カードローンのスコアリング審査(自動与信システム)とは?
皆さんはローンの審査というと時間がかかるというイメージを持たれていませんか?
確かに事業資金などのまとまったお金を借りるなら審査に時間がかかるし、ときには資金を借りるまでに申し込みから1ヵ月も2ヵ月もかかることもあります。しかし、カードローンの審査はさすがにそこまで時間はかかりません。
早いときは申し込みしたその日のうちに審査に通ってお金を借りることもできるし、遅くても数日から1週間程度で借り入れできます。
なぜだか分かりますか?それはカードローンの審査にスコアリングを取り入れているからです。
カードローンの審査では、申込者の信用度や返済能力を判定するために、スコアリング(自動与信システム)を用いています。
この記事では、カードローンの審査におけるスコアリングとはなにか?について解説します。
ほかにも、スコアリングの基礎知識やスコアリングを良くする方法など、読者の疑問に沿ってわかりやすく説明します。
カードローンのスコアリング(自動与信)システムとは?
カードローンの審査では、個人の信用力や返済能力を判定するために、スコアリング(自動与信システム)という手法を用いています。
スコアリングとは、社内に蓄積されたビックデータや統計的モデルに基づき、申込者の属性に点数を付けて、個人の信用度や返済能力を判断する方法です。
スコアリングはコンピュータ(システム)が自動で行いますので、別名「自動与信システム」ともよばれています。
スコアリングの基礎となっているのは、個人の属性です。属性とは、個人の年齢や年収、職業、勤続年数、家族構成、居住形態などの情報を指します。
カードローンの審査では、仮審査の初期段階でスコアリングが実施されるケースがほとんどなので、仕組みだけでも知っておいて損はありません。
この章では、カードローンの審査におけるスコアリングと属性の関係性についてしっかりと学んでいきましょう。
スコアリングとは属性を点数化して評価を加えたもの
人間にはそれぞれ個性があるように、属性もまた人によって異なります。
申込者の返済能力を測ることを目的に、属性を一定の基準に沿って比較することで、カードローンの審査に応用した手法がスコアリングです。
属性そのものは、人によって大きなバラつきがあるので、そのまま単純に比較することはできません。
しかし、それらをカードローン会社の社内に蓄積された顧客データに基づき、各属性ごとにグループ化して、さらにグループごとに点数をつけて評価を行えば誰でも簡単に比較ができるようになります。
例えば本人の年収が400万円だと仮定します。収入という属性を5つの区分に分けて、それぞれの評価に応じた点数を割り振ると、この申込者の年収に対する評価は6点となります。
- 年収200万円未満…2点
- 年収200万円以上~350万円未満…4点
- 年収350万円以上~500万円未満…6点
- 年収500万円以上~700万円未満…8点
- 年収700万円以上…10点
スコアリングを行うことで、年収というカテゴリーにおいて申込者が全体の中でどのレベルにあるかのかを評価できる仕組みです。
すべての属性がスコアリングによって数値化され、合計点がカードローン会社の基準を満たしていればスコアリングの審査は合格(通過)となります。これがスコアリングの仕組みや基本的な考え方です。
スコアリングの評価基準はカードローン会社によって異なる
カードローン会社によってスコアリングの判断材料となる属性はもちろん、各属性に対する点数のウェイトも異なります。
もっと単純にいえば、そのカードローン会社がどの属性を重要して審査しているのかによって結果も変わってくるともいえるでしょう。
ただし、スコアリングの内容そのものはカードローン会社から公表されていないので、われわれ申込者としては、公式サイトの情報や担当者の質問から、何を重視して審査しているのか判断するしかありません。
スコアリングは個人向けローン審査の伝統的な判定方法
実はこの記事を書いている筆者は地方銀行の元行員です。実際に多くの個人向けローンにおける審査の経験があり、もちろんスコアリングについても熟知しています。
このスコアリングは決して最近の新しい審査手法でなく、昔から住宅ローンやマイカーローン、カードローンなどを審査するときの伝統的方法でした。
ただ現在のスコアリングとの違いは、かつては書類ベースで行員による人的対応で行われていたスコアリングがコンピュータの導入により自動審査に変わったという点です。
