、申込者の属性(年収や職業など)を数値化して、合計点がカードローン会社の定めた基準を超えた人のみスコアリングの合格者とする審査方法です。
合格ラインの基準点は各社で異なり、もしその業者が女性の利用者数を増やしたいと考えていたら一般カードローンよりもレディースローンの足切り点を低く設定することで審査通過者を多くすることもできます。
また、このスコアリング審査はコンピュータによる自動審査ですが、申込者から本人確認書類や所得証明書を提出してもらって、スコアリングとは別に担当者による目視のチェックも実施してより詳しく信用力を判定します。
信用情報の審査
信用情報の審査とは、レディースローン申込者の過去の返済履歴や現在の他社カードローン・クレジットカードなどの利用状況をチェックする審査です。
具体的には、信用情報機関に登録されている申込者の信用情報をチェックします。
問い合わせの結果、本来登録されていてはならない返済の滞納情報や債務整理等の情報が確認されると、スコアリングの結果に関係なく審査落ちの対象になります。
また、あわせてローンやクレジットカードの申し込みや契約、返済状況も確認するので、その内容次第では同じく審査落ちしてしまいます。
勤務先への在籍確認
在籍確認とは、本人が働いている勤務先に電話をかけて、在籍の事実を確認するための審査です。
信用情報と同様、勤務先への在籍確認もレディースローンでは重要な審査手続きです。
レディースローンの申込先が銀行だった場合、在籍確認の手続きは必ず電話で行われます。
一方、申込みした先が消費者金融なら、本人の希望や個別事情、利用限度額の大きさや返済能力など考慮して、在籍確認の手続きを電話に変えて書類で対応してくれる場合があります。
特に女性は家族や職場に申込みを内緒にしたいというニーズも強いので、レディースローンの申込先を選ぶときにこのような対応をしてくれる業者を優先して選んでもいいかもしれませんね。
レディースローンの審査基準を職業別に解説
同じ女性といっても、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員、正社員から働いていない専業主婦までその立場はさまざまで、職業によってそれぞれ審査のポイントも違います。
この章では、それぞれの女性が働いている職業別にレディースローンの審査でどのような点に気をつけて審査を受けたらいいのかを詳しく解説したいと思います。
アルバイトやパートなどの非正規雇用者
女性がアルバイトやパートとして働いていた場合、その身分はあくまで非正規雇用者であり正規雇用者と比べても安定性で劣ります。
これらの職業についている女性がレディースローンの審査で注意したい点は以下の6つです。
アルバイトやパートの審査ポイント
- 安定した収入を確保していること
※審査では収入金額の大小よりも安定性が大切。 - 勤続年数はできれば1年以上あることが望ましい
※同じアルバイト・パートでも日雇いは勤続年数としてカウントできないのでダメ。 - 信用情報に傷がないこと
- 在籍確認を取れること
※本人の事情や申込限度額によっては電話に代えて書類対応可の消費者金融を選んだほうがよい場合もある。 - 職業としての信用力から、他社カードローン契約数、借入残高はできるだけゼロであることが望ましい
- 希望限度額は低めに設定する(目安は他社借入を含め年収の3分の1以内)
派遣社員や契約社員
女性が派遣社員または契約社員だった場合、パート・アルバイトより収入面、勤務先などでやや安定性が増しますが、それでも正社員ほどではありません。
そこでこれらの職業についている女性が審査で注意したい点は以下の8つです。
派遣社員・契約社員の審査ポイント
- 安定した収入を確保していること
- 勤続年数は派遣社員、契約社員ともども1年以上あることが望ましい
- 派遣社員の場合、登録先(派遣元)が登録社員を安定的に派遣できる取引先を多く持っている派遣会社であること
- 契約社員の場合、勤務先である契約企業の事業が安定していること
- 信用情報に傷がないこと
- 在籍確認が取れること
※派遣社員の場合、優先的に電話をかける先は派遣元(難しい場合は派遣先または書類対応)、契約社員の場合は契約企業となる - パート・アルバイトより職業的に安定度高いので、他社カードローン契約数はできるだけ1社以下であることが望ましい
- レディースローン借入時の総借入残高は他社との契約を含め年収の3分の1以内まで
正社員やOLなど正規雇用
女性が正社員だった場合、正規雇用者として職業の安定度は抜群です。
特に問題なく一定の条件を満たすことができれば、レディースローンの審査もあまり苦労せず通過できるでしょう。
それでも最低限カバーしておきたい審査条件は以下のとおりです。
正社員・OL(正規雇用)の審査ポイント
- 正社員なので収入は安定しているが、さらに収入が高ければなお有利
- 勤続期間が6ヵ月以上(新入社員なら3~6ヵ月程度)
- 信用情報に傷がないこと
- 在籍確認ができる
- 他社カードローンの契約数はできるだけ2社以下であることが望ましい
- 総量規制(年収の3分の1)を意識した節度ある借入希望額
専業主婦
専業主婦と他の働く女性との大きな違いは本人にまったく収入がないことです。
