税金滞納による差し押さえはカードローンの審査に影響するのか?

「税金を滞納しているとカードローンの審査に通らないのでしょうか?」

カードローンのサイトではよくこうした質問を見かけますが、それだけ感心が高いことということがわかります。

最近、県や市など地方公共団体の税金滞納者への対応が厳しいと問題になっています。

そういう記事をご覧になられた方は、ご自身が税金支払を負担に感じて、もしかしたら滞納して苦しんでいる人かも知れません。

そこで今回は「税金滞納による差し押さえはカードローンの審査に影響するのか?」というテーマで、税金滞納、差し押え、カードローン審査との関連についてわかりやすく説明していきます。

カードローンをこれから利用する人、あるいはすでに利用中の人も是非参考にしてください。

税金滞納による差し押さえはカードローンの審査に影響する?

税金滞納による差し押さえはカードローンの審査に影響するのでしょうか?

このテーマに入る前に、まず税金滞納による差し押さえとは?といった基本次項の説明から初めます。

こうした基本をおさらいしておくことで、テーマについてより理解しやすくなると思うからです。

税金滞納による「差し押さえ」の意味を知る

差し押さえとは「債権者の権利のために、国が債務者に財産の処分を禁止すること」です。

例えば融資している銀行や金融業者(債権者)が、返済できない顧客(債務者)の財産から回収しようと考えた場合、裁判所に申請をして債務者が財産を勝手に処分できないようにするのが差し押えです。

滞納処分~税金滞納による差し押さえは特別にこう呼ばれている

これを税金に当てはめて考えると、債権者は国や地方公共団体、債務者は納税義務者になります。

納期が来ても税金を払わない(払えない)と、何度か文書で督促されるようになり、それでも払わないでいると、国や地方公共団体は差し押えの手続を進めます。

納税は国民の義務ですから、税金を徴収する立場としては滞納者に厳しく対処します。

なぜかというと、もしも税金滞納者を放置していたら、真面目に納税している国民から不公平だと非難されますし、最悪の場合には不満を持った人の納税意識が低下し、さらに滞納が増える恐れがあるからです。

税金滞納者の財産を差し押えするなど、国や地方公共団体が滞納税金を徴収するために行う措置のことを特に「滞納処分」と呼びますがこの「処分」という部分に、滞納税金には厳正に対処するという意識が込められているように感じます。

預金の差し押えが多い

税金滞納では、まず預金が差し押えられます。

不動産や動産(自動車など)も差し押さえの対象にはなっていますが、例えば不動産を差し押える場合、滞納している税金より資産価値が大きくなってしまうと、これは過剰な差し押えになってしまい、こうした行為は禁じられています。

また手続きにかかる手間、時間、費用といった面からも差し押える財産としては預金が最適なのです。

預金には普通預金、定期預金、積立預金などいくつか種類がありますが、この中では主に普通預金、特に給料振込の口座を差し押えるケースが代表的です。

定期預金があればもちろん差し押さえしますが、滞納者でも意識的に払わないタイプの人は差し押さえのことも知っているので、そもそも定期預金は作りません。

また払いたくても払えない人は、当然ですが定期預金を作る余裕は無いでしょう。

こうしたことから普通預金、特に生活の中心となる給料振込口座を差し押えるケースが多いです。

差し押さえはカードローン審査に影響する?

「税金滞納による差し押さえはカードローン審査に影響するのか?」

銀行系カードローンや、クレジットに関連する特別なケースを除けば、審査に影響しない。これが、その答えになります。

ではなぜ税金滞納による差し押さえはカードローンの審査に影響しないのか?ここからテーマの本題に入ります。

なぜ差し押さえがカードローン審査に影響しないのか?