さらにインターネットや5Gなどの通信技術、パソコン・スマホといった電子端末の発達により、カードローン会社では膨大な個人データを大量に効率よく扱えるようになってきたので、それに合わせてスコアリングの精度も極めて高くなってきました。
そのため、昔は金融機関内で担当者の経験と勘でやっていた信用判定が、現在はより客観的な数値に基づく自動判定になっており、審査結果にもばらつきがなくなっています。
逆に言えば、属性について事前にしっかりした対策さえ取っておけば、申込者が審査で落ちるという確率も減らすことができるようになったともいえます。
スコアリングでカードローンの審査が早くなる理由
カードローンの審査ではスコアリングはすべてコンピュータによる自動審査です。
そのため審査結果が出るのが極めて早くなっており、かつての人による書類ベースの審査とは比べ物になりません。
Webサイトからカードローンに申し込んだ場合、申込画面に入力された情報は、そのまま自動でスコアリングに回される仕組みとなっています。
そのため、早い人ならカードローンを申し込みから30分以内で審査結果がわかる時代です。昔なら考えられないような状況が今のカードローンには起こっているのです。
カードローン審査のスコアリングが行われるタイミング
カードローンの審査でスコアリングが行われるタイミングですが、インターネットからの申し込みであれば、申し込みが完了したと同時にスコアリングに反映されます。
さらにスコアリング結果が良くて、カードローン会社が定めた基準を超えた場合、即日で利用限度額や適用金利も出てきます。
だからこそ、大手消費者金融のように、「最短30分で審査回答」という対応ができるようになってきたのです。
ただし、銀行カードローンの場合は、同じようにネット申込みしても、最近はすぐに審査結果が得られなくなりました。
理由は信用情報のチェックで銀行が申込者情報を預金保険機構経由で警察庁に問い合わせる手続きが増えたためであり、その結果、審査結果が得られるのは早くて1~3日後となったからです。
本人の情報が警察庁のデータベースに照会をかけられると、最長で2週間ほど時間を要します。
しかし、スコアリングが行われるタイミングは依然として銀行カードローンも消費者金融もまったく同じで、審査の初期段階である点は変わりありません。
スコアリングにおける各属性の評価基準
スコアリングの基礎となる属性についてより詳しくみていきましょう。
スコアリングに使う属性項目は、カードローン会社によって多少異なりますが、概ねよく似たもので構成されています。
ただし、それぞれの属性をどの程度重視するかはカードローン会社によって幅があり、重視する属性はその他の属性よりも配点が高くなっています。
それでは代表的な属性について、ひとつずつ重要なポイントや注意しておきたい点を解説します。
カードローン会社が定めた年齢の基準を満たしているか
カードローンは申込時の年齢を満たしていないと借りられません。
多くのカードローン会社では申込時の年齢は満20歳以上であること、そして契約年齢の上限にはばらつきはありますが、概ね65歳前後に設定されています。
もちろんカードローンの申し込みはどちらかといえば若いほど有利で、満60歳を超えてからの申し込みはかなり不利となり、仮に高齢で審査が通ってもカードローンの限度額は10万円~30万円とかなり小さくなります。
年齢のスコアリング配点も上記の方針に沿って割り振られています。
職業、雇用形態、勤務先は安定性を重視
職業・雇用の形で言えば、正社員か、パート・アルバイト等かに分かれますが、当然正規雇用が非正規雇用より属性評価が高くなります。
なぜなら非正規雇用者(パート、アルバイト、契約社員、派遣社員)はいつ首を切られるか分からないリスクがあるからです。
また、勤務先では、公務員を筆頭に、上場企業の従業員、中小企業の従業員、自営業者・契約派遣社員、パート・アルバイトの順に属性評価が低くなります。
特に自営業者は、現在の収入が高くても属性評価は低く、理由は
- 収入に上下の波があり安定性に欠ける
- 自営業なので個人向けカードローンの資金を営業資金に回されるリスクがある
などがあり、これと同じ理由で中小企業経営者も属性評価が低くなっています。
さらに、専業主婦(主夫)は年収がゼロなので、最も評価が低く、そもそもカードローンの受付をしてくれない業者がほとんどです。
