口座残高(預金残高)は銀行カードローンの審査にどのくらい影響がある?

カードローン審査

カードローンには銀行系、ノンバンク系、消費者金融系など取り扱う会社によって違いがあります。

銀行カードローンの特長を一言で表すと、他と比べて低金利だけれど審査が厳しいといったところでしょうか。

最近では口座不要で申し込みができる銀行カードローンも多くなってきましたが、中には、申込先の金融機関に口座がないと、カードローンを利用できないところがまだあります。(※口座開設とカードローンの同時申し込み可)

では、銀行カードローンでは口座残高(預金残高)が多い・少ないで審査に影響があるのでしょうか?

今回のテーマ、口座残高(預金残高)は銀行カードローンの審査にどれくらい影響があるのか?について、審査する側の銀行員がわかりやすく説明します。

口座残高(預金残高)は銀行カードローンの審査に影響する?

問)銀行カードローンでは預金残高が多い・少ないで審査に影響があるのか?
答)審査への影響はほとんどない。しかし、口座の有る・無しは銀行にとって重要

まず「審査への影響はほとんどない」について、なぜそう言えるのか?

そして次に「口座の有る・無しは銀行にとって重要」という点についてお話ししていきます。

口座残高(預金残高)が銀行カードローンの審査に影響しない理由

なぜ口座残高(預金残高)は銀行カードローンの審査にほとんど影響しないのでしょうか?

それは銀行カードローンが口座残高(預金残高)よりも「属性」を重視して審査するようになったからです。

口座残高(預金残高)よりも「属性」を重視して審査するようになったから

「属性」とは何でしょう?

返済能力を判断する勤務先、勤続年数、年収といった情報を「属性」と呼んでいます。

ではなぜ、口座残高(預金残高)よりも「属性」のほうが銀行カードローンの審査で重視されるのでしょうか?

これを理解するために、まずカードローン審査の変化について知ってもらおうと思います。

時代とともに逆転したカードローン審査

銀行カードローンの審査で重視するポイントは2つです。

  • 貸しても大丈夫か?
  • 返せるのか?

そしてこの2つは時代とともに逆転しました。

比較のため、過去(私が入社したバブル期)と現在で、重視する優先順位に並べてみました。

銀行カードローンの審査で重視する2つのポイント
過去 現在
①貸しても大丈夫か? ①返せるのか?
②返せるのか? ②貸しても大丈夫か?

次に、それぞれの項目を簡単に説明します。

貸しても大丈夫か?(過去1番、現在は2番)

これは信用情報のことです。

延滞、代位弁済(返済できなくなり、カードやクレジットの保証会社が全額立替えたこと)、自己破産などを異動と呼びます。

異動はいわゆる「ブラックリスト」で、この異動があるとカードローンは「原則」審査落ちになります。

※「原則」とした理由は後述します。

返せるのか?(過去2番、現在は1番)

これは返済能力というもので、カードローンをちゃんと返していけるのか?という点を審査します。

  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 雇用形態(正社員、派遣、アルバイト)
  • 年収

これらの情報は「属性」と呼ばれており、収入とその安定性を見て、返済能力があるか判断します。

信用情報から属性へ~審査における重要度が逆転

過去のカードローン審査は信用情報のチェックが最優先でした。

審査はそこから始まるので、異動があった場合はその理由を問わず、すべて即審査落ちになりました。

異動が解決していても、あるいはどれだけ良い会社に勤務し年収が高くても、とにかく異動がある人にお金は貸せないという考えでした。

現在の審査でも、信用情報が重視される点は同じです。

しかし現在では信用情報より属性を重視しており、つまり「返せるのか?」のほうが審査の重要度は上なのです。

ですから異動が解決済みなら、年収など属性から判断して審査が通るケースもあるのです。

またこうした変化には、銀行系カードローンの性質が変わったことも影響しています。

もう1つの逆転理由~本体発行から保証会社へ

過去、銀行系カードローンでは銀行が直接カードを発行して融資していました。これを本体発行などと言います。

一方、現在は保証会社の保証付が主流で、銀行本体発行は少数派になっています。

本体発行と保証会社保証付き、この両者は返せなくなった時どうなるか?が違うのです。

この違いこそ、2つの優先順位が逆転したもう1つの理由です。

返せなくなった時どうなるか?が違う

銀行本体発行の場合、債務者が返せなくなったら、銀行は直接取り立てなければ融資が回収できません。

カードローンは原則「無担保、保証人無し」ですので、督促や取り立てには時間と人手が必要になります。

また、結局回収できずに取りっぱぐれる(貸倒れと言います)場合もあります。

一方、現在主流になっている保証会社の保証付きカードローンでは、返せなくなったら保証会社が全額を立替えて銀行に払ってくれます。

これを代位弁済といって、代位弁済になったあと、債務者は保証会社に返済していきます。

異動があっても審査が通るようになった?