その理由は、カードローンの審査項目に税金の滞納は含まれていないからです。

カードローンの審査項目ではないので、申込み時に記入する欄もありません。

ですからカードローンを申込んだ時、本当は税金滞納で差し押えを受けていたとしても、そもそも記入するところがないので、「税金滞納をしているにも関わらず、差し押えを隠して申込んだ」などと言われることもありません。

つまり税金滞納で差し押えされていてもカードローン審査に影響は無い、というより「差し押さえになったことは言わない限りバレない」といったほうが正確でしょう。

当事者でなければ差し押えのことは知り得ない

ノンバンク、消費者金融業者は、カードローン申込者の銀行口座に関する情報を知ることはできません。

個人情報保護法もあり、同意が無ければ銀行預金の調査はできませんし、銀行も金融業者に情報提供することは絶対にあり得ません。このことは銀行間でも同じで、顧客の預金情報をライバルである他の銀行に教えることはありません。

したがってカードローンを申込んだのがノンバンクや消費者金融系なら、あるいは銀行系でも口座を差し押えられた銀行でなければ、差し押さえがバレることはないのでカードローンの審査には影響が無いと言えるのです。

差し押さえは信用情報には影響しないのか?

信用情報とはクレジットやローンの契約内容、申込み内容に関する個人情報のことで、税金の滞納や差し押えは信用情報の対象外なので、登録されることはありません。

「税金を滞納すると信用情報ブラックになるの?」といった質問をサイトで見たことがありますが、上記したように税金滞納は信用情報ではないので異動になる、つまりいわゆるブラックリストに載ることもないのです。

カードローン審査ではこの信用情報を調査しますが、上記したように税金滞納や差し押さえは記録されないのでやはりバレない、と言えます。

ただしまったくバレないのか?まったく影響がないのか?というと、決してそうではありません。

税金滞納による差し押さえがバレるとき、影響するときは以下の2つです。

<滞納による差し押さえがバレるとき、審査に影響するとき2つのパターン>

  • カードローンを申込んだ銀行の口座が差し押えられたとき
  • クレジット払いの税金支払が延滞して、差し押えになったとき

カードローンを申込んだ銀行の口座が差し押えられたとき

銀行系のカードローンは系列の保証会社が審査、保証する形式が主流です。

カードローン審査中のタイミングで、もしもその銀行で口座が差し押えになった場合、即審査落ちになってしまいます。

なぜかというと、銀行と保証会社の間では情報が筒抜けだからです。

銀行系カードローンでは保証会社と銀行の間で審査に関する情報を共有することができ、このことはカードローン申込書の裏面に「個人情報に関する条項」といった表現で記載されています。

この銀行と保証会社が共有できる情報の中に、預金に関する情報も含まれています。

つまり銀行系カードローンでは預金情報も保証会社に筒抜けなので、口座が差し押えられた、あるいは差し押えの前段階として「予告通知」が銀行に届いた段階で、即審査落ちになってしまいます。

クレジット払いの税金支払が延滞して、差し押さえになったとき

税金滞納、差し押えだけなら信用情報対象外、と書きましたが、税金をクレジット払いにしていた場合には話が違ってきます。

問題となるのは滞納ではなく、税金を含むクレジット代金の延滞という部分です。

しかも差し押えになるほど長期間クレジット払いが延滞していたなら、これは異動事項になってしまいます。

ノンバンク系、消費者金融系でカードローンを申込んでいても、信用情報に傷がついていますので審査落ちになる可能性が高いでしょう。

税金以外で払わないとヤバいものとは?

参考までに、公共料金である電気、ガス、電話(NTTなど固定電話)、水道も延滞が続けば差し押さえを受けることがあります。

しかし、税金と同様に差し押えが信用情報に記録されることはありません。

ただし、これら料金をカード払いにしていた場合は、上述した税金のクレジットカード払いと同じ事態になります。

また、携帯電話代はこれら公共料金とは違って割賦代金です。つまりクレジットカードと同類の支払になりますので、携帯代を延滞すれば異動、ブラックになってしまいカードローンは審査落ちになるので注意が必要です。

差し押さえがあるとカードローンは使えなくなる?

ここまでは税金滞納による差し押さえとは?そして差し押さえがカードローンの審査に影響するのか?について解説してきました。

では、カードローンを持っている、カードローンを利用している人には影響があるのでしょうか?

