飲食店の開業資金を調達する方法5選

カフェやレストラン、バーや居酒屋などの飲食店を開業することを夢見て、給料をコツコツ貯めて頑張っても、なかなか目標金額まで到達しないと悩んでいる方も多いと思います。

いつになったら開業できるのだろうか…、このままだと5年経っても10年たっても開業できない…と思いながら月日が経過していき、結局夢を実現できなかったという方も少なくありません。

この記事では、特に飲食店の開業資金を調達する方法についてご紹介します。

開業にあたっては、誰もが資金調達の壁にぶつかるものです。本コラムの内容を参考に、自分の夢の実現に向けて具体的に考えてみましょう。

飲食店開業の資金調達を考える前にすること

飲食店の開業資金を調達したいと考えても、ただ闇雲に金融機関をあたるのみでは大型の資金調達を実現することはできません。

資金調達をする時には順を踏んで考えなければいけないことがあります。

それは資金使途を明確にすることと、そして事業計画書を作成することです。事業計画書については後述するとして、まずは資金の使い道について考えてみましょう。

どのような資金が必要なのかを把握する

飲食店を経営するために必要な資金には、開業するときに必要な資金と、開業した後、実際に事業を運営していくために必要な資金があります。

開業したからといって、初年度から順調に売り上げが上がっていくとは限りません。特に今回のコロナウイルスの感染拡大の影響など、予期せぬ事態が起こった場合にすぐに経営が行き詰まるようだと、借金を抱えたまま閉店してしまう結果になってしまいます。

そのようにならないためにも、当初半年から一年間は、資金繰りに困らないように、余裕を持った資金計画を立てましょう。

開業資金に必要な資金項目

飲食店を開業するためには、以下のような資金が必要です。

物件取得費用

物件取得費用とは、主に店舗の賃貸に関わる費用です。敷金(保証金)、礼金、前家賃、仲介手数料などがかかります。開業資金の半分程度を占めるものになり、開業に際して最も大きな費用になります。

敷金(保証金)は賃料の6カ月から10カ月程度、礼金、前家賃、仲介手数料はそれぞれ賃料の1ヶ月程度です。

賃料は、目指す飲食店の席数をどれくらいにするかによって定まってきます。高級割烹や、高級フレンチなどは一坪あたりの席数が少なくゆったりした空間になりますので、坪当たり1席ほどしか取れませんが、大衆居酒屋やビストロ、カフェなどでは坪当たり2席くらい取れるでしょう。

想定賃料は、席数と出店する場所の賃料相場(坪単価)で判断します。
65㎡(約20坪)くらいの一般的な飲食店であれば、30席から40席、賃料相場が坪単価15,000円前後のところに出店すると賃料は30万円程度になります。

物件取得費用について詳細に説明しましたが、物件の大きさと席数は売上に直結する要素ですので、希望する広さの物件を借りると、どれくらいの売上をあげなければいけないのかについて何度もシミュレーションして組み立てていくことが必要です。

店舗設備・内装に関する費用

厨房設備、店舗内装、空調や換気、椅子やテーブルなど設備に関する費用です。

こちらの費用は業態や店舗の大きさが決まってくれば、自ずと定まってきます。内装の設計や工事費用は坪当たりの単価で算出している場合が多いため、特殊な内装でなければ広さに比例して高額になってきます。

店舗の内装を請け負っている会社のサイトでいろいろな事例が掲載されていますので、それを参考にしながら予算を決定します。

店舗運営に関する費用

広告費やWebサービス利用料、食材や飲料の仕入れ費用、食器やユニフォームの購入費用など、実際に飲食店を運営するための費用です。

こちらは先に述べた2つの費用よりもずっと小さくなるためにざっくりとした費用感があれば大丈夫です。広告については費用対効果の良し悪しを考える必要がありますので、高級店では専門のコンサルタントに依頼している場合があります。

そのほか、フランチャイズに加盟するなどノウハウを吸収したい場合には、加盟金・月会費なども用意しておく必要があります。

運転資金に必要な資金項目

運転資金とは、費用の支出と売上金の回収との間にタイムラグがあることによって生じる必要資金です。

食材の仕入れから売上が上がって資金を回収するまで、長ければ長いほど運転資金が必要になってきます。

飲食店の場合は仕入から売上までの期間が比較的短いためにそこまで神経質になる必要はありませんが、クレジットカードやキャッシュレスでの決済が多くなっていますので、売上金回収までの期間がどれくらいかをあらかじめチェックしておきましょう。

飲食店開業の資金調達方法5選

飲食店の開業資金は、店舗の広さにもよりますが、1,000万円以上の資金が必要になってくることもあります。

資金調達の方法はいくつかありますが、大きく分けて金融機関からの借入による方法と、出資や援助による方法があります。

自己資金・親族友人からの調達

資金調達を始めるにあたって、貯蓄して自己資金を貯めたり、親族の援助を求めたりすることはまず初めに行わなければならない方法です。これから色々なところに資金の拠出をお願いする時に、自己資金がどれくらいあるかというのは信用度をはかる一つのポイントになります。

