個人信用情報と携帯電話の分割払い(割賦契約)の関係

信用情報

携帯電話の新規契約や機種変更をされる際に、携帯電話の機種代金を分割払い(割賦契約)で購入・契約されている方は多いかと思います。

実はこの携帯電話の分割払いで支払い遅れが生じると、その情報が信用情報機関に登録されるのはご存知でしょうか?

さらには、携帯電話の分割払い(割賦契約)を契約する際にも、その申し込み情報が信用情報に登録されているのです。

携帯電話料金の支払日を過ぎても、すぐに携帯が止まるわけではないからと甘く考えて、毎月滞納していませんか?

携帯電話の分割払いはクレジット契約です。

これには違和感を覚える人もいるかもしれません。

しかし、間違いなく携帯電話の分割払いは、割賦契約というクレジット契約の一種です。

クレジット契約である以上、個人信用情報とは切っても切れない関係にあります。

今回は、個人信用情報と携帯電話の分割払い(割賦契約)の関係についてお話ししたいと思います。

携帯電話の分割払い(割賦契約)とはどういう契約なのか?

割賦契約は、正式には個品割賦販売契約(こひんかっぷはんばいけいやく)と言います。

意味は「負債や代金などを月賦または年賦などで複数回に分割して支払うこと」というものです。

割賦契約は「個別方式のクレジット」「ショッピングローン」とも呼ばれます。

これら言葉の意味は皆同じで、繰り返しになりますがクレジット契約の一種です。

割賦契約とクレジットカードの違い

割賦契約の対義語としては、クレジットカードの契約があります。

こちらは単に「クレジットカード」「包括クレジット」と呼ばれています。

一般的なクレジットカードのことであり、ショッピングなどの限度(極度額とも言います)をあらかじめ設定し、その範囲内で買い物や施設の利用代金など、加盟している店舗の代金全般に利用できます。

割賦契約とクレジットカードの違い

個品割賦契約とクレジットカードの一番の違いは、反復利用が可能かどうかという点です。

クレジットカードは、カードを使って(あるいはサイン一つで)限度内であれば繰り返し自由に利用でき、反復利用できます(これが包括契約です)。

一方で割賦契約とは、個別の品物を購入する都度、割賦契約を結びます(これが個別契約)。

その都度、割賦契約を結ぶということは、購入する度に審査を受ける必要があると言うことです。

もちろんクレジットカードも、カードを作る最初の時点で審査が行われます。

携帯電話の分割払い(個品割賦契約)とクレジットカードの比較をまとめると、次のようになります。

携帯電話の分割払い(個品割賦契約)とクレジットカードの違い
契約 違う点 同じ点
携帯電話の分割払い(個品割賦契約) 個別契約 所定の審査がある
クレジットカード 包括契約

この表は左右にスクロールできます。

割賦契約と信用購入斡旋の違い

信用購入斡旋とは、商品代金をカード会社が一時的に立替え払いをし、その後は購入先ではなくカード会社に支払っていく契約です。

割賦契約は、カード会社を通さず購入者と販売者が直接分割払い契約を結ぶ形式です。

例)家電量販店で

分割払いで携帯電話を買うと→割賦契約
分割払いでテレビを買うと→信用購入斡旋

電化製品の分割払いでは、レジでクレジットカードを使い分割払いにします。

一方で、家電量販店などで携帯電話を買う時に、最初は店員と話していても、契約になると携帯会社の社員に変わるのは、携帯電話の分割払いが割賦契約だからです。

※ちなみに携帯電話の分割払い契約書は「信用購入斡旋」の場合もありますが、この場合でも契約は顧客と携帯電話会社であり、内容はあくまで割賦契約です。

携帯電話が携帯会社との割賦契約なのは、従来の「販売奨励金」があった時代からの名残です。

「販売奨励金」とは電話機販売促進のために、電話機1台販売する毎に○○万円というように、携帯電話を製造する電機メーカーが、販売店(直営店や携帯ショップ)にお金を払っていたものです。

