携帯電話料金の未払い・遅延・延滞が信用情報に与える影響

カードローンを知る・学ぶ

「携帯電話料金の支払が遅れると、信用情報に登録されてしまいますので注意してくださいね。」

中学生になった子供のスマホを新規契約したときに、店員さんからこのように説明がありました。

銀行員として信用情報を知っている私は疑問に感じて、思わず矢継ぎ早に質問してしまいました。

<私>
『携帯電話料金の未払いが、なんでクレジットやカードローン返済が遅れた時と同じ扱いになるの?』

『携帯電話料金って通話料とかでしょ?借金でもないのに、どうして支払いが遅れると信用情報に登録されてしまうの?』

<携帯ショップの店員さん>
『携帯電話の機種代金分割払いはクレジット契約ですので…』

この答えで、私はすぐに納得できました。

携帯電話料金はクレジット契約のため、未払い・遅延・延滞をした場合、クレジットカードやカードローンの返済遅れがあったときと同様、信用情報に記録されるということです。

  1. 携帯電話料金とは「機種代金の分割払い+毎月の基本料金」を一緒に支払う契約
  2. 携帯電話の機種代金や基本料金の未払い・遅延・延滞は信用情報に悪影響
  3. その結果、クレジットカードやカードローン、住宅ローンなどの審査に通りづらくなる

今回は携帯電話料金の未払い・遅延・延滞が信用情報に与える影響についてお話ししていきます。

これからカードローンやクレジットカードを申込もうと考えている人、あるいは過去にカードローン審査で落ちた経験があるけれど原因がよくわからない人、もしかしたらこの記事が参考になるかも知れません。

携帯電話料金の未払い・遅延・延滞は信用情報に記録される?

携帯電話の機種代金を分割払いで購入すると、クレジット契約となるため、未払い・遅延・延滞が発生すると信用情報に記録されます。

「クレジットカードを申し込んだ」「スマートフォンを分割払いで購入した」など、あなたのクレジットライフがスタートしたときから、あなたの「信用情報」が刻まれていきます。
「信用情報」とは、クレジットカードや割賦販売、各種ローン等の契約について、契約内容や支払い状況等の客観的な取引事実を登録した個人の情報になります。
引用:あなたとCIC|指定信用情報機関のCIC

引用した信用情報機関CICのホームページは、このことを簡潔にわかりやすく説明しています。

携帯電話料金の仕組み、信用情報との関係

携帯電話料金で一括りにしていますが、実際には「①機種代金の分割払い」「②毎月の基本料金」という2つの契約が1つになって「携帯電話料金」として毎月請求されています。

高額の機種代金が実質0円になる仕組み(DoCoMoの「月々サポート」など)が一般化しているので、利用している人は実感がないかも知れませんが、実は毎月分割で機種代金を支払っているのです。

実際には、機種代金を支払ったと同時にサポート金額を料金からマイナス(相殺=そうさい)しています。

したがって毎月の支払は基本料の金額だけが引き落とされます。これが実質0円の仕組みです。

ただし、あくまでいったん機種代金を支払ってからサポートされる形式なので、未払い・遅延・延滞になると相殺も不可能となり、機種代金も延滞ということになります。

機種代金と信用情報の関係~機種代金分割払いはクレジット契約

冒頭部分の「携帯電話の機種代金分割払いはクレジット契約ですので…」について。

携帯電話の機種代金を分割払いするのは割賦契約(かっぷけいやく)と言います。

厳密には「個品割賦契約(こひんかっぷ)」と言って、個別の品物代金を分割払いすること、「個別クレジット」とも呼ばれます。

対義語として「包括クレジット」がありますが、これはクレジットカードのことです。

機種代金の分割払い(個別クレジット)は、クレジットカード(包括クレジット)と同類です。

つまり、機種代金は割賦契約でクレジットカードと同じ、だから遅れた場合の流れも同じなのです。

基本料金と信用情報の関係~基本料だけなら支払いが遅れも大丈夫?