そうなると専業主婦が仮にレディースローンを借りてもどのようにしてカードローンを返済するか、その点がまず心配ですよね。
そこでこのような条件下で果たして無職の専業主婦でもレディースカードローンを利用できる業者があるのか、あるとしたらどのような対応となりどのような書類が必要となるかなど詳しく解説します。
専業主婦が借りられるのは銀行カードローン
専業主婦の場合、消費者金融(特に大手)は対応不可だが、銀行カードローンなら借りられる先があります。
銀行も消費者金融もカードローンは発行できますが、発行の根拠となる法律が違っていて、銀行は銀行法、消費者金融は貸金業法に基づきカードローンを発行できる仕組みとなっています。
また、貸金業法にはカードローンの発行にあたり、業者を金額の面から制限する規制がついており、それを総量規制とよびます。
この法律は2006年に発布され、周知期間を経て2010年に完全施行されました。
総量規制の下では、消費者金融は所得のない個人にカードローンを貸せないルールになっており、その結果、収入のない専業主婦はカードローンを借りられません。
一方、銀行カードローンは銀行法に基づきカードローンを発行しているので、総量規制による所得の縛りもなく、かつては収入のない専業主婦でも借りられました。
しかし、2017年以降に銀行カードローンが消費者金融に代わり、個人への過剰融資の原因となっているとの社会的批判から、大手銀行中心にカードローンの自主規制が始まり、今では収入のない専業主婦は借りにくくなっているのが現状です。
ただし、今のところ、この自主規制の強い影響を受けているのは、メガバンクや大手地銀のカードローンであり、自主規制の流れが完全に銀行業界に浸透しているわけでもありません。
少し視野を広げて、小規模な地銀や信金・信組、JAバンク、ネットバンク等に目を向ければ、借入限度額にもよりますが、一部まだ専業主婦に対応してくれる金融機関もあるのが実態です。
もし現在、専業主婦でレディースローンを銀行カードローンで借りたい人がいれば、ネット検索の対象を全国に広げて探してみてはいかがでしょうか?
配偶者貸付とは?
銀行カードローン以外に、収入のない専業主婦でもカードローンを借れる方法がもうひとつだけあります。
それが配偶者貸付です。
配偶者貸付は総量規制における例外規定として取り扱われており、仮に所得のない専業主婦でも、一定の条件を満たせれば、消費者金融で借入ができる制度となっています。
ただし、カードローンの融資限度は、専業主婦とその配偶者の所得とを合算した年収の3分の1以内までとなります。
また、配偶者貸付が利用できる条件とは、
- 利用にあたり配偶者の同意が得られ、かつ同意書を業者に提出できること※
- 配偶者との婚姻関係を示す書類(住民票または戸籍抄本)を退出できること
- 一定以上の限度額を申込みする場合、配偶者の年収に関する書類を提出できること
となっています。
※ただし、配偶者の同意書を出すことは、配偶者が借主(専業主婦)の保証人となることを意味しない。
※これ以外にも申込者本人、配偶者の本人確認書類(運転免許証等)の提出と、業者が両者の信用情報を個人信用情報機関に問い合わせることに同意する手続きが必要。
収入のない専業主婦にとって、この配偶者貸付はとても便利な制度なので、カードローンを借りたい主婦ならぜひ利用したいと考えるでしょう。
しかし、残念ながらこの制度は大手消費者金融のどことも利用できないのが実態です。
なぜなら、大手消費者金融がこの申し込みを受けると、数種類もの書類を集める手間やその確認に手間(時間)がかかります。
テレビやネットで広告を打つだけで、一定数の新規申込みが期待できる大手消費者金融としては、わざわざ手間のかかる配偶者貸付までやりたくないのが本音でしょう。
配偶者貸付を採用するかどうかは、あくまで個別の業者が決めたらいいので、上記の理由から大手消費者金融ではどこも配偶者貸付を取り扱っていないのです。
その結果、この制度が現在利用できるのは、この制度も採用しないと、なかなか女性から申込みしてくれない中小消費者金融に限られるということになります。
筆者の確認でも、配偶者貸付を採用している、利用するのに安全な中小消費者金融はいくつかありました。
上記のような理由から、結論として、もし収入のない専業主婦がどうしてもカードローンを借りたいなら、次のいずれかの方法を選んで利用することになります。
- 専業主婦でも借りられる銀行カードローンを見つける
- 配偶者貸付をしている中小消費者金融を見つける
まとめ
レディースローンの審査について、取り扱い先は銀行から大手・中小消費者金融までたくさんあること、またレディースローンといっても一般カードローンと変わらぬ審査があること、その審査基準を踏まえて、それぞれ職業別に女性はどんな対策を取ったらいいかなど、詳しく解説してきました。
これからもまだまだ社会で働く女性の数は増えて、レディースローンを使う機会は増えてくることが予想されます。
筆者としても、一人でも多くの女性が、たくさんのレディースローンの中から、自分のニーズに合ったレディースローンを見つけて、それをうまく利用して有意義な社会人ライフを送られることを心から願っています。