ただし、一部の銀行カードローンでは、今でも公式サイトに専業主婦(主夫)もカードローンを借れる表示をしている金融機関もあるのでそれがすべてではありません。
専業主婦(主夫)に対しては、限度額の上限を50万円までと制限されているケースや、さらに専業主婦(主夫)の配偶者に安定した収入があるなどの条件が付く場合もある。
勤続年数は長いほど審査では有利
勤続年数の場合、申込時点で勤務開始から3年~5年経っていれば特に問題ありません。
逆に勤続年数が1年以内だと注意が必要であり、スコアリングではかなり評価が低めです。これは正社員でも同じです。ただし、新入社員は勤続年数が短いのは当然なので対象から除かれます。
また、転職して1年以内でも、「前職と現在の仕事が同じ」場合とか、「転職の目的が、以前より給料を上げることで、実際それを実現している」場合などはほとんどデメリットになりません。
一方、自己都合による転職はダメで特に何度も転職を繰り返していたらかなり評価が落ちます。
もし申込者がそのようなケースなら、少しでも属性をよくするために当面は勤続年数を増やすことに専念し、申し込みのタイミングを先延ばしにしたほうがいいでしょう。
固定給で年収が高いほど審査での評価は高い
カードローンの審査では、年収は高いほど有利ですが、その取り扱いはカードローン会社によって異なります。
銀行カードローンでは年収の高いほうがスコアリングでは有利ですが、消費者金融では収入の安定性を重視しているため、必ずしも収入の高さにこだわらない傾向が強いです。
なによりも消費者金融では、貸金業法の総量規制により「年収の3分の1を超えて貸付けできない」という制限が設けられており、本人の収入が高くてもそれほど意味がない点もあります。
もちろん収入が高ければ、それだけ返済余力が高い場合が多く、良いことに違いはありません。
収入の形としては、固定給と歩合給があり、会社員の給与などは固定給で安定性が高く、属性評価では有利です。
一方、歩合給は収入の安定性に欠けカードローンの属性としては不利になります。
歩合給の対象者としては、例えば住宅販売の営業マン、請負で働くトラックの運転手、プロスポーツ選手や芸能人、水商売関係者などがあります。
年収に対するローンの返済比率
あらゆる属性の中で、年収に対するローンの返済比率は最も重要な属性のひとつです。
収入の高さだけの比較では正確に返済能力を測れないので、あわせて本人の年収に対するローン返済総額の比率である「返済比率」を評価することで、スコアリングでのバランスを取ります。
なおこの場合、ローンの合計には、住宅ローン、教育ローン、他行のカードローンや今回の申し込み分も含まれて計算されます。もちろん返済比率が低いほど属性評価では点数が高いです。
居住形態、居住年数、家族構成は個別に判断
居住の形としては、一般的に賃貸より持ち家が有利ですし、かつ持ち家に住宅ローンがなければ負債が少ないのでさらに高く評価されます。
持ち家の評価が高い理由は、申込者に持ち家があれば返済が遅れてもカードローン会社から連絡が取りやすく、さらに夜逃げなどされにくいからです。
賃貸だと簡単に行方が分からなくなり連絡不能となる可能性が高いので、どうしても評価が下がります。
居住年数は持ち家・賃貸にかかわらず長いほど有利ですが、あまり短いと評価が下がります。
特に賃貸で1年未満だと、カードローンの審査に大きく影響する可能性があり、場合によってはその理由を聞かれることもあります。
家族構成は一人暮らし・独身より、家族持ちが一般的に有利です。もちろん生活者として安定性からの評価です。
ただし、場合によっては属性項目の中に本人の年収を家族数で割って評価する項目が入っている場合があります。私が勤務していた銀行がまさにこの属性をスコアリング項目に入れていました。
この場合、本人の年収に比べて家族数が多いとこの比率が悪くなって評価が低くなりスコアリングで不利になります。
この比率は年収に対する返済比率のようなもので、仮に一人暮らしで評価が低くなっても本人の年収が高ければこの比率で評価をカバーできます。
また、もし同居している配偶者に収入があれば、合算できる収入として属性で評価するカードローンもありますが、本来配偶者は申込者と別人格なので、評価しない業者もおりその取り扱いは定まっていません。
賃貸の家賃負担額は住宅ローンの返済と同じ扱い
申込者が住宅ローンの利用者である場合、住宅ローンの返済額は返済比率の計算に組み込まれて評価されます。
