代位弁済とは?カードローン代弁の仕組み・流れをわかりやすく解説

カードローンを知る・学ぶ

銀行系のカードローンでは、一般的に保証会社の保証が付きます。毎月の返済が遅れることを延滞といいますが、カードローンを延滞すると銀行から電話や文書で返済を求められます(督促されるという)。

それでも返済しないとか、返済できなければ、保証会社が銀行にカードローン融資金を全額立替えて払います。これを代位弁済(だいいべんさい)といいます(略して代弁(だいべん))。

代位弁済のあとは、今度は保証会社に返済をしていくことになります。これはカードローンの基本事項ですので、おさらいの意味も含め説明しました。

今回はカードローンの延滞から代位弁済までの流れ、スケジュールについてわかりやすく説明していきます。

代位弁済が、いつ、どのような方法で行われるのかなど、実際に銀行員として私が対処してきたことを話します。

代位弁済とは?カードローン延滞から代弁までの流れ

カードローンの延滞から代位弁済(だいいべんさい)までの流れは次の通りです。

<延滞~代位弁済までの流れ>
「督促の連絡」
プロセスその1.督促の連絡~電話連絡から文書へ

「代弁手続きの準備」
プロセスその2.代弁スケジュールの決定
プロセスその3.代弁に向けた準備

「代弁の実行とその後の処理」
プロセスその4.代弁実行
プロセスその5.預金相殺通知の郵送

以下では、カードローンの返済を延滞してから代位弁済が完了するまでの流れを、「督促の連絡」「代弁手続きの準備」「代弁の実行とその後の処理」の3つの手順に沿ってわかりやすく解説していきます。

督促の連絡

プロセスその1.督促の連絡
→督促が電話連絡から文書へ。

カードローンが返せなくなって延滞すると電話や文書で督促連絡がくるようになります。

冒頭説明しましたとおり、カードローンには保証会社の保証がありますので、最後まで返済されなくても代位弁済となるだけで、銀行は回収不能=取りっぱぐれることは基本的にありません。

大事なことは、保証会社と取り決めた督促を怠らないということだけです。ですから電話でも、あるいはそのあとの文書でも、銀行からの督促は強く返済を迫るような内容ではありません

代位弁済してもらうための最低限の義務を、銀行は果たしているだけなのです。ですが、ここが怖いところでもあります。

プロセスその1.督促の連絡~電話連絡から文書へ

カードローンの延滞も最初の頃は電話連絡が基本です。「延滞していますよ、支払ってくださいね」といった程度、お知らせというニュアンスです(理由は上記したとおり)。

電話連絡が数回あり、その後も返済しないと今度は手紙(=文書)が送られてきます。

その内容も「督促状」→「代弁予告」→「代弁通知(代位弁済が決まった通知)」へと変わっていきます。

※代弁通知は、期限まで待たずにすぐ代位弁済するという意味で、「期限の利益を喪失する」とも表現します。

こうして電話を経て文書での督促連絡が全て終わると、次はいよいよ代位弁済の手続きにうつります。

ちなみに、代弁通知を受け取ったあとでも、もしも全額返済できるなら代位弁済を回避することは可能です。実際に親御さんから援助を受け、このタイミングで全額返済して代位弁済を回避した人がいました(※ただし「延滞」は異動に登録されます)。

代位弁済手続きの準備

プロセスその2.代弁スケジュール決定
→これは銀行と保証会社で打ち合わせをすることです。

プロセスその3.代弁に向けた準備
→これは契約書類の再確認など事務的準備と、預金口座の凍結をすることです。

プロセスその2.代弁スケジュールの決定

「銀行と保証会社での打ち合わせ」と書きましたが、もともと両者の契約に決まっていることばかりなので、基本事務的に粛々と進みます。

銀行・保証会社ともに無駄な会話などは一切せず、文字通り事務的な連絡のみです。

しかし、督促連絡を決められたとおりにできなかった場合や、延滞の金額が多額になってしまうと、代位弁済金では全額の返済に足りなくなる場合もあり、つまり取りっぱぐれが生じる可能性もあります。

この場合の銀行・保証会社間の連絡はまさに侃々諤々(かんかんがくがく)のやりとりになりますが、通常最後は銀行が勝ちます(当初より多く代位弁済金を振り込むことで解決となる)。