基本料金はサービス契約の利用料金であり、割賦契約・クレジット契約ではありません。

そのため例えば、携帯電話の機種代金を一括払いして、毎月の支払が基本料金だけの人は、もし基本料が遅延しても信用情報には即座に影響することはありません。これは税金・公共料金なども同じです

ただしあくまで「即座には」という点に注意が必要です。(※詳細は後述します)

基本料金も長期延滞すると、支払の意思がないと見なされ、強制解約されてしまいます。

強制解約されると、個人信用情報には「異動」として記録されます。

ローンの延滞や保証会社の代位弁済、自己破産の場合登録されるのが「異動」で、携帯電話の強制解約も異動に含まれます。

個人信用情報に異動があれば、クレジットカードやカードローン、住宅ローンなどの申し込みでは即審査落ちになります。

「基本料だけなら支払遅れも大丈夫」と言うサイトもありますが、あまり楽観視しないほうがいいと思います。

携帯電話料金の支払い遅れが信用情報に与える影響

携帯電話の料金は2つの契約が1つになって毎月請求される。

この「2つの契約」とは具体的に次のようになります。

<携帯電話料金(2つの契約)>
  • 機種代金の分割払いは、割賦契約・個別信用購入あっせん契約
  • 毎月の基本料金は、税金や公共料金と同じサービス契約(の利用料)

ここからは信用情報と「機種代金の分割払い」「基本料」それぞれの関係について説明します。

機種代金の支払い遅れが信用情報に与える影響

携帯電話の機種代金分割払いはクレジットカードやカードローンの契約と同類ですので、信用情報での取扱も全く同じです。

ですから支払遅れもクレジットカードやカードローンと同じルールで信用情報に登録されます。

  • 機種代金はクレジットカードと同類なので、信用情報の取扱も全く同じ
  • 支払遅れもクレジットカードと同じルールで信用情報に登録される

信用情報とは、携帯機種代金の割賦販売、クレジットカード、カードローンなどの契約内容や支払い状況を登録した個人情報のことで、この信用情報を登録・保管するのが信用情報機関の役割です。

信用情報機関にはCIC(主にクレジットカード系の信用情報を扱う)以外にもJICC(株式会社日本信用情報機構、消費者金融系の信用情報)や、KSC(全国銀行信用情報センターまたは全銀協、銀行系のローン・クレジットカードの信用情報)があります。

それぞれ信用情報の呼び方や用語など多少の違いはありますが、基本的な部分は共通しています。

この信用情報は、各信用情報機関に開示を請求すれば、自身の信用情報を確認することができます。

これを開示請求と言い、書面やパソコン、スマホの画面でも閲覧することが可能です。

そして、この信用情報が記載された文書のことを「信用情報開示報告書」と呼びます。(※CICの場合)

信用情報開示報告書は、金融機関の融資審査用と一般の人が開示請求したものとでは形式が異なりますが、記載された内容は同じなので、審査に使われているものを自分でも見ることができるのです。

ではCICを例に、機種代金の支払遅れが信用情報に与える影響について具体的に説明します。わかりやすいように、下記の参考リンクをご覧ください。

参考信用情報開示報告書の見方|指定信用情報機関のCIC

機種代金の分割払いが遅れると、信用情報開示報告書≪入金状況≫の欄に「A」が登録されます。

入金状況を表す記号の「A」とはお客様の事情で入金がなかった(未入金)、つまり延滞のことです。

ちなみに「A」とは対照的に、請求通り(もしくは請求額以上)の入金があった場合の記号は「$」です。

「$」は支払遅れがない(カードローンなら延滞がない)正常な状態を意味しています。

次に延滞の期間とその登録内容ですが、以下の通りとなります。

<延滞の期間と登録される内容>
  • 1ヶ月遅れると入金状況の欄に「A」
  • 2ヶ月遅れると「AA」
  • 3ヶ月遅れは「AAA」

以下延滞が進むたびに「A」が増えていきます。

そして3ヶ月(または61日以上)の遅れで、信用情報に「異動」が登録されます。(※CICの場合)

