消費者金融の審査に通らない原因と通りにくい理由
消費者金融や銀行カードローンの審査に通らないとき、「なぜ審査に通らなかったのか」その原因は説明してもらえません。
「自分はなぜ審査に落ちたのか分からない」「実は消費者金融は審査に通りにくいのでは?」という人も多いのではないでしょうか。
消費者金融の審査に通過することはそれほど簡単ではありません。
消費者金融は厳格に審査を行っており、審査基準を満たさないと審査に通ることはできません。
消費者金融の審査に落ちるにはいくつか理由があり、その原因を解消することができれば審査に通過できるようになることもあります。
この記事では消費者金融の審査に通らない原因を7つに分けて説明し、その解決方法や審査に通りにくい人の特徴についても解説していきます。
消費者金融の審査に通らない原因
消費者金融の審査に通らない人には必ず何かの原因があります。
主な原因は以下の7つです。
- 信用情報がブラック
- 総量規制オーバー
- 多重債務
- クレジットヒストリーに遅れが多い
- 申込ブラック
- 個人事業主
「消費者金融の審査に落ちてしまった」「消費者金融の審査に通過できるか心配」という人は、まずは自分が7つのうちのいずれかに該当していないかを分析してみることが重要です。
審査に通らない原因1:信用情報がブラック
プロミス・アイフル・SMBCモビットなどの大手の消費者金融は、信用情報に事故情報が記録されているいわゆるブラックと呼ばれる人に対しては絶対に融資を行いません。
消費者金融はCICとJICCの2社へ信用情報の照会を行っており、この2社に以下のような情報が記録されているとブラックとみなされます。
- 延滞:一般的には61日以上の延滞
- 代位弁済:借入金を保証会社が立て替えた
- 強制解約:クレジットカード、カードローン、携帯電話契約などを強制的に解約された
これらの情報はどちらかの信用情報機関には5年間記録されますので、事故から5年は審査には通らないことになります。
なおCICとJICCは自己破産と個人再生の官報記載情報は収集していません。
審査に通らない原因2:総量規制オーバー
消費者金融は総量規制の対象です。
すでに他社からの借入総額が年収の3分の1を超えている場合には、その他の情報がいかに良好でも審査には通りません。
審査に通らない原因3:多重債務
一般的に借入本数が4本以上ある人を多重債務者と呼ばれます。
多重債務者は最も審査に通りにくい属性の1つです。
すでに3本以上の借入金がある人は、4本目となるローンの審査には非常に通りにくい人です。
よほど年収が高いとか、ステータスの高い職業に就いている人でないと審査に通らないと考えたほうがよいでしょう。
審査に通らない原因4:クレジットヒストリーに遅れが多い
信用情報には借入金・クレジットカード・商品の割賦販売契約などの支払状況が過去24ヶ月間分も記録されており、この情報をクレジットヒストリーと呼びます。
クレジットヒストリーに遅れが多い人も審査に通りにくい人です。
具体的には1年間に半分以上遅れがある人は「支払いにルーズな人」と判断され、著しく審査に通りにくいでしょう。
審査に通らない原因5:申込ブラック
信用情報には過去6ヶ月分のローンやクレジットカードへ申し込みを行なった情報と、審査に通ったのか落ちたのかという情報が記録されています。
申込情報も多ければ多いほど「お金に困っている」「信用情報からは見えない借金がある可能性がある」などと疑義を持たれてしまうため、審査には通りにくいことになってしまいます。
審査に通らない原因6:社内ブラック
信用情報に記録されている事故情報は5年~10年しか記録されませんが、過去に事故を起こしたことがある会社の社内には、その事故情報が半永久的に残っています。
信用情報で所定の期間が経過してブラックではない人で、以前利用していたカードローン会社の社内にブラック情報が残っている人を社内ブラックと言います。
社内ブラックの人に対しては、過去に事故を起こした人に対してわざわざ融資を行うようなことはしません。
社内ブラックの人は過去に事故を起こした会社の審査は通らないと考えた方がよいでしょう。
審査に通らない原因7:個人事業主
個人事業主は最も審査で不利な属性です。
個人事業主は税金の支払いを抑えるために、所得を意図的に低くしているという点、また事業と生活が一体化しているため、どこからが生活費でどこからが事業の経費かの区分が不透明です。
例えば、自宅で事業を営んでいる人の電気代は、どこからどこまでが事業に使用し、どこからが生活費なのかを区分することは実質的に不可能です。
カードローンは事業資金にだけは使用できません。
しかし、生活費と事業の経費がそもそも一体になっている個人事業主はカードローンで借りたお金を事業の経費に使用してしまう可能性が非常に高いため審査に通りにくいのです。
消費者金融の審査に通りにくい状態を改善する方法
審査に落ちた人が次の審査を通るためには、どのような点に問題があるのか、またどのように改善すればいいのかを解説します。
消費者金融の審査に通らなくて落ちてしまった場合でも、決して諦めずに改善すれば、審査を通過できるようになります。
信用情報がブラックで審査が通りにくい
ブラックが原因で審査に落ちた人、また自分がブラックであることを認識している人が消費者金融の審査に通過するためにはどうすべきでしょうか?