本人が賃貸に住んでいる場合、家賃は住宅ローンの返済と同じように毎月の収入から出ていくものなので住宅ローンの返済額と同じものとみなされ、家賃の負担額も返済比率の計算に組み込まれて評価されます。
電話や保険の種類についての注意点
元銀行員としての経験から説明すると、電話種類と保険種類の2つの属性については、スコアリングの評価項目から除かれて計算されている可能性が高いです。
もちろん個々の取り扱いについては、カードローン会社によって異なるので明言は避けますが、筆者が銀行員のときにこの2つの属性は住宅ローンほか、すべての個人ローンのスコアリング計算シートには入っていませんでした。もちろんカードローンのスコアリングでも同じです。
しかし、他のネット上のサイトを見ると、スコアリングの説明で「固定電話が携帯電話より評価が高い」とか「国民健康保険が他の3保険(共済組合、組合保険、社会保険)より評価が低い」のような解説をたまに見かけますが、私はこれらの説明は読者を混乱させるだけのものと考えています。
そこで、以下でこの点につき、筆者が体験した事実に基づき解説するので、他サイトの説明をそのまま鵜呑みにされないよう注意してください。
カードローン会社は電話の種類を重視していない
過去には固定電話か携帯電話はどちらが有利という議論がありましたが、今は誰でも携帯電話を所有している時代ですし、自宅に固定電話がない家庭も増えているので、カードローン会社としても電話の種類をあまり重視していません。
せいぜい携帯電話でもいいので、肝心なときに本人に連絡がつけばいいという立場です。
ただし、本人の携帯電話に加えて固定電話の記載があれば、連絡もつきやすいですし、それだけ支払いに余裕がある証拠ですので、カードローン会社側への印象は良いと思います。
健康保険の種類を確認する理由は勤務先をチェックするため
保険の種類は、職業に応じて共済組合、組合保険、社会保険、国民健康保険の4種類があります。
過去には前者3保険に比べて国民健康保険は属性で不利という意見もありましたが、今は国民健康保険該当者でカードローン利用者はいくらでもいるし、お金持ちで国民健康保険利用者もいることから、この議論自体、ほとんど意味がないと考えています。
繰り返しますが、元銀行員だった筆者の経験でも、電話の種類とこの保険種類がスコアリングの項目に入っていた記憶はないし、さらに記事の執筆前に現役の知人行員に電話してその事実を確認しています。
仮にカードローン会社が保険の種類を確認するとしたら、見る目的としては、勤務先について電話で在籍確認する以外に、この保険種類で補足的に確認する以外にはないと考えています。
カードローンのスコアリング審査での注意点
カードローンの申し込みやその後の対応で、スコアリングの結果を良くするために、申込者ができる対応についていくつか注意点を取り上げます。
申込者が最低限できることとして、これらのことはぜひ覚えておいてください。
申し込みでは年収や勤続年数の嘘をつかない
カードローンの審査を少しでも有利にするために、本人の年収や勤続年数などで嘘を申告してはいけません。もちろん、ローンの他社借入件数や借入残高を誤魔化すこともダメです。
カードローンは審査の過程で自社で保有する顧客との取引データを活用して、申込者から提供された情報の矛盾を突いてきます。
また、信用情報の照会や必要書類のチェックなど、あらゆる角度から申込者の嘘を見抜こうとします。
重要度が低い属性なら言い逃れもできますが、肝心の年収や他社借入の虚偽申告は、いくらスコアリングや信用情報の結果が良かったとしても、嘘が発覚した時点でアウトです。
カードローン会社への信用がまったくない状態なので、あとでいくら取り繕うとしてもすべて無駄です。当面はローンの申し込みを受け付さえしてくれません。くれぐれもカードローンの申し込みで嘘をつくことはやめておきましょう。
オペレーターには真摯に対応
カードローンの申込方法はネットや電話、郵送、店舗窓口などいろいろありますが、特に窓口の審査担当者や電話オペレーターなどの直接人を介して申し込みする場合には申込者の態度がとても大事です。
担当者やオペレーターへの印象を悪くするとカードローンの審査結果に悪く影響する可能性があります。もちろん審査の最終決定権はこの窓口担当者やオペレーターにはありません。しかし、最初にすべての審査書類を作成するのは彼らなので、もし申込者のまずい対応で彼らへの印象を悪くしてしまうと上司への意見欄に余計なコメントを書かれてしまうかもしれません。
