個人信用情報における異動とは?異動情報を削除する方法

2019年2月17日カードローンを知る・学ぶ

「信用情報の異動とは?」
「信用情報の異動を消す方法」
「異動情報あり(ブラックリスト)でも審査に通る?」

信用情報 異動」で検索をすると、このようなワードがヒットします。

信用情報(正式には個人信用情報と言います)に関するテーマはネットなどでもよく取上げられているので、それだけ関心が高いことがわかります。

記事は「カードローンや住宅ローンなど、お金を借りるときは審査で個人信用情報を調べられる」「異動があるとお金を借りられない」といった内容のものが多いです。

では、そもそも信用情報の異動とは何なのでしょうか?

  • 信用情報の異動って何?
  • 異動の何がいけないの?
  • 異動があるとなんで審査落ちになるの?

この記事では、信用情報と異動について、融資の審査をおこなっている銀行員がわかりやすく説明します。

カードローンを持っている人も持っていない人も、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

信用情報の異動とは?

いきなり「信用情報の異動とは?」から始めてしまうと難しく感じられますので、基本をわかりやすくするため、信用情報における「①異動の中身」「②異動の終わり方」の2つに分けて説明していきます。

ここからは銀行がよく使う信用情報機関(クレジットカード会社などが加盟する団体で、信用情報が登録されている)CICの内容に基づいて解説します。

信用情報機関のCIC(株式会社シー・アイ・シー:Credit Information Center)は、カードローンや住宅ローンだけでなく、事業資金融資を初めて申込む場合にも用いられます。

個人信用情報の調査を「CICを調べる」と呼ぶほど、銀行の融資審査では最もよく使われている信用情報機関です。

信用情報における異動の中身(原因)

異動の中身とは、異動になった原因のことです。これは「金融事故情報」とも表現され、銀行では単に「事故」と呼んだりもします。

事故というくらいですから、信用情報に異動があると審査落ちになるのがイメージできると思います。

異動の中身は基本的に次の3つです。

  1. 延滞(返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払の遅れがあるもの、あったもの)
  2. 代位弁済(顧客に代わって保証会社が返済したもの)
  3. 法的整理(裁判所が破産を宣告し、破産手続開始が決定したものなど)

延滞といっても、よくあるうっかりミスのことではありません。例えば返済の日に口座の残高が足りず引き落としされなかった、返済日を勘違いしていた、くらいなら遅れても数日でしょう。この程度ではまだ異動にはなりません。

ここで言う延滞とは、督促しても返済しなかった(返済できなかった)とか、所在不明で連絡が取れず長期間延滞した場合のことです。

うっかりミスで返済が数日遅れた場合でも、もちろん延滞として取り扱われます。こちらも回数が重なると次の審査ではマイナスとなる可能性がありますので注意してください。

代位弁済とは、上記の延滞が続いた場合などで、最終的にカードローンの保証をしている保証会社がカードローン残額を立替え払いして銀行に支払うことです。

もちろん借金が全額チャラになる訳ではなく、今度は保証会社へ支払っていくことになります。

法的整理では破産宣告をするのは借金が返せないと宣言しているようなもので、信用情報の記録は最も長く10年間は残ります。

ちなみに最近増えてきた「過払い金請求」や「債務整理」は法的整理とは違うので、異動にはなりません。

ただし過払い請求も債務整理も弁護士など専門家が介入するのが基本で、こちらも別の意味で新規融資は審査落ちになります。

延滞、代位弁済、法的整理は融資審査をするとき必ず立ちはだる障壁の代表格です。説明するまでもなく銀行などの金貸しから見ればお付き合いしたくない人ばかりです。

信用情報における「異動の終わり方」

異動の終わり方とは、異動の状態がどうやって完結して、最後には異動がどんな結末を迎えたか?のことです。

異動の終わり方次第では必ずしも審査落ちにならないケースもあります(下記、審査への影響に記載)。

異動の終わり方
顛末異動の状態審査への影響
完了支払が普通に完了した(自己資金で完済など)即審査落ちにはならない
移管終了いわゆるおまとめのこと(債権譲渡も含まれる)即審査落ちにはならない
貸倒クレジット会社などが貸倒れとして処理(逃亡、所在不明など)即審査落ち(これはもう何年経ったら情報が消える、といったレベルの問題ではありません)
本人以外弁済保証人が全額払った(保証人弁済)代位弁済も含まれる即審査落ち
法定免責自己破産。債務整理(過払金請求)も含まれる即審査落ち