携帯電話の仕入値が1台5万円、奨励金が10万円といった具合に、まさに売れば売るほど儲かった時代がありました。

この当時も、契約上は携帯電話会社と2年の信用購入斡旋を結んでいました。

しかし本体は実質ゼロ円ですから、信用購入斡旋としての契約はほぼ形だけのもの。

また加熱する販売競争で、審査も今ほど厳しいものではありませんでした。

契約で最も重視されたのは、2年間継続して契約することで(いわゆる2年縛りはこのころ始まりました)、万一中途解約する場合は高額の違約金(当時の相場で数十万円と聞いたような記憶があります)が必要なケースもあったようです。

携帯電話の分割払いは、この時代の名残で今もこの形態を続けています。

携帯電話の機種代金は分割払い(割賦契約)=クレジット契約

携帯電話の分割払い(割賦契約)もクレジットカードも、ともに同じクレジット契約と書きました。

ですから、携帯電話の分割払い(割賦契約)も個人信用情報と密接な関係があり、影響度もクレジットカードと同じです。

個人信用情報と携帯電話の分割払い(割賦契約)の関係

携帯電話の分割払い(割賦契約)もクレジットカードと同様に個人信用情報と密接な関係があります。

携帯電話の購入時に、契約書類をどこかにFAXして「今確認していますので、しばらくお待ちください」と言われますが、この時に個人信用情報を調査(照会)しています。

そして信用情報の照会結果が出ると、携帯電話分割払い(割賦契約)がOKとなるか、断わられるか(審査落ち)が決まります。

個人信用情報とは?

個人信用情報とは、クレジットやローン等の信用取引に関する申し込み、契約内容、返済、支払状況、利用残高などの客観的取引事実を表す情報の総称です。略して個信(コシン)とも言います。

信用情報機関とは、個人信用情報を取り扱う専門の会社で、以下の代表的な3社があります。

信用情報機関3社
信用情報機関 略称 加盟会社 取扱い信用情報
(株)シー・アイ・シー CIC クレジットカード系 クレジットカード、カードローン等の情報中心
(株)日本信用情報機構 JICC 消費者金融系 消費者金融借入の情報中心
全国銀行個人信用情報センター(全銀協) KSC 銀行系 住宅ローン等の情報

この表は左右にスクロールできます。

上記の3社はともに提携しており、原則どんな申し込みでも3社の情報を調査します。

ただし、申込みの内容で主(詳細)と副(断片的な情報のみ)に分かれます。

例えば割賦契約ならCICが主、他の2社が副となります。

ちなみにCICの英語表記は「CREDIT INFORMATION CENTER」で、クレジット会社が共同出資して始まりました。当初は割賦契約の情報登録が主な業務でした。

個人信用情報の最重要キーワード「異動」

個人信用情報には様々な情報が含まれますが、その中でも重要なのが「異動」と呼ばれるものです。

異動とは、延滞、代位弁済、自己破産等を指し、「他とは異なる動き」という意味合いで異動と呼んでいます(CIC・KSCは異動、JICCでは「異参サ内容」と呼んでいます)。

携帯電話の分割払いに関係する信用情報の「異動」には2つのパターンがあります。

<携帯電話の分割払いにおける異動の2パターン>

  1. 携帯本体代金の延滞
  2. 携帯通話料金の延滞

①本体代金の延滞:異動になるのはいつ?

携帯電話の本体代金は24回払い月賦が一般的です。

月々の支払が1回でも遅れると、信用情報が「異動」になる恐れがあります。

支払うまでの日数や回数は、携帯会社によって違いがありますので注意が必要です。

②通話料金の延滞:異動になるのはいつ?

こちらも携帯会社により異なりますが、携帯電話の通話料金が60日~90日(約3ヵ月間)延滞すると強制解約となります。

強制解約になった時点で、信用情報機関に「異動」が記録されます。

信用情報の「ブラックリスト」について

俗に言う「ブラックリスト」についてですが、信用情報機関は「ブラックリスト」という言葉を使いません。

異動とはまさにブラックリストだとも言えるのですが、信用情報機関はあくまでも「異動」という言葉を用います。

なぜならブラックリストに載るという表現は、信用情報機関が個人の信用に傷を付けているという印象があるので、そうした誤解を避けるためです。

信用情報の流れ:割賦契約開始~支払終了まで

ここで、いつ?何の情報が?どのように登録されるのか?といった流れを説明します。

<割賦契約開始~支払終了までの信用情報の流れ「CICの場合」>
(いつ?)→(どんな情報?)

