カードローンの返済方式を銀行員が解説

カードローン返済

「返済方式はATMや口座からの自動引き落としなどいろいろございます。」

「返済方法にはATMや口座からの自動引き落としなどがあります。」

これはカードローンの商品説明です。同じ内容なのに「返済方式」「返済方法」と単語が2つ使われています。

では返済方式とは?返済方法とは?皆さんはこの違いがわかりますか?

冒頭のように実際の区別は、実にあやふやなものとなっています。しかし銀行員目線で違いを説明するなら、返済方式とは返済額が決まる基本ルールで、返済方法とはカードローンを返済する手段だと言えます。

そこでこの記事では、カードローンの「返済方式」と「返済方法」の違いやその意味を説明していきます。

特に返済方式はカードローンを知るうえでとても大事なので、ぜひ参考にしてください。

カードローンの返済方式と返済方法の違い

返済方式と返済方法の区別はあやふやとは言いましたが、各社の公式ホームページの説明を見ると、やはり返済方式は返済額が決まる基本ルール、返済方法はカードローンを返済する手段と使い分けられているようです。

<返済方法と返済方式の使い分け>

・返済方式は返済額が決まる基本ルール

ご返済方式は、「残高スライドリボルビング方式」と「元利定額リボルビング方式」がございます。
引用:ご返済方式について|レイクALSA

・返済方法は返済する手段

お客さまのご都合に合わせて、3つのご返済方法がお選びいただけます。

  • ATMでのご返済
  • お振り込でのご返済
  • 口座振替によるご返済

引用:カードローンご返済について:三井住友銀行

返済方法を知るのは大事!でも返済方式のほうがもっと大事

ATMを使うか口座引き落としにするのかなど、どうやってカードローンを毎月返済していくのか、その手段についての詳しい説明はここでは省きますが、もちろん生活サイクルや利便性などを考えて、自分に合った返済方法を探すことはカードローンをしっかりと返済していくうえで大事なことです。

一方で、返済方式はカードローンで借入をしたあとに返済額がどのように決まっていくのかという基本ルールですので、これを知るほうがもっと大事です。

なぜなら自分が借りているカードローンの基本ルールを知らないと後で痛い目に合うかも知れないからです。

カードローンの返済方式の基本形は「リボルビング方式」

今回説明するのは「元利定額リボルビング方式」と「残高スライドリボルビング方式」ですが、共通するのは「リボルビング方式」という言葉です。

クレジットカードやカードローンの返済方式は、ほぼすべてこの「リボルビング方式」が基本形となっています。

返済方式を知るには、まずリボルビング方式を押さえておかないと、このあとの説明がなかなか頭に入りにくいかと思います。

今回は銀行ローンの返済方法と比較しながらお話ししますので、知っている人もおさらいとして読んでみてください。

なお、カードローンの返済方式は上記2つ以外にも数多くあります。また表現が似通っていて区別しにくいものも多いですが、銀行員目線で同類と思われるものはまとめてあります。

※実際の内容はそれぞれカードローン取扱の金融機関等に必ず確認してください。

リボルビング方式と均等返済方式の違い

リボルビング方式とは「ルール通りに一定の金額を返済する方式」です。

銀行融資で使われる元金均等返済や元利均等返済などの「均等返済方式」もルール通りに一定金額を返済する点は同じですが、そのルールが違います。

リボルビング方式は返済額が「途中で変動する」というルールがあり、均等返済方式は「返済額は最初から最後まで決まっている」というルールです。

均等返済方式~銀行融資の一般的な返済方式

均等返済方式の均等は「同じ」「不変」などとイメージすればわかりやすいかと思います。

「元金均等返済」は毎回の返済元金だけが変わらず、利息部分が変動します。返済金は元金に利息を足したもので、最初は残高に応じて利息も多いので必然的に返済金も多く、借入が減るにつれて返済金も少なくなっていきます(残高が減ると利息も減るから)。元金均等返済は主に事業資金融資で採用されています。

「元利均等返済」は元利(元金と利息の組み合わせ)が毎月変わらない(均等)ように、最初から計算して返済額を決めます。銀行の公式ホームページにある返済シミュレーションなどはこの元利均等返済方式が基本です。

住宅ローンや自動車ローンなど、銀行でローンと呼ばれる融資は元利均等返済が一般的です。

リボルビング方式~カードローンとクレジットカードで主流の返済方式

限度額の範囲内なら自由に借入れと返済ができる。返済すれば返済したぶんだけ利用可能額が増える(空きワクができる)。そしてあらかじめ決められたルールに沿って返済していく。

これはリボルビング方式の説明ですが、そのままカードローンの説明にもなります。

リボルビング方式で残高の変動要素になるのは、追加融資と繰り上げ返済です。カードローンは借入したあとに続けて借入をする(追加融資)、また余裕があるときは一部返済(繰り上げ返済)をすることができます。こうした性質から、カードローンでは借入残高が途中で変動するわけです。