この表は左右にスクロールできます。

ここで代位弁済に関係したお話し(実話)をひとつ。

代位弁済をする場合、必ず手順を踏んで本人に通知(手紙)を出さなければいけませんが、私が過去に対応した人の中に、失踪して接触できない人がいました。

困ったことに実は、失踪したままだと原則代位弁済できません。

なぜかというと、「あなたはこういった理由で代位弁済になりました」という文書を本人が受け取らないかぎり、代位弁済を通知したことにはならず、通知をしないと代位弁済はできない決まりになっているからです。

私は必死で足取りを追いましたが、最終的にその方が自殺したことを新聞記事で知り、この追跡は終わりました。

本人が死亡したことで代位弁済となった、何とも後味の悪い経験です。

異動情報があったら新規の借入はまず不可能

前項「異動の終わり方」でもお話しましたが、原則的に信用情報に異動があったら致命傷です。銀行では、新規の借入はまず不可能だと考えたほうがいいでしょう。

「異動は5年で消えるので大丈夫!」という記事をよく見かけますが、信用情報機関は複数あって、相互に情報を共有しています。またひとつ異動がある人は、他にも延滞などの問題を抱えているケースも多くあります。

銀行ではこうした異動に関する情報は長く記録することになっています。ですから「異動があったら銀行は絶対に貸さない!」と言っても過言ではありません。

致命傷になる異動とは?

致命傷になる異動について、もう少し詳しくお話しします。

「本人以外弁済」と「法定免責」はまさに致命傷で、上述のとおり即審査落ちになります。

  • 本人以外弁済→本人は返せない(返す能力が無い、返す意思が無い)
  • 法定免責→弁護士など専門家に解決を依頼している。本人は会う意志もない

「融資とは貸したら終わり、では無い。全額回収できて、初めて終わりなのである」。これは銀行業界でよく言われる格言のようなものです。

返せない、返す意思がない、銀行員に会おうとしない人に銀行は融資しません。

信用情報の異動はいつ、どうやって消える?

信用情報の異動はいつどうやって消えるのか?こちらについても正解あるいは裏ワザのようなものもありません。

銀行員の私としては「5年経ったら異動は消える」と安易に考えて欲しくはありません。

まず、CICなどの信用情報機関に対して異動情報を消してくれと頼んでも絶対に消してはもらえません。

高圧的な態度で「消せ!」と言うと、そのこと自体が記録されるかもしれません。もちろん悪い情報としてです。

また異動はいつ、どの時点からスタートして5年なのか?これは一般人ではわからないことです。

新しくカードローンやクレジットカードを申し込む前に、必ず自分で信用情報を確認したほうがいいでしょう。

いずれにしても、異動とは一部の記事に書かれてあるような軽いことでは決してありません。

異動との付き合い方

不幸にも異動になってしまったのなら、これはもう時を待つしかありません。

最後に異動との付き合い方として、待つあいだに注意すべきことを2つお話します。

①「異動があっても借りられる」「信用情報ブラックOK」など、このようなカードローンやキャッシング業者はいわゆる闇金(やみきん)、街金(まちきん)であって、絶対に利用してはいけません。

②異動があることを配偶者(妻や夫)に知られると、夫婦関係に影響するかもしれません。今では異動という言葉も広く知られるようになりました。奥さんや旦那さんが知識を持っていて、異動の事実を知られた場合、それが夫婦関係に影響して離婚にまで発展する可能性もあります。

「異動があっても借りられる」は闇金の可能性大

繰り返しになりますが、「異動があっても借りられる」と宣伝しているカードローンやキャッシング業者があったとしても、それは闇金などの違法な業者である可能性が高いので絶対に利用してはいけません。

仮に違法ではないとしても、利用すること自体が傷を深くするだけで、根本的な解決にはなりません。慎重に考えてください。

借りられないだけでは済まされない場合もある

「異動を配偶者などに知られると夫婦関係に影響する」と述べましたが、自分が借りられないからといって勝手に奥さん名義で借りるのは絶対にやってはいけません。たとえ銀行員から勧められてもダメです!

私も銀行員ですが、本人がダメだからといって奥さんに借りさせようとするやり方はこれまで一度も勧めたことはありませんし、これからも絶対にないでしょう。

なぜなら、こういうケースを数多く見てきた私がいいますが、決して良い結果にはならないからです。

「夫の信用情報に異動があることを知り、不信感から結局は離婚してしまった」
「奥さんが苦労して借金を背負ったのに、当の本人はまた借金をして、最終的には破綻した」

他にもいろいろな結末がありましたが、共通するのはどれもバッドエンドということだけです。