  1. 申込み
    →申込みをした内容が信用情報機関に登録される
  2. 照会
    →審査のために信用情報を確認した事実が信用情報機関に登録される
  3. (照会結果に異動などの問題が無く、審査が通った)
  4. 契約
    →携帯会社と分割払い契約をしたという事実が信用情報機関に登録される
  5. 信用情報の蓄積
    →毎月の支払状況などが信用情報機関に登録される。
    (これがいわゆるクレジットヒストリーです。詳細後述)
  6. 契約終了
    →予定通りの支払、自己資金の全額払い等で契約終了した事実が信用情報機関に登録

信用情報についてもう少し詳しく

ここでは「クレジットヒストリーについて」と「個人信用情報と審査結果の関係について」の2点についてお話します。

クレジットヒストリー(クレヒス)について

信用情報が登録されていく一連の流れを「クレジットヒストリー」と言います。

クレジットヒストリー(略してクレヒス)は本来クレジットカードの利用履歴のことですが、携帯電話の分割払いもクレジットヒストリーとして扱われます。

一部のサイトでは「クレジットヒストリーなしのスーパーホワイトは、クレジットカードや住宅ローンの審査に悪影響」と説明されており、中には「審査が通りません!」とまで断言しているものもあります。

こうした内容については、審査する側の銀行員としては疑問を感じます。

また携帯電話の分割払いを、クレジットヒストリーを育てるいい方法などと表現する、いわゆる「クレヒス修行」といった言葉もあります。

しかし、本当に一度もカードを利用したことが無いなら、それは決して悪いことではありません。

仮にスーパーホワイトの人が、カードローンや住宅ローンを申込したとします。

その人の信用情報を見て疑問に感じれば、私は必ずご本人に話を聞きます。

そして本当に今まで利用歴の無いスーパーホワイトの人だったとすれば、感心することはあっても、そのことだけに注目して審査で落とすことは、私なら考えません。

信用情報機関は審査しない

信用情報機関は情報の登録・管理をするところであって、融資・割賦契約などの審査はしません。

ところが、ある人が携帯電話の機種変更を分割払いで申込んだところ、携帯会社の販売員から「審査が通らなかった理由はCICに聞いて下さい」と言われたそうです。

引用文Q.携帯電話の機種変更を分割払いで申し込んだところ、ショップの人から「CICがダメ」ということで分割では購入できず、否決理由はCICに聞いてほしい」と言われましたが?
A.CICでは、クレジットの審査を行っておらず、会員各社が独自の審査基準により総合的に判断しております。したがいまして、否決理由につきましてはCICではわかりかねます。引用:よくあるご質問|指定信用情報機関のCIC

これは、銀行員の感覚だと考えにくいものです。

例えば銀行なら、信用情報が謝絶の理由だと正直に言うことはまずあり得ません。

なぜなら「あなたの信用情報に傷があるから審査に落ちたのです」と言っているようなものだからです。

この場合、断わる説明としては「総合的な判断の結果です」などとオブラートに包むのが一般的です。

携帯電話の分割払いでは、原則的に信用情報以外に断わる理由がありません。

顧客もそれを知っているので、このようないわば「開き直った」発言になるのでしょう。

なおCICでは、自身の現在の信用情報を確認できる「情報開示」という制度があります。

携帯電話の分割払いで審査に通らなかった方は、自身の信用情報を把握しておくためにも、情報開示をやってみることをおすすめします。

参考情報開示とは?|指定信用情報機関のCIC

割賦契約という「契約」をしっかり守ることが大事

携帯電話の分割払いはもはや世間一般の常識です。

スマートフォンの機種代金は10万円以上も掛かるので、一括で支払うのは難しい。だからつい「割賦契約」という意識が薄れてしまうかも知れません。

しかし、ここが重要です!

毎月遅れないでキチンと支払する、ただそれだけのことなのですが、これこそが割賦契約という「契約を守る」ことに他なりません。

社会人として当たり前のことを、当たり前に全うすることが結局は皆さんのためになります。

ただし、その当たり前を当たり前にこなすのは以外と大変です(だからこそ異動などの個人信用情報がないスーパーホワイトは悪いことでは無いと思うのです)。

携帯電話の分割払いは決して「クレヒスを作るため」や「クレヒス修行」ではないということを最後のまとめとします。