「保証会社の保証があるから、もし返せなくなったとしても、代位弁済すれば融資金は回収できる」

この仕組みが普及したため、カードローン審査の姿勢も変化しました。

銀行本体発行は銀行が審査しますが、保証付きの場合は審査も保証会社がおこないます。

保証会社は、保証料をもらってカードローンの保証をします。(※保証料はローンの利息に含まれている)

代位弁済した債務者が少額しか返済できなくても、あるいは最悪回収できなかった場合でも、銀行経由で常に新しい契約先から保証料が入ってきますので、保証会社の経営は大丈夫なのです。

こうした事情から、信用情報に問題があっても保証会社が認めれば、審査が通るケースが増えてきました。

カードローンの審査項目に口座残高(預金残高)は無い

これまでの説明で「貸しても大丈夫か?」「返せるのか?」2つの順位が逆転した背景は理解頂けたと思います。

ところで、カードローンの審査は銀行融資の中で最も機械化が進んでいる分野です。

郵送やネット経由の申込みで得られた情報は、そのまま連動するコンピュータに入力され審査されます。

「スコアリング審査」「自動審査」などと呼ばれるもので、コンピュータが融資決定まで自動的に判断する仕組みが銀行カードローンでは主流になっています。

申込数が多く、また銀行から見れば金額が小口であるカードローンは、経費節減から手作業を廃しているのです。

そして、このカードローンの審査項目の中に口座残高(預金残高)は含まれていません。

それには次のような理由があります。

返済方法が増え、銀行も預金を欲しがらなくなったから

ATMから、あるいは振込やコンビニ払いなど、カードローンの返済方法が多様化したため、従来のように銀行口座から引き落とす形式が減り、カードローン返済用としての銀行口座はその必要性が薄れてきました。

また、以前に比べて銀行が預金を欲しがらなくなり、口座残高(預金残高)は審査のプラス材料にはならないからです。

現在は、口座開設不要の銀行系カードローンもあります。

では、本当にカードローンに銀行口座は不要なのでしょうか?

冒頭の文章を思い出してください。

問)銀行カードローンでは預金残高が多い・少ないで審査に影響があるのか?
答)審査への影響はほとんどない。しかし、口座の有る・無しは銀行にとって重要

「カードローンに銀行口座は不要」ではありません。そして、それは銀行にとって、不要ではないという意味です。

口座残高(預金残高)がカードローンに影響するケース

  • 口座の有る・無しは銀行にとって重要
  • 銀行にとってはカードローンに銀行口座は不要ではない

これは、金貸としての銀行から見た表現です。

金貸しにとって有利なことは、借りる側にとってはすなわち不利になります。

借りる側、すなわち債務者の立場で考えると、口座は持っていないほうが良いと言えるほどです。

それには次のような理由があります。

理由その1.「差し押え」されるとアウト

「差し押さえ」とは、税金や借金返済をしない人に対し、債権者(国や市町村、金融機関)が換金可能なものを押さえて、取り立てできるようにすることです。

差し押さえの命令は裁判所によって行われます。

最近は税金の滞納で、県や市が銀行預金を差し押えるケースが増えてきました。

そして差し押さえがあると、銀行から利用中のカードローン全額返済を求められる場合があります。

これは「期限の利益の当然喪失」というもので、

  • 預金口座に差し押えがあった
  • 自己破産した、あるいは破産手続きの開始が決定した

こうした事実があると、銀行からカードローン全額返済を求められても文句が言えないのです。

この場合、たとえばカードローンを延滞せずキチンと返済していたとしても、状況は同じです。

このことはカードローンの説明書や、規定書などにハッキリと記載されています。

また差し押さえの事実は半永久的に社内データに記録されますので、その銀行で新しく借りることはまず不可能です。

口座凍結されると非常に大変

差し押さえがあると、銀行は預金口座を凍結させることができます。

口座凍結は相当な理由がある場合に限られますが、その理由とはこの差し押え以外に、カードローンなど借入を長期間延滞した場合、あるいは自己破産や債務整理の場合などがあります。

そして、口座が凍結されると非常に大変です。

入金も出金もできなくなる

凍結という表現はネガティブな印象なので銀行内部ではあまり使いません。

実際には、例えば「入金禁止」「支払禁止」などと言います。

ただ、その意味は同じで入金も出金もできなくなります。

入金には振込入金も含まれ、出金なら窓口でもATMでも一切お金を引き出すことができません。

文字通りの凍結です。

給料が振り込まれると、そう簡単には引き出せない

口座が凍結されても、給料が振り込まれた場合には、銀行は引き出しに応じてくれます。

給料は生活の根源なので、特別に出すことが認められています。(※給料が差し押えられている場合はダメです)

ただ、給料を引き出すのは顧客も銀行も非常に面倒なものです。

その手順は次のような流れになります。

  1. 給料が入ったので、給料だけを出したいと銀行に連絡し、承諾してもらう
  2. 銀行が承諾すれば連絡が来るので、来店したうえで、給料として許された金額だけ出金する
  3. 窓口で出金する場合が多く、ATMでカード出金する場合には、銀行員がすぐそばで監視している

銀行によって、キャッシュカードでは出させない厳しい対応をするところもあります。

また、銀行が承諾するまで何日もかかる場合もあります。

理由その2.相殺(そうさい)~銀行はなぜ口座凍結をするのか?

税金の滞納、あるいは借入の延滞は、払うべきもの(債務)が払われていないという状態です。

こうした債務の回収に充てるために預金口座を凍結するのです。

そして、凍結した預金口座を強制的に解約することを「相殺(そうさい)」といいます。

銀行本体発行でも、あるいは保証会社の保証付きでも、カードローンを回収するために銀行は預金を凍結し、相殺することができます。これが「口座の有る・無しは銀行にとって重要」な理由なのです。

ただし、カードローンを延滞したり、税金を滞納して差し押えられたりする人はそもそも口座に残高が無く、相殺してもほとんど無意味なケースが多いのも事実です。

口座残高(預金残高)と銀行カードローンの審査|まとめ

カードローン審査に預金残高は影響しないが、口座の有る・無しは銀行にとって重要。

これがまとめとしての結論です。

預金口座があれば、口座凍結して相殺する資金を少しでも確保できる。

また延滞なくカードローンを返済させるには、やはり口座からの引き落としが最適です。

あくまで金貸しとしての銀行の立場で考えると、残高の多い少ないは関係なく、口座が有るか無いか?のほうが重要だと言えます。

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