銀行カードローンの返済で困ったら誰に相談したらいい?

カードローンの返済に困った時に、誰に相談するのがベストなのでしょうか?

私は銀行の融資相談窓口として、これまで多くのお客様と接してきましたが、その中でも圧倒的に多いのが返済に関する相談事です。

今回のテーマでもあるカードローンに関しても、やはり返済の悩みを数多く、またいろいろな相談に対応してきました。

そこで今回は、実際の相談例を織り込みながら『銀行カードローンの返済に困ったら誰に相談したらいい?』これについて、銀行員目線でお話ししたいと思います。

Q.銀行カードローンの返済に困ったら誰に相談したらいい?
A.①銀行に相談する→②親に相談する→③専門家に相談する

相談する順番はこの通り。そして結論を最初にお答えすると、次のようになります。

<結論>
『銀行に相談したうえで、遅れながらでも返済を続けて、とにかく代位弁済を避ける。その間に、親にお金を工面してもらって完済する。それができなければ専門家に相談する』

銀行カードローンの返済は誰に相談はしたらいい?

銀行カードローンの返済で相談相手に困ったとき、順番として①銀行→②親→③専門家としたのは、それなりの理由があるからです。

カードローンを融資している銀行、つまり金貸しと最初に話しを付けなければ、事は上手く進みません。また、ここで問題になってくるのは「時間」です。

保証会社が付いているカードローンは、銀行にとって見れば「返済が遅れても、代位弁済さえできれば融資金は回収できる。あとのことは保証会社に任せれば良い」のです。

ですが、代位弁済(略して代弁)されては元も子もありません。個人信用情報に事故登録され、融資が当分受けられなくなるとご存じの人も多いでしょう。

そうならないように、ベストな解決に向けた時間的余裕のために、銀行と話しを付けることが先決なのです。

1番目の相談相手:銀行

1番目の相談相手は銀行です。

重要なことなので繰り返しますが、カードローンなど借金返済の話しは、第一に借りている相手と話しを始めなければいけません。

延滞すれば督促されます。そして延滞が重なれば、最後には代位弁済されてしまいます。

このときになって「実は親と相談していたんです」と言っても、もうどうにもなりません。金貸し(この場合は銀行)に意思表示することが大事なのです。

意思表示が大事

大事なのは「自分は返済したいんだ!」という意思表示をすることです。

「返済したいができない」「返済したい気持ちはあるが、どうしてもできない」これを銀行に伝えることがポイントです。

銀行では、言葉というものを結構重要視します。口に出して言うだけのことなのですが「返したい」と返済する意思がある相手には、銀行も柔軟に対応してくれるはずです。またそのあとの相談にも乗ってくれます。

銀行は顧客からの相談を門前払いするな!と金融庁から指示されている背景もあります。

ベストな解決のための時間を稼ぐ

時間稼ぎというと聞こえは悪いですが、代弁されては元も子も無い、とは書いたとおりです。そのためにも、自分の考えをしっかり伝えることが大事です。

例えば毎月返済がどうしても遅れそうな場合、しっかりとそのことを銀行に伝えましょう。

『返済日は15日とわかっているが、どうしても給料日の25日まで遅れてしまう。ただしその日には必ず入金する』このように言えば、銀行は待ってくれます。

  • 連絡は取れている(顧客のほうから連絡してきた)
  • 自分の返済日(これを約定返済日といいます)がちゃんとわかっている
  • 遅れる理由、いつまでに返済すると期限を明言している