クレジットカードもカードローンと同じリボルビング方式ですので、利用額が借入額、支払は返済と考えればわかりやすいと思います。

リボルビング(revolving)には「回転する」といった意味もあります。金融業界で回転は動く、変動するという意味で使い、リボルビング方式は別名「回転信用」とも呼ばれています。

カードローンで代表的な2つの返済方式

今回はカードローンの返済方式の中で代表的な「元利定額リボルビング方式」と「残高スライドリボルビング方式」を詳しく説明していきます。

「あらかじめ決められたルールに沿って返済していく」と説明しましたが、リボルビング方式は毎月の返済額ができる限り少なくなるように設計されています。このできる限り少なくした返済額はミニマムペイメントと呼ばれています。そしてこのミニマムペイメントの決め方が、カードローン返済方式の違いになっています。

なお無理のない返済ができる、というところがメリットですが、同時にそれがデメリットにもなっています(この部分はまとめでお話しします)。

元利定額リボルビング方式

元利定額リボルビング方式とは、カードローンの借入残高に関係なく、最初に決めた元利定額(元金と利息の合計額)を返済していく方式です。

カードローン限度額50万円に対して定額1万円という内容なら、借入残高が10万円でも50万円でも返済は定額1万円と変わりません。

残高にかかわらず毎月の返済額は変わらないので、返済について計画を立てやすいというのが元利定額リボルビング方式の特徴です。

元利定額リボルビング方式の返済シミュレーションを以下の条件でやってみました。

借入額:10万円
金利:14.5%
月々の返済額:1万円
元利定額リボルビングのシミュレーション
回数 返済額 元本 利息 支払後の利用残高
1 10,000円 8,792円 1,208円 91,208円
2 10,000円 8,898円 1,102円 82,310円
3 10,000円 9,006円 994円 73,304円
4 10,000円 9,115円 885円 64,189円
5 10,000円 9,225円 775円 54,964円
6 10,000円 9,336円 664円 45,628円
7 10,000円 9,449円 551円 36,179円
8 10,000円 9,563円 437円 26,616円
9 10,000円 9,679円 321円 16,937円
10 10,000円 9,796円 204円 7,141円
11 7,227円 7,141円 86円 0円
合計 107,227円 100,000円 7,227円 0円

この表は左右にスクロールできます。

昔からある返済方式のため、銀行系カードローンはこの元利定額リボルビング方式を採用しているところが多かったのですが、現在は消費者金融系と同じく残高スライドリボルビング方式が主流になっています。

なお、毎月の返済が変わらないという点は元利均等返済と同じですが、リボルビング方式は残高が変わるので返済額に占める元金と利息の比率も変動します。

一方、元利均等返済では追加融資ができない仕組みなので、元利の比率は最初に決められた通りで変わりません。

残高スライドリボルビング方式

残高スライドリボルビング方式の「残高スライド」とは、借入残高が大きければ大きくなり、小さければ小さくなるというように、残高に比例して返済額が変わる(スライドする)という意味です。

三井住友銀行カードローンを例に挙げて、残高スライドリボルビング方式の返済額を見てみましょう。

残高スライド方式による返済(三井住友銀行カードローン)
約定返済時における
当座貸越元金額
約定返済金額
1円~1,999円 約定返済時における借入残高全額
(ただし、2千円を上限とする。)
2,000円~100,000円 2,000円
100,001円~200,000円 4,000円
200,001円~300,000円 6,000円
300,001円~400,000円 8,000円
400,001円~500,000円 10,000円
500,001円~600,000円 11,000円
600,001円~700,000円 12,000円
700,001円~800,000円 13,000円
800,001円~900,000円 14,000円
900,001円~1,000,000円 15,000円
1,000,001円~1,100,000円 16,000円

この表は左右にスクロールできます。

このように、借入金額が多いほど返済額も増えるのが残高スライド方式の特徴です。

なお、一言で返済額とまとめていますが、主に元金と利息を組み合わせた元利定額のことを返済額と定義している場合が多いようです。

「残高スライド元利定額リボルビング方式」「残高スライド定額方式」「残高スライドリボルビング方式」などいろいろな呼び方がありますが、これらはすべて残高スライドリボルビング方式という認識で間違いありません。

まとめ

元利定額リボルビング方式と残高スライドリボルビング方式でどちらが得か損か?銀行員としては違いがないと思います。

返済方式とは、あくまで来月の返済額がいくらになるのかというルールのことです。たとえ返済方式が違っても、借入を繰り返して残高が減らなければ、利息負担は変わらず大きいままです。

また、余裕があるときに繰り上げ返済をすれば早く完済はできますが、空きワクが増えたのでもう一度お金を借りてしまう人もいます。銀行員として私はそのような人を数多く見てきました。

限度額の範囲内で繰り返し利用できる。これがリボルビング方式の怖いところで、つまりはカードローンのメリットであり、デメリットでもあるところです。

ご利用は計画的に、この言葉は本当にそのとおりだと思います。