後半は「差し押さえとカードローンの関係」について説明していきます。

差し押えとカードローンの関係その1.カードローンは使える?

税金滞納で預金が差し押えられると、カードローン口座が利用停止になります。

カードローンで借入できることを「貸越機能」と言いますが、預金が差し押えられると貸越機能が停止されることが、契約書裏面などの規定に記載されています。

ですから、差し押さえがあったとほぼ同時に貸越機能が停止、つまり借入ができなくなります。

通常この貸越機能停止について顧客に事前通知する必要は無く(郵送でお知らせが後日届く)、借入しようとしたら利用不可能で、問い合わせたら差し押さえで停止されたことを知った、といった具合です。

ちなみに、カードローン口座は差し押えられません。カードローンは借入専用の口座ですので、他の預金のように預金残高がプラスで残るものではないからです。

差し押えがあるとカードローンは利用不可能になりますが、ただ使えなくなるだけでは終わりません。

差し押えとカードローンの関係その2.カードローン口座はどうなる?

預金が差し押えられると、カードローン口座は強制的に解約されます。

もちろんこのとき借入残高があれば、即刻全額返済しなくてはいけません。

これは「期限の利益当然喪失」といって、預金が差し押えられた場合、即刻取引を解消し融資を全額返済することが規定に記載されています。

期限の利益が喪失すると、銀行系カードローンでは保証会社が融資残額を全額立て替え払いする「代位弁済」と、その前に預金残高があれば口座が強制解約されてカードローンの残額と「相殺」されます。

代位弁済は異動事項なので信用情報に傷がつき、いわゆるブラックリスト先となってしまいます。

カードローンを利用している銀行で口座が差し押えられると、借入を即全額返済しなければならず、できなければ代位弁済となってブラックリスト先になってしまう。

この場合カードローンは延滞していなくても関係がありません。遅れずに返済していたとしても結果は変わらないのです。

また、カードローンは持っていたけれど全く使っていなかった場合でも、強制解約されたことが信用情報に登録される可能性があります。

強制解約という記録はその後の審査にマイナスの影響大となりますので、もしカードローンを全く利用していなかった場合も、差し押さえの事実を知ったら大至急銀行に確認する必要があります。

差し押さえとカードローンの関係その3.その銀行でカードローン申込みはできなくなる

差し押えが原因で代位弁済となった場合、あるいはカードローンは利用していなかったので解約だけで済んだ場合、いずれの場合もその銀行でカードローンの申込みはできません。

これはしばらくとか、当面の間ではなく「口座を差し押さえされた銀行では、もう二度とカードローンの申込みはできない」と考えるべきです。

他のサイトでは「代位弁済など信用情報の異動事項は5年したら消えるので、そのあと申込みすれば大丈夫」といった記事が見受けられますが、銀行系カードローンでは代位弁済や税金滞納による差し押えといった事柄はすべて「事故」として半永久的に記録が残ります。

銀行と系列保証会社で情報共有していると上記したとおり、カードローンやクレジットカード、そして車のローンから住宅ローンまで、その銀行ではすべての融資が今後まったくできないと考えたほうがいいでしょう。

税金滞納による差し押さえとカードローン審査の関係|まとめ

税金滞納による差し押さえは、銀行系カードローンやクレジットに関連する特別なケースを除けば審査に影響しない。

これまでの説明でこのことは理解いただけたと思います。しかしバレなければ良い、というものではありません。

口座が差し押えられれば、例えば給料振込があってもすぐには出金できませんし、自動引き落とし機能が停止してしまうので、クレジット払いや住宅ローンの返済なども引き落としされず延滞してしまうかも知れません。

他のカードローンサイトで「税金滞納で口座が差し押えられても、他の銀行やノンバンクなどのカードローンなら大丈夫!」と断言しているものも一部見受けられますが、現役銀行員の筆者からすればその考えはとても危険です。

やはり、税金はしっかり期限までに納めなくてはいけません。

国民の義務だからという教科書的理由だけでは無く、結局は自分に降りかかってくることになるのですから。