こうした顧客を、銀行では悪質な延滞者とは見ません。むしろ好意的に感じてくれます。

また延滞も数日間のことなので、個人信用情報にもそれほど響きません。

カードローンには「リスケ」がない

ここで注意点が一つあります。それはカードローンにはリスケがないということです。

「リストラなどで収入が減ったので銀行に相談して、毎月返済を一時的に減らしてもらう」

条件変更あるいはリスケジュール(Reschedule)の略である『リスケ』は、住宅ローンや事業資金ではよくあることですが、カードローンはリスケの対象外です。

なぜ対象外なのか?説明すると文章が長くなり、今回のテーマと離れてしまいますので省きますが「返し続けていくか、代弁するか」の二者択一しかありません。

ですから、冒頭でお話しした<結論>がベストだと考えるわけです。

ここで、実際の相談例を紹介します。

事例その1.資産家の両親に助けてもらったケース

返済が毎月遅れ気味な人。正直だらしないタイプの人間でした。

ある日カードローンの返済相談で来店され、何度か会ううちに両親がかなりの資産家だということがわかりました。

  1. 本人がルーズ
  2. 親が金持ち

この2つのキーワードから導き出される解決方法は「親に助けてもらう」ということです。

金貸しとして、全額返済を要求するのはおかしいのでは?と思う人もいるかも知れません。しかし延滞したカードローンは督促連絡や、その後の管理など手続きが煩雑になり、また私のように携わる銀行員の人件費を考えれば、全額返してもらったほうがいいのです。

最初はやんわりと、しかし後半は単刀直入に「親に助けてもらうのがあなたにとってベストな解決です」と説得しました。銀行員としては行き過ぎたものだったかもしれませんが、わたしはこれがベストだったと、今でも信じています。

延滞したのは、返済で困っていても親には言いにくかった、怒られるのがイヤだったからでした。

最終的には親御さんと一緒に来店されました。親御さんは泣きそうな顔で何度も「迷惑をかけて申し訳ない」とおっしゃいました。

ところが本人はどこ吹く風、内心腹も立ちましたがそこは押さえて、親御さんの援助で完済しました。贈与など問題にならないよう、税務署等に相談するようアドバイスもしました。

本人もその後反省されたのか真面目になったようで、何年かして今度は住宅ローンの申込みに来て審査も通りました。

当然延滞歴はありましたが、このときの経緯と解決の顛末を私が知っていましたので、保証会社に説明をして審査を通しました。審査では実家が金持ちという事実が相当プラスになったのは言うまでもありません。

2番目の相談相手:親

2番目の相談相手は親です。

「親」と書きましたが、この場合は「あなたへの協力を惜しまない親類縁者」という意味です。ですから祖父母でも兄弟でも構いませんし、奥さんのご両親でもいいのです。

ただし、やはり自分の両親が一番、これが私の経験から来ている結論です。事例その1のように、後述するいくつかの理由があります。

親が一番~その3つの理由

  1. 見返りを求めず無条件で援助してくれる
  2. 親の援助は借金では無い~銀行にとってもプラスイメージ
  3. 親以外の親類縁者だと後々問題が生じる

①無条件で見返りを求めず援助してくれる

これは親だからこそ、それ以外に説明は不要でしょう。この点が銀行に好印象なのです。

②親の援助は借金では無い~銀行にとってもプラスイメージ

親からの援助がベストだというのは、銀行員共通の認識です。

極稀に税務対策から親子間で借用書を交わすような場合もありますが、いずれにせよ「ある時払いの催促なし」でうやむやに終わることがほとんどです。

ですから、親の援助は借金とは見ません。そして実家がお金持ちの場合は銀行にとってプラスイメージ、これは先に書いたとおりです。

③親以外の親類縁者だと、後々問題が生じる

これは共通して言えることですが、親以外の親類だと問題が生じる場合が多いものです。

なぜなら親類縁者の場合だと関係者が多くなり、問題が複雑になってくるからです。

これも実際にあった例をいくつか説明します。

  1. 妻の両親に援助してもらったが、義兄(妻の兄)から文句を言われた
  2. 母方の祖父から援助してもらったが、伯父(母の兄)から取り消せ!と詰め寄られた
  3. 実兄から援助してもらったが、嫁と子供から「返して下さい」と泣きつかれた