信用情報が回復するまで待つしかない
事故情報が真実であるならば、その情報を信用情報から消去できません。
このため、ブラックの人は事故情報が信用情報から消去されるまで待つしかありません。
自分の信用情報がどのようになっているのかは、信用情報機関に情報開示請求を行うことができるため、信用情報から事故情報が消えたことを確認してから消費者金融への申込を行うようにしましょう。
総量規制オーバーで審査が通りにくい
すでに総量規制上の借入枠(年収の3分の1)を使い切っている人は、審査には通りません。
このような人は年収を増やすか、借入を減らすといういずれかの方法を行わないと、永久に審査に通らないことになります。
給料を増やす
昇給や転職によって給料が増えれば、必然的に年収も増えます。
また会社の業況がよく、ボーナスがいつもより多く出た年の翌年も前年度年収は高くなります。
このように、年収が増えたタイミングで消費者金融への申込みを行えば、以前よりも総量規制上の借入枠も大きくなるため、審査には通りやすくなります。
貸金業者からの借入を減らす
年収を増やすことができなくても、返済によって消費者金融などの貸金業者からの借入が減少していけば総量規制の枠は空くことになります。
また、銀行カードローンなどの総量規制対象外のローンで貸金業者からの借入を借り換えることでも総量規制の枠を空けることができ、審査に通りやすくなります。
多重債務で審査が通りにくい
すでに他社から3本以上の借入金がある人は大手消費者金融の審査には通りにくい人です。
このような多重債務者が、新たに借入を行うためには、借入金の本数を減らすしかありません。
おまとめなどで借入本数を減らす
おまとめローンなどを利用して借入金の本数を減らすことで、多重債務者からは脱却できます。
消費者金融には貸金業者からの借入金だけをまとめることができる、貸金業法に基づくおまとめローンという商品が存在し、このローンは比較的審査に通りやすいローンです。
借入金の本数が多いことが原因で審査に落ちた人や審査に通りにくい人は、まずはこのようなおまとめローンを利用し、そこから半年程度の期間を空けて、消費者金融へ申し込みを行うことで、審査に通過できる確率は高くなります。
クレジットヒストリーに遅れが多くて審査が通りにくい
クレジットヒストリーに遅れの記録が多い人でも、審査に通るようにすることはそれほど難しいことではありません。
クレジットヒストリーは「遅れた」という記録だけでなく、ポジティブに判断される情報である「期日を守った」という情報も記録されるため、ポジティブな情報を蓄積させることで審査に通りやすくなるのです。
24ヶ月間は支払いに遅れがない状態を作る
クレジットヒストリーは24ヶ月間記録されるので、期日をしっかり守って支払い遅れがないようにすれば、審査に通過しやすい状態に改善できます。
お金があろうがなかろうが「支払い期日だけは守る人」というお墨付きを与えられるため、審査では著しく有利になるからです。
理想は24ヶ月全てですが、過去1年間まったく支払いに遅れがないというだけでも審査には大きくプラスです。
毎月クレカを少額利用して支払期日を守る
クレジットヒストリーに記録される情報は「期日を守ったか否か」ということだけで、いくら利用したのかは記録されません。
そのため、毎月100円でもよいのでクレジットカードを利用し、支払いの期日を守るということを継続しましょう。
これだけでクレジットヒストリーには「期日を守った」という記録がつくため、審査では非常に有利です。
クレジットヒストリーは審査に落ちる原因にもなりますが、審査に通りやすい状態を作ることができる情報でもあります。
申込ブラックで審査が通りにくい
申込情報が多く審査に通過できない「申込ブラック」という状態の人は、基本的に信用情報から申込情報が消えるまでは消費者金融へ申込を行うことを待った方がよいでしょう。