カードローンの申込時には変にへりくだった対応をする必要もありませんが、言葉使いには注意して丁寧に淡々と応対して、せめて相手に悪い印象だけは与えないように気をつけてください。
本人確認の電話はすぐに出る
インターネットで申し込みしたあとに折り返し担当者から確認の電話が入ることがあります。目的は申込内容の再確認です。
もしその電話番号が知らない番号や非通知の番号であったとしても、すぐに電話に出ることをおすすめします。カードローン会社からの電話である可能性が極めて高いからです。
電話があったということはすでにスコアリングが終わって結果も出ていて、担当者がその前提でさらに申込内容について電話で確認しようとしている可能性が高いです。あるいは電話で本人の借入の意思を確認する目的もあるかもしれません。
しかし、知らない番号だからと電話に出ずに無視し続けていると、無視した回数にもよりますが、せっかくスコアリングで通過していたにもかかわらずその態度で申し込みが却下されてしまうこともあります。
そんなつまらないことで審査に落ちるのは情けないことですね。かかってきた電話には必ずすぐに応対するよう十分に心がけておいてください。
申し込みフォームへの入力は正確かつ丁寧に
申し込みフォームの入力や申込書を記入する場合でも、間違いがないか見直す癖をつけておいてください。
本人情報の誤入力や誤字脱字はカードローンの審査ではマイナス要因ですので、最終チェックは入念にお願いします。
スコアリングはコンピュータによる自動審査なので、担当者が対応するような人間的な配慮は期待できません。
雑な入力はそのまま本人に悪い結果として跳ね返ってきます。それだけにカードローンの申し込みでは時間をかけてでもしっかりとチェックするようにしましょう。
信用情報の照会はスアリングと共に審査の両輪
カードローンはスコアリングの結果だけで審査の通過が決まるものではありません。
信用情報の照会もカードローンでは重要な審査です。信用情報は、いわばスアリングと共に審査の両輪ともいえます。
そのため、いくらスコアリングの結果が良かったとしても、信用情報に問題があればカードローンの審査で落ちる可能性は十分にあります。
そこでその点について、もう少し掘り下げて解説していきましょう。
審査の重要度はスコアリングよりも信用情報が上
スコアリングの結果は、あくまで「審査を通過するかどうか」より、むしろ「カードローンの極度額をどの程度にするか」という要素が強く、そのため、年収の高さや返済比率が属性で重要視される傾向があります。
しかし、スコアリングの結果がカードローンの審査基準を超えていても、信用情報の結果がダメなら審査に通りません。
なぜなら、信用情報の照会で過去の返済状況や他社借入までわかるので、そこで何か問題があれば、新しくカードローンを発行しても、返済遅れなどを引き起こしてしまう可能性が高いからです。
そのような貸付けリスクの高い人を顧客にしたいと考えるカードローン会社なんてありませんよね。当然、カードローンの申し込みがあっても審査の段階で落とすことになります。
結論としては、信用情報がカードローンの審査の最終結果に最も大きく影響を与えるのであり、スコアリングの結果はあくまで審査のプロセスにすぎません。
カードローンの申込者には、自分の信用情報を傷つけないという強い決意が求められています。
まとめ
カードローンの審査のスコアリングと属性についてさまざまな視点から解説を行ってきました。
各人の属性についても解説の中で触れたように、属性を良くするためにすぐ対応ができるものと、一定の時間がかかるものがあります。
例えば勤続年数のような属性は同じ職場で長期間地道に働くことからしか評価は上がりません。
同じ職場でパート・アルバイトの地位から正社員に登用されるのもその会社への貢献度や勤続年数が深く関係してきます。それだけに、属性を上げるためには忍耐と努力そして時間が必要なものが多くあります。
一方、最後の章で解説したように、返済遅れや滞納などのちょっとした油断で簡単に信用情報に傷をつけてしまうと、永久に回復できないか、回復に長い時間を要するものもあります。
カードローンを利用するのであれば、その点をしっかり理解して、日頃から自分の属性を向上させる意識やローンやクレジットカードの返済をきちんと管理してもらいたいと考えています。