自分が異を唱えた人間の立場だったら?と想像すればわかるでしょう。相手の言い分も、至極もっともなことだと思われます。

このように当事者事者同士で済むならいいのですが、その周りにいる人=関係者が登場してくると話しがややこしくなってきます。

債務者以外からの弁済とは?~借金を返す時の基本ルール

関連する注意点をもう一つお話しします。それは「債務者以外からの弁済」についてです。

「弁済」とは返済と同じ意味、借金を返すことです。銀行は融資した相手である債務者と保証人以外から弁済をさせることはできません。

こう書くと、親からの援助と矛盾するのでは?と感じる人もいるでしょう。実はその通り、親からの援助は債務者以外からの弁済なので、本来はできません。ただし、その「方法」が重要になります。

  • 親がカードローンの残額を全部返済した→債務者以外からの弁済になる
  • 援助された金を本人口座に現金入金して全部返済→債務者からの弁済にならない

結果としてカードローンを援助で完済したことに変わりありませんが、後のパターンはあくまで本人口座からの弁済で親の援助ではないのです。銀行員も知らないふりをします(同じ理由で本人口座に振り込みすることもダメ。口座に親の名前が記載されてしまう)。

何かへりくつのようでもありますが、これは銀行にとってかなり重要ですので、覚えておかれると参考になると思います。

事例その2.親が一緒に頭を下げてくれたケース

若く無知だったので遊興費などでカードローンを複数借入。毎月の返済を、借りて返しての繰り返しを重ね最終的に借金が2百万円になりました。

返済が回らなくなり延滞し始めて、勤務先にもバレて、上司から「親に泣きついてでも即刻返済しろ!」と命令されました。

親には金が無かったので、叔父(母の兄)に母と私2人で頭を下げて借金をしてカードローンは全額返済。その後叔父に毎月1~2万円、余裕ができてからまとめて返し、最終的に5年で返し終えました。

これ、実は私の経験です。銀行員としてお恥ずかしい限りですが、だからこそ借金が返せない人の苦しみも、わかるつもりです。

また、このおかげで会社勤めを続けることも、住宅ローン借りることもでき家も持てました。

今回お話ししていることは、実体験から出した結論でもあります。ですから決して理想論だけでは無い、ということだけはお伝えしたいのです。

3番目の相談相手:専門家

3番目の相談相手は専門家です。

専門家とは司法書士・弁護士などです。専門家に相談するということは、債務整理や自己破産などの法的手段を意味します。

もちろんこうした法的手段は、返済に困った人の救済手段として認められていることですので、決して否定しているわけではありません。

しかし「される側」の銀行員から見れば、これはもう最後の手段であるということはご理解いただきたいと思います。

専門家が登場した場合の対応~銀行員側の話し

では債務整理などの法的手段をとった場合、現場で実際に何が起きて、どのような結末になるのでしょうか?

債務整理を例にして、実際に対応してきた銀行員の私が説明します。

何が起きるか?その流れは次の通りです。

  1. 「受任通知」が銀行に送られてくる
  2. 手続きについて打ち合わせする相手は専門家
  3. 手続きに向け準備
  4. 手続きの完了→情報の登録

①「受任通知」が送られてくる

カードローンを借りている人=債務者から委託を受け、債務整理を仕事として請け負った(受任した)ことを銀行に知らせる文書が、司法書士または弁護士名で送られてきます。これを「債務整理受任通知の送達」と言います。

この瞬間から、銀行は債務者にいっさいの連絡ができなくなります。

文書内容を要約すると、概ね次のようなものです。

『債務者と契約し債務整理を受任した。ついては今後銀行と債務整理について交渉したい。意義がある場合などを含め、連絡は当方(専門家)にすること。本人への連絡は禁止する』