計画的に資金を貯蓄する方法を実践していくことも、今後店舗を経営することに役立ってきます。

エンジェル投資家(パトロン)からの調達

パトロンというと日本語ではあまり良いイメージはありませんが、ルネサンス期の芸術や美術はパトロンから援助を受けることで発展してきました。現在の日本においても、飲食店を経営してみたいという資産家は多く、2店舗、3店舗に出資して経営を任せている場合があります。

このような資産家は周りにいないという方も多いと思いますが、ことあるごとに知り合いや友人に話していると出資してみたいという方が現れるかもしれません。

このような資産家の援助を受けて開業している方は意外に多いものです。

金融機関からの借り入れによる調達

資金調達をする時に最も現実的で身近な方法が、金融機関から融資を受けるという方法です。

金融機関には政府系金融機関、信用組合や信用金庫、地方銀行、メガバンク、など色々な種類がありますが、地方銀行やメガバンクは取引実績がないとなかなか融資に応じてはくれません。

政府系金融機関の中でも、「日本政策金融公庫」は創業融資に積極的で、無担保の融資が85%を超えていると言う特徴があります。

金融機関からの融資を考える場合には、まずは日本政策金融公庫をあたってみましょう。

クラウドファンディングによる調達

最近では、芸能人も利用するようになったクラウドファンディングですが、飲食店の開業に関するクラウドファンディングも多数実績があります。飲食店の開業を行う場合、会員権や食事券を開業前に発行することで資金を調達し、開業後にお店を利用してもらうという形態をとります(いわゆる購入型クラウドファンディング)。

出資者への特典は費用をかければいいというわけではなく、出資者にお店のオーナーとしての雰囲気を味わってもらうための細かい配慮や特典を用意しておくと喜ばれるようです。

ファイナンスリースによる調達

厳密には資金調達の方法ではありませんが、厨房機器や設備機器等はリースを利用することによって開業費用を軽減することができます。自治体によってはリース費用について補助金を出しているところがありますので、積極的に活用しましょう。

融資申込時の3つのポイント

融資を申し込む時には、単に窓口に相談しに行くだけでは足りず、様々な資料を用意しておく必要があります。

参考になるのは、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできる「創業計画書」です。創業に関して必要な情報が網羅されており、必要事項を埋めていけば開業融資に関する情報がまとまります。

創業の動機、商品やサービスの特長などをまとめる欄もありますので、一つひとつ埋めていきながら起業・創業する内容を具体的にしていきましょう。

特に申し込み時のポイントは、数字上の事業の計画と、事業にかける熱意です。

資金使途を明確にする

予算をしっかり定めておくことは、ビジネスプランの基本です。

現在ではインターネット上に様々な情報がありますので、開業資金の予算についても詳細に調べることが可能になっています。

また様々なセミナーに参加したり、実際に仕入れ業者に問い合わせてみたりすることで、出来る限り詳細に資金使途を明確にして、説明できるようにしましょう。

収支計画書を作成する

収支計画については、売上と原価、そして家賃や水道光熱費などの固定費と広告費や人件費などの変動費に分けて組み立てていきましょう。

飲食店の場合、売上と原価は、業態と席数でほぼ決まってきます。その粗利から固定費を差し引いた金額が、人件費や広告費に振り分けることができる金額です。

開業前に収支の詳細を定めておけば、融資担当者への説明についても説得力が増しますし、後で修正をするときにも、どこにズレが生じたのかを検証することができます。

あきらめずに何度も提案する

一度の融資の申し込みで、すぐに融資がおりるということはまだありません。何度も収支計画書の修正を求められ、そのたびに提出しなおすことによって事業計画が洗練されていきます。

融資担当者に熱意を認めてもらえるように、諦めずに何度も提案するしつこさが必要になってきます。

まとめ

飲食店を開業するときに、最も大きなハードルとなるのが開業資金の準備でしょう。

資金調達の方法はいくつかありますが、現実的にはそれほど多くありません。開業資金の内訳と収支計画書をしっかり作成し、資金の出し手に対してどれだけ明確に事業計画を説明できるかがポイントになってきます。

自分の夢を具体的な形にするためのステップとしての事業計画ですので、一つ一つの項目について丁寧に調べて、事業を組み立てていきましょう。

この記事の監修者プロフィール

サイト管理者
サイト管理者金融ライター
知って得するお金の情報メディア「知っ得!カードローン」の編集長。所有資格は日商簿記2級、ファイナンシャル・プランニング技能検定3級。現在はFP2級の資格試験に向けて勉強中。生活困窮者や自己破産者を救いたい一心で記事を書いています。