機種代金の支払いが3ヶ月間遅れたら異動になり、そのあとにカードローンやクレジット、住宅ローンを申込んだとしても、即審査落ちになる可能性大!ということになります。

基本料金の支払遅れが信用情報に与える影響

基本料金の支払履歴は信用情報に記録されないと説明しました。

ですから、基本料金だけなら支払が1~2ヶ月間遅れたとしても信用情報には影響しません。

ただし基本料金の支払いを3ヶ月以上延滞すると、強制解約されるので個人信用情報に異動が記録されてしまいます。

強制解約になるまでの日数は携帯電話会社によって異なりますが、強制解約=異動になる点には変わりありません。

携帯電話の機種本体代金はすでに払い終わってるけど、たまに基本料金を延滞してしまうという人は、信用情報を汚さないためにも毎月きちんと支払いましょう。

携帯電話料金の支払い遅れが原因でローンの審査に通らなくなる?

携帯電話料金の支払い遅れが原因で信用情報が汚れた場合、ローンの審査にはどのような影響があるのでしょうか?

①クレジットカードやカードローン②住宅ローン③事業資金融資、この3つを例に説明します。

クレジットカードやカードローン審査への影響

繰り返しになりますが、機種代金の遅延はクレジットカードやカードローンの延滞と同じです。

携帯電話の機種代金は長期の遅れで異動、基本料金も強制解約は異動なので、即審査落ちになります。

住宅ローン審査への影響

銀行の住宅ローンは、信用情報機関CICの信用情報を特に重視して審査します。

信用情報に異動があると即審査落ちになるのはクレジットカードやカードローンと同じです。

さらにもう一つ、毎月の支払状況にも注目します。

CICの信用情報に延滞を表す「A」の記号があると、携帯料金が遅れがちでルーズな性格の人、お金に余裕がない人と判断されてしまいます。

※未入金(何らかの事情で、約束の日に入金がなかった)=「A」

61日以上または3ヶ月以上の長期に渡る支払いの遅れ(延滞)があると、信用情報に「異動」が表示されます。

また携帯電話を含む電話料金はいわゆる五大公共料金(電気・電話・ガス・上下水道・NHK)と言われており、税金とともにきちんと支払うべきものと銀行は考えます。

そういった意味でも、携帯電話料金の遅れがあるとローンの審査に悪影響を及ぼしかねません。

事業資金融資審査への影響

信用情報に異動がある場合、その取扱いについては住宅ローンの審査と同じです。

事業資金融資では、税金や公共料金支払の遅れは住宅ローン以上に厳しく見られてしまいます。

例えば税金の滞納は、最悪の場合、不動産などを差し押さえられることもあります。

公共料金もこれと同じで、きちんと支払って当たり前という見方を銀行はしますので注意が必要です。

まとめ

ここまでのおさらい
  • 携帯電話料金は「機種代金+基本料金」
  • 携帯電話料金の未払い・遅延・延滞は信用情報に悪影響
  • 信用情報に「異動」が記録されるとローンの審査に通らなくなる

もしもカードローンや住宅ローンの支払が遅れたら、だれでも「ヤバい!」と思うでしょう。

携帯電話料金の未払い・遅延・延滞も、これと全く同じです。

「少しの間くらい携帯を止められても大丈夫」
「借金じゃないんだから後で払えばいいや」

携帯電話料金でも、機種代金の分割払いは借金ではありませんがクレジット契約です。遅れたらどうなるか?これまでお話ししてきたことをもう一度よく考えて見てください。

今すぐではなくても、将来いつか自分にとってマイナスとなる日が来るかも知れません。

クレジットカードやカードローンだけでなく、将来、住宅ローンやマイカーローンを検討されている方は、払わなければいけないものは遅れずきちんと払いましょう!

この記事の執筆者情報

・加藤隆二/銀行員
地方銀行に30年間勤務する現役銀行員。FP技能士2級。融資渉外担当として事業資金調達の相談、個人住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談、返済が困難な方からの相談にも対応。現在は融資契約書類の点検業務、不動産担保全般の書類点検などに従事。一人の銀行員として数多くのお客様と向き合い、お金にまつわるさまざまな相談に応えてきたことが自慢です。読者のために役に立つ文章を書いていきたいと思っています。

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