事務処理としては、カードローンは即刻停止、預金口座も全て凍結されます。他にも保証会社への報告、本社各部署への連絡など銀行員も慌ただしく対応に追われます。

②打ち合わせをする相手は専門家~淡々と粛々と

債務整理受任通知の送達があったらもう結論は決まってます。ここからは窓口となっている専門家と事務的な打ち合わせをしていくだけです。

専門家も仕事として対応していることですし、銀行員側も特に感傷も無く、双方実に淡々とそして粛々とことが進んでいくだけです。

③手続きに向け準備

債務整理受任が決まれば銀行は保証会社に代弁を請求→代弁となり→銀行のカードローン融資は無くなる→あとは保証会社が専門家と打ち合わせをしていく。

この過程で「債務整理」「代位弁済」が事故情報として個人信用情報に登録されます。

④手続きの完了

債務整理が完了すれば、本人=債務者の借金は減免されます。そして同時に、本人の銀行口座は強制解約となります。

結果が100%本人の要望通りになったか?は別にして、成功報酬の場合なら専門家への支払が必要になります。

どのような結末を迎えるのか?

では、法的手段をとった場合、その後どのような結末を迎えるのでしょうか?

繰り返しになりますが、法的手段を否定しているわけではありません。そしてこれも誤解の無いよう最初に申し上げておきますが、これからお話しする内容は全て事実です。

その点を踏まえて読み進めて下さい。

どのような結末を迎えるのか?
  • 新しい融資は受けられない
  • 事故記録は消えない
  • 債務整理した銀行では二度と取引できず、口座すら作ることができない

①新しい融資は受けられない

酷な表現かも知れませんが、銀行から見れば債務整理などの法的手段を取った人間は、銀行として二度と取引すべきで無い人物です。

「お金を借りて、自分で返済する義務を放棄し、他者の力を借りて債務から免れた」銀行はそういう人物だとみます。新しく融資を受けることは絶対にできません。

②事故記録は消えない

「個人信用情報では〇〇年経つと消えます」などと説明しているサイトもありますが、信用情報機関会社は複数あり、その基準もまちまちです。一様に〇年経てば情報は消えるというような、単純なものではありません。

また銀行内部では、債務整理をしたなどの事実は半永久的に記録が消えません。ですから「いつまでに記録は消えます」といった表現は、銀行員である私には信じることができません。

では何年後に消えるのでしょうか?正確なことはローン審査に携わる私にもわかりません。

③債務整理した銀行では二度と取引できず、口座すら作ることができない

法的整理の結果、口座を強制解約した顧客とは今後一切取引はしません。これは銀行の他の支店に行っても同じくダメです。それは、銀行全体事故情報が共有されているからです。

一切取引できないというのは、口座すら作ることができないと言うことです。

例えば給料受取がその銀行に指定されたり、口座振替をその銀行に指定されたりした場合でも、口座は絶対に作ることができませんので、勤務先に説明をする必要が出てくるかも知れません。

専門家への相談について銀行員が考えること~まとめとして

「親から援助してもらえるならとっくにそうしてるよ」とか「援助してくれる親はいない」という人もいるでしょう。そういった点からも債務整理、自己破産など法的手段を否定しません。

金額にもよりますが、債務整理で人生をリスタートできた人も確かにいると思います。

ただ、一度考えて下さい。限度額50万円~100万円、複数カードローンを借りて返済が回らなかったとしても、借金の全額は2~3百万円程度が大多数だと思います。

事業につぎ込んだり、ギャンブルにのめり込んだりでもない限り、借金が1千万円を越えることは無いと思います。もちろん2~3百万円は少額ではありませんが、かといって天文学的な数字でもありません。

その金額のために、債務整理や自己破産をして、二度と借入ができなくなる。例えば住宅ローンが絶対に借りられなくなるという道をあなたは選択しますか?

また専門家に相談すると、そのあとは債務整理などに向け話しがどんどん進んでいきます。このまま最後まで進んでもいいのか?本当に再考の余地は無いのか?こうしたことを常に考えながら、対応していくことが大事だと思います。

私の経験から最後にもう一度申し上げますが、専門家が登場して法的手段の方向になった場合、銀行員はもう二度とあなたに接触することができません。ですから銀行員として相談に乗ることも二度とできません。