保証会社にしてみれば、銀行などの金融機関は間違いなく「お得意様」ですので、最後は保証会社が折れる(負ける)ことで決着させるケースが多いのです。

プロセスその3.代弁に向けた準備

代位弁済をするとき、その銀行にある預金は全て強制的に解約され、カードローンの融資金返済に充当されます。これを「預金の相殺(そうさい)」といいます。

相殺するための準備として、代弁が決まると全ての口座を凍結します。この時点で、例えばカードローン返済用の口座はまったく使えなくなります。

たまに問題となるのが、こうして凍結された口座が給料受取口座や、自動引き落としの指定口座になっていた場合です。「凍結」という文字のとおり、入金・出金がいっさいできなくなります。

入金には給料などの振り込みも含まれますので、次のような事態になります。

  1. 給料送金しても入金されない
  2. 勤務先担当が銀行に問い合わせ
  3. 預金凍結がバレる

勤務先の人事担当者はこういうことに慣れているので、もしかしたら代位弁済になることも会社にバレてしまう可能性があります。

また給料が振り込まれたあとで凍結されると、やはり出金はできなくなります。この場合は、本人が銀行に依頼をすれば、原則として給料だけは出金が可能です。

給料は生活の根源ですので、代弁予定であっても顧客の依頼があれば、出金に応じなくてはなりません。この場合、出金できる日時などは銀行から指定されます。

窓口が開いている時間に本人が来店して、銀行員の指示に従わなくてはいけません。銀行は給料以上の出金をさせないので、出金したらすぐに口座を凍結する必要があるからです。

ちなみに、給料が振り込まれたことを銀行が知っていたとしても、あくまで顧客からの依頼がなければ出金の対応はしません。ですから黙っていれば(あるいは忘れていて)相殺によってカードローン返済に充当されてしまいます。

代位弁済の実行とその後の処理

プロセスその4.代弁の実行
→代弁の事務処理をすることです。

プロセスその5.預金相殺通知の郵送
→代弁が実行されて預金を相殺した場合、顧客にそのことを通知する文書を郵送します。

プロセスその4.代弁の実行

代位弁済当日の事務処理は以下の通りです。

  1. 保証会社から資金(代位弁済金)が銀行に振り込まれる
  2. カードローン融資金を完済して、利息と損害金も精算する
  3. 預金があれば相殺(強制解約して完済に充当する)
  4. 個人信用情報に代位弁済が「異動」として登録される(※「延滞」も登録済み)

保証会社から振り込まれる資金は、事前に計算したピッタリの金額です。過不足がないよう銀行・保証会社双方で確認していますので、代弁したあとで資金が足りない、資金が余るといったことはありません(※もちろん顧客口座に、余りが振り込まれるなど絶対にありません)。

プロセスその6.預金相殺通知の郵送

預金を相殺した場合は、必ずその日のうちに相殺したことを通知する文書を内容証明で郵送しなければなりません。これは銀行業務として決められているルールです。

翌日以降に持ち越すことは許されませんので、夜間でも受け付けてくれる、大きな郵便局に持っていくことも良くあります。私も、地域の本局に窓口終了間際に持ち込んだことが何度もあります。夜の郵便窓口には背広の人間が多く見かけられますが、結構銀行員や金融関係者だったりします。

余談ですが、預金相殺の通知書には「預金口座は使用できなくなりましたので、通帳・カードはすみやかに銀行にご持参ください」と書いてあります。

持参しろとは、あくまで決まり事なのでそう書いてあるだけで、銀行は持参するように催促したりはしません。顧客のほうも、わざわざ持参する人はいません。持参してもしなくても、何も変わりはありません。

しかし、ごくたまにですが銀行に持参される場合があります。代弁になった人の親御さんが通知書を見てしまい、書いてあるとおりにわざわざ持ってこられた、といったケースです。実際私は何度もこのケースで通帳を受け取りました)

ここまで説明してきたことは、カードローンの代位弁済まで、実際におこなわれるスケジュールです。参考にしていただきたいとは思いますが、できれば実体験はしないようにとの思いも込め、あくまで銀行員からの教訓としていただければと思います。