個人信用情報における異動とは?

「信用情報の異動とは?」
「信用情報の異動を消す方法」
「異動情報あり(ブラックリスト)でも審査に通る?」

信用情報 異動」で検索をすると、このようなワードがヒットします。

信用情報に関するテーマはネットなどでもよく取上げられているので、「カードローンや住宅ローンなど、お金を借りるときは審査で個人信用情報を調べられる」「異動があると、お金を借りられない」などが一般的に知られています。

では、そもそも信用情報の『異動』とは何なのでしょうか?

  • 信用情報の異動ってなに?
  • 異動のなにがいけないの?
  • 異動があるとなんで審査落ちになってしまうの?

今回は、こうした異動情報の疑問について、現役の銀行員がお答えします。

融資の審査をおこなっている銀行員目線でわかりやすく説明していきますので、どうか最後までお付き合いください。

信用情報の異動とは?

『異動』と書くと難しく感じられますので、基本をわかりやすくするために、ここからは「①異動の中身」「②異動の終わりかた」に分けて説明していきます。

これらは銀行がよく使う信用情報機関のCIC(株式会社シー・アイ・シー:Credit Information Center)の内容に基づいています。

CICはカードローンや住宅ローンだけでなく、事業資金融資を初めて申込む場合にも用いられます。

個人信用情報の調査を「CICを調べる」と呼ぶほど、銀行の融資審査では最もよく使われている個人信用情報です。

信用情報における異動の中身

異動の中身とは、異動になった原因のことです。これは「金融事故情報」とも表現され、銀行では単に「事故」と呼んだりもします。

事故というくらいですから、信用情報に異動があると審査落ちになるのがイメージできると思います。

異動の中身は基本的に次の3つとなります。

  1. 延滞(返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払の遅れがあるもの、あったもの)
  2. 代位弁済(顧客に代わって保証会社が返済したもの)
  3. 法的整理(裁判所が破産を宣告(破産手続開始が決定)したものなど)

これらは、融資審査をするとき必ず立ちはだかる、よくある障壁の代表格です。

説明するまでもなく、銀行などの金貸しから見れば、お付き合いはしたくない人ばかりです。

信用情報における異動の終わりかた

異動の終わりかたとは、異動の状態がどうやって完結したか?という「顛末(てんまつ)」のことです。

異動の終わりかた次第では、必ずしも審査落ちにならないケースもあります。

以下では、審査落ちになるか?についても記載しました。

異動の終わりかた
顛末 異動の状態 審査への影響
完了 支払が普通に完了した(自己資金で完済など) 即審査落ちにはならない
移管終了 いわゆるおまとめのこと(債権譲渡も含まれる) 即審査落ちにはならない
貸倒 クレジット会社などが貸倒れとして処理(逃亡、所在不明など) 即審査落ち(これはもう何年経ったら情報が消える、といったレベルの問題ではありません)
本人以外弁済 保証人が全額払った(保証人弁済)代位弁済も含まれる 即審査落ち
法定免責 自己破産。債務整理(過払金請求)も含まれる 即審査落ち

この表は左右にスクロールできます。

代位弁済に関係したお話し(実話)をひとつ。

代位弁済をする場合、必ず手順を踏んで本人に通知(手紙)を出さなければいけません。しかし失踪して接触できない人がいました。

失踪したままだと代弁の通知をすることもできません。通知ができないということは、代弁ができないということを意味します。

つまり「こういった理由で代位弁済になりました」という文書を受け取ってもらえないと、代位弁済を通知したことにはならず、通知しないと代位弁済はできない決まりなのです。

ですから、私は必死になってその人の足取りを追いました。最終的にはその人が自殺したと死亡記事で知り、この追跡は終わりました。

異動情報があったら新規の借入はまず不可能

前項「異動の終わりかた」でもお話しましたが、原則的に信用情報に異動があったら致命傷です。銀行では、新規の借入はまず不可能だと考えた方がいいでしょう。

『異動は5年で消える』という記事も見受けらますが、信用情報機関は複数あって、情報を共有している場合もあります。また、ひとつ異動がある人間は、他にも延滞など問題があるケースが多いものです。

銀行ではこうした異動に関する情報は長く記録することになっています。ですから異動があったら銀行は絶対に貸さない!と言っても、決して過言ではありません。

致命傷になる異動とは?

致命傷になる異動について、もう少し詳しくお話しします。

『本人以外弁済』と『法定免責』はまさに致命傷で、上述したとおり即審査落ちになります。

  • 本人以外弁済⇒本人は返せない(返す能力が無い、返す意思が無い)
  • 法定免責⇒弁護士など専門家に解決を依頼している。本人は会う意志もない

このように解釈することもできます。

「融資とは貸したら終わり、では無い。全額回収できて、初めて終わりなのである」。これは銀行業界でよく言われる格言のようなものです。

返せない・返す意思が無い、あるいは銀行員に会う意思のない人に銀行は融資しません。

信用情報の異動はいつ、どうやって消える?

信用情報の異動はいつどうやって消えるのか?こちらについても正解、あるいは裏ワザのようなものもありません。

銀行員として私が言いたいのは「5年経ったら異動は消える」などというのは安易な考えだ、ということです。

異動というものは、そんなに軽いことではありません。

またCICなどの情報機関に対して、異動情報を消してくれと頼んでも絶対に消してもらえません。あまり強硬に「消せ!」と言ったりすると、そのこと自体が記録されるかもしれません。

異動との付き合いかた

不幸にも異動になってしまったのなら、これはもう時を待つしかありません。

待つ間の注意事項を2つ、まとめとしてお話します。

①「異動があっても借りられる」「異動なんて気にしない」このようなカードローンやキャッシング業者はいわゆる闇金(やみきん)、街金(まちきん)であって利用してはダメです!

②異動があることを、配偶者(妻や夫)に知られると夫婦関係に影響するかもしれません。今では異動という言葉もかなり知られるようになりました。奥さんや旦那さんが知識を持っていて、異動の事実を知られた場合、それが夫婦関係に影響して離婚にまで発展する可能性もあります。

「異動があっても借りられる」は闇金の可能性大

繰り返しになりますが、異動があっても大丈夫というカードローンやキャッシング業者は闇金、つまり違法な業者なので利用しないことです。

仮に違法ではないとしても、利用すること自体が傷を深くするだけで、根本的解決にはならないことを慎重に考えてください。

借りられないだけでは済まされない場合もある

「異動を配偶者などに知られると夫婦関係に影響する」と述べましたが、だからといって自分が借りられないから奥さん名義で借りるのは絶対にいけません。たとえ銀行員から勧められてもダメです!

私も銀行員ですが、本人がダメだから奥さんに借りさせるようなやり方は、これまで一度も勧めたことはありませんし、これからも絶対にないでしょう。

なぜなら、こういうケースを数多く見てきた私がいいますが、決して良い結果にはならないからです。

「異動があることを知ってしまったため、結局離婚してしまった」「奥さんが苦労して借金を背負ったのに、当の本人はまた借金をして、最終的には破綻した」他にもいろいろな結末がありましたが、共通するのはバッドエンドということだけです。