最後の申込から半年以上経過させる
申込情報は、申込後半年間は信用情報へ記録されます。
このため、最後に審査に落ちてから半年以上経過すれば信用情報の申込情報は削除されることになり、半年後はクリアな状態で審査を受けられます。
他社の審査で落ちた人にお金を貸すことにはどの会社も抵抗があるものですので、申込情報が残っている状態で新規の申込を行っても審査に不利になり、不要な申込情報が蓄積されるだけです。
一度審査に落ちたら、そのあと半年以上経過してから申込みを行うことで審査に通る可能性もあります。
社内ブラックで審査が通りにくい
信用情報はブラックでなくても、社内に過去の事故についての記録が残っている人はお金を借りることはできるのでしょうか?
ほかの消費者金融に申込みする
基本的に信用情報に問題がなくても、社内で「過去に事故があった」という記録が残っている人に対しては融資を行いません。
審査の際には、信用情報に加えて、申込者の氏名や生年月日から社内のデータベースに照会を行い、「過去に事故を起こした人でないかどうか」を審査しています。
ここで、事故情報が発見された場合には審査に通らないことが一般的です。
ただし、社内の情報は他社とは共有しないため、信用情報さえ綺麗になっていれば、これまで取引を行ったことがない業者は過去に事故を起こしたことが分からないため、問題なく審査に通過できる場合がほとんどです。
信用情報から過去の事故が消えていても、事故を起こした会社には申し込まずに、他のカードローン会社へ申し込むようにしましょう。
個人事業主で審査が通りにくい
個人事業主が審査に通るためには、「十分な所得があること」と「カードローンで借りたお金を事業資金に利用しない」ということを審査担当者に理解させることが重要です。
そのため確定申告時に節税を意識しすぎないことが重要です。
所得額を低くしすぎない
個人事業主はなんでもかんでも経費参入して、できる限り所得を少なくしている人が多いですが、所得を少なくしすぎると審査に通りにくい状態となります。
このため、生活費として使用したお金を経費参入するなどして、所得を少なくしすぎないようにすることが重要です。
事業と生活費を明確に分ける
個人事業主の中には、所得が100万円とか0円となっており「この収入でどうやって生活しているのだろう?」という人がほとんどです。
実際にその人は生活できていることを鑑みれば、経費の中に生活費を混ぜ込んでいるということを容易に察することができます。
このような人は「生活費と事業の経費の区別ができていない」と判断されるため、事業資金には使用することができないカードローンの審査では不利となります。
十分に生活していける程度の所得になるように、確定申告を行いましょう。
また消費者金融の中には、自営業者専用のカードローンという商品があります。
このカードローンは事業資金にも生活費にも使用できるカードローンで、事業資金扱いになるため総量規制対象外です。
個人向けカードローンの審査に通過することができない個人事業主は、自営業者専用カードローンなどの利用を検討するのも1つの方法です。
まとめ
消費者金融の審査に通らないのは原因があります。
消費者金融の審査に落ちたら、ここまで説明した原因のどれに自分が当てはまるのかをまずは分析することが重要です。
中には時間のかかるものもありますが、解決ができない原因はありません。
原因を解消せずむやみに消費者金融へ申し込みを行っても、申込情報が蓄積しさらに審査に不利になるだけです。
まずはなぜ消費者金融の審査に通らないのか、その原因を自己分析してみましょう。
執筆者:手塚大輔/金融ライター
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