カードローンは何ヶ月延滞すると代位弁済になる?

カードローン返済

「カードローン 延滞」とネットで検索すると、信用に傷がつく、リスク、督促といった言葉と一緒になって「代位弁済」「ブラックリスト」といった物騒なワードが飛び込んできますが、それだけ関心が高いということがわかります。

その反面、情報が多すぎてテーマにもある「カードローンは何ヶ月延滞すると代位弁済になるのか?」という疑問に、明確な答えを持っている人は意外と少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、カードローンを融資する銀行員として私が実際に対応した事例をもとに、カードローンを延滞してから何ヶ月経つと代位弁済になるのかを、基本用語を用いてわかりやすく説明していきます。

(注)記事中の記載内容は、あくまで私の勤務する銀行を基準にしたものです。カードローンの商品規定は金融機関、ノンバンクなど取扱業者によって異なりますのでご注意ください。

カードローンは何ヶ月延滞すると代位弁済になるのか?

カードローンは約定弁済が規定の回数以上延滞すると代弁適状になります。

これは私が勤務する銀行の新入社員研修資料に載っている代位弁済についての説明です。

金融業で使う用語が多くて堅苦しいとは思いますが、知識として覚えておいてもいいと思います。今回はこんな感じで、用語もあわせ説明します。

カードローンの代位弁済について~返済の基本用語

「カードローンは約定弁済が規定の回数以上延滞すると代弁適状になる」を、もう少し柔らかい表現にすると「決められた日の返済ができずに、返済の滞納が許容範囲を越えると、代位弁済の条件が整ってしまう」といったところでしょうか。

では、そもそも延滞とはなんでしょう?そして代位弁済の条件が整ってしまうとは?

ここからは実例に沿って、今さら聞けないカードローン基本用語のおさらいから始めることにします。

<実例>
カードローンを3ヶ月延滞し続けている人がいました。この人は毎月の約定返済日になると必ず来店し、キッチリ1回分だけの返済金を入金していました。延滞が4回となる当日に1回分だけ入金し、延滞3回をキープしていたのです。

私の勤務する銀行カードローンの規定(当時)では、延滞は4回で代位弁済となっていました。この人はこのルールを知っていて、毎月1回分だけ入金し、つまり首の皮一枚で代弁にならないようにしていたのです(※あとで聞いた話ですが、私より前の銀行担当者から教えてもらったそうで、これは今ならいろいろと問題になります)。

正直に言うと銀行(私)にとっては手間なだけで、本音は代位弁済したいと思っていました。しかし決まりごとを無視すると、仮に代位弁済ができたとしても、あとになって保証会社から取り消される(これを代弁否認といいます)可能性が高いので、仕方なくそのあとも対応を続けました。

この人とのお付き合いは1年以上も続きましたが、何とか返済を正常に戻すことができたので、やがて毎月会うこともなくなりました。

約定弁済とは

カードローンの返済方法はいくつかありますが、その中で最も多いのが「約定弁済(返済)型」です。

約定とは契約で決められた、という意味です。

カードローンでは契約で決められた返済日(約定返済日といいます)に決められた金額(約定返済額)を返済するという約定弁済型が主流です。毎月10日、毎月25日など金融機関によって約定返済日は異なります。また最近では返済日を自分で決められるタイプのカードローンもあります(例えば返済日を給料日の翌日に指定することも可能)。

ちなみに銀行では返済より弁済という言葉を多く使います。意味は同じですが、返済させるという意味合いを含むのが弁済という言葉で、契約を重視する銀行では弁済のほうが一般的です。

延滞とは

ネットでは返済が遅れることを滞納や遅延などと表現しています。

しかし、銀行は返済が滞っているという意味合いで延滞という言葉を使います。滞納は税金や公共料金などの公的な支払が遅れるという意味で使い、延滞と滞納をハッキリ区別して使い分けています。

代位弁済とは

債務者に代わって(これを代位といいます)、債務を立替えて弁済(返済)するのが代位弁済です。

一部のサイトでは「代位弁済は保証会社があなたの代わりに払ってくれます」と表現している記事もありますが、代位弁済はけっしてこのように善意的なイメージではありません。

銀行系カードローンの場合、銀行と保証会社が契約をあらかじめ結び(保証委託契約)、その契約事項として延滞が決まった回数を超えた場合(規定回数以上の延滞)、また取引停止処分や自己破産などの法的整理があると代位弁済になります。

代位弁済になる状態(銀行側から見れば「代弁してもらえる」状態)を代弁適状と呼びます。

銀行の実務では「延滞が規定回数を超過したので代弁適状となった」「手形の不渡りで取引停止処分となり、代弁適状の状態にある」などと使います。

延滞のボーダーラインは何ヶ月目?~代位弁済の基本ルール

カードローンの延滞が許容範囲を超えるボーダーラインは何ヶ月目でしょうか?

ここからは、カードローンの代位弁済における基本ルールを説明していきます。

延滞は3ヶ月までが一般的

延滞は3ヶ月までを代位弁済のボーダーラインとしているところが多いようです。4月からなら4月~6月の3ヶ月払っていない状態です。このあとさらに1ヶ月延滞して4ヶ月目(7月)になると代弁適状となります。

つまり延滞は3ヶ月目までがボーダーラインで、4ヶ月目からはデッドラインというのが一般的になっています。ただし金融機関によって延滞のルールは異なるので、必ず取り扱い先に確認するようにしてください。

預金の差し押えも代弁適状

預金の差し押さえは、代弁適状となる理由の一つです。

今から30年前、私が入社した当時で言えば、個人で預金を差し押さえられるのは犯罪や脱税、あるいは会社の倒産など、それほど多くはありませんでした。ところが最近では、税金の滞納による差し押えが頻繁にあります。これは市町村などが滞納者に対して容赦なく差し押さえをするようになったからです。

銀行カードローンでは原則、差し押えがあれば代弁適状となります。しかし社会的批判も考慮して、税金滞納による預金差し押えの場合、慎重に対応しています。

ただし規定上は代弁適状ですから注意は必要で、納期を守ってしっかり納税するのが自分のためです。

信用状態が著しく悪化すると代弁適状

これは同僚から聞いた話ですが、カードローンの規定では信用状態が著しく悪化すると代弁適状になる、という条項があります。

犯罪や金銭トラブルなどネットで「炎上」した人は、銀行がこのままカードローンを使わせるのはマズイと判断して代位弁済に踏み切る場合もあります。

本人に説明するとしたら、上記のように「信用情報が著しく悪化したので」といったものになるでしょう。このように理由はあとでどうとでもなる、といったケースもあります。

代弁適状になる理由は部外秘

ここまでお話ししてきた代弁適状になる理由は原則部外秘です。もっと言えば極秘事項で、顧客には教えません。特に延滞回数などは悪用される場合もあるからです。

今回ご紹介した事例は決して悪質とは言えないものですが、延滞回数の規定を顧客に教えていたとしたら、その銀行員は極秘情報を漏洩したので処罰の対象になります。

代位弁済になると5年間は借入できない?

ネット上では「代位弁済になると5年間は借入できません」という表現をよく見かけます。これは5年経ったらすぐに借入できると言っているようで、銀行員としては疑問に感じます。

これまでお話ししてきたとおり、代位弁済は債務の返済ができないなどの理由で代弁適状となった状態であり、これを銀行では金融事故と読んでいます。

金融機関では金融事故や延滞、個人信用情報では異動などの債務者情報を永久的に社内で保持します。

異動の記載は5年が経過すれば個人信用情報機関からは消えるかも知れません。しかし、一度でも長期延滞など異動に該当する状態になったことがあったり、カードローンが代位弁済になった経験があると、その銀行はもちろんのこと、系列の金融機関でも住宅ローンなど新規の融資は絶対に借りられないでしょう。

延滞は3ヶ月までが代位弁済のボーダーラインで、4ヶ月目からは代弁適状。このことはぜひ覚えておいてください。