ペットローンが払えない…犬や猫をローンで購入したけどお金がない時の対処法
犬や猫などのペットの値段は高額です。ときには50万円以上することもあるので、一括で購入することができず、仕方なしにローンを組んでペットを購入したという人も少なくないのではないでしょうか?
また、購入後はエサ代や予防注射などの飼育費にもお金がかかるので、この点も考慮してローンを組まないと、ペットの飼育費にお金が取られてしまい、ローンの支払いができなくなってしまうということもあります。
ペット購入のローンが払えないと、自分の生活ばかりか、可愛いペットにまで多大な迷惑がかかってしまうリスクもあります。
ローンを組んでペットを購入するときには、ローンの支払いをすること=ペットの命を守ることだという意識を強く持って、しっかりと返済を行っていく必要があります。
本記事では、ペットローンを払えないときのリスクと対象法、差し押さえとなったときにペットの命を守る方法などについて解説します。
ペットを購入できるローンは3種類
ペットをローンで購入する場合には、ほとんどの人が以下の3つの方法のいずれかでペットを購入しています。
- 銀行のペットローン
- ペットショップのクレジット
- カードローンやフリーローン
ローンによって金利の違いはありますが、どの方法で購入しても、ペットを購入するためのローンの金利は比較的高金利に設定されていることが一般的です。
銀行のペットローン
銀行によっては、ペット購入専用のローンを用意していることがあります。
金利が低いイオン銀行のペットローンの融資条件は以下のとおりです。
条件 | 詳細 |
---|---|
金利 | 3.8%~年8.8% |
融資限度額 | 800万円 |
返済期間 | 最長8年 |
申込条件 | (1)日本国内に居住している人 (2)契約時の年齢が満20歳以上、満60歳未満 (3)イオン銀行に普通預金口座を持っている人 (4)安定かつ継続した収入の見込める人 ※原則、前年度税込年収が200万円以上の人。※年金受給者、学生、無職(専業主婦(夫))の人は利用不可 (5)保証会社であるオリックス・クレジット(株)の保証を受けられる人 |
このように、イオン銀行のペットローンは上限金利8.8%という比較的に低金利で借りられますが、前年度年収200万円以上という縛りがついているので、非正規雇用のアルバイトやパートなどの方にとっては審査が厳しいローンだといえます。
ペットショップのクレジット
ペットショップにはクレジットが用意されていることが一般的です。
これは、ペットショップからお金を借りるのではなく、ペットショップと提携しているアプラスやオリコやジャックスなどの信販会社からお金を借りる方法です。
自動車ローンを自動車屋さんで組む方法と同じだと考えればよいでしょう。
このようなクレジットは銀行のペットローンよりも審査が緩いですが、金利は15%~18%の法定金利ギリギリに設定されているので、利息負担は銀行のペットローンよりもかなり高くなってしまいます。
カードローンやフリーローン
カードローンやフリーローンでお金を借りることでも、ペットを購入することができます。
特にペット購入資金は見積書が出る使い道ですので、フリーローンや多目的ローンを活用することができます。
フリーローンや多目的ローンは銀行によって金利は大きく異なりますが、銀行によっては5%を切るような低金利でお金を借りられます。
銀行のペットローンを利用する場合には、他の銀行のフリーローンとも比較して金利の低い商品へ申し込みをしたほうがよいでしょう。
もちろん、使い道自由なカードローンでペットを購入することもできますが、こちらはペットショップのクレジットとそれほど変わらない高金利が適用されることが一般的です。
ペットローンを払えないとどうなる?
ペットを購入したローンが払えないと、他のローンを延滞したときと同じような督促が行われることになり、この状態を一定期間放置すると、信用情報がブラックになってしまいます。
また、勤務先で働きづらくなるとか、大切なペットが差し押さえられてしまう可能性があります。
ペット購入のローンが払えないと、どのような督促が行われるのか、順を追って説明していきたいと思います。
電話で督促
ペットのローンであろうと、その他のローンであろうと、行われる督促は基本的に同じです。
約定日から数日を過ぎると、携帯電話へ「支払い期限を過ぎておりますが、いつお支払いいただけますか?」という内容の督促電話があります。
この時点での督促は非常に丁寧で、基本的には女性のオペレーターから電話がくることが一般的です。
なお、ここで「〇〇日には支払います」という具体的な期限を約束してしまえば、その日まで督促が行われることはありません。
一方、携帯電話への督促の電話に出ないとか、約束した期日に返済をしなかった場合には、次は自宅に督促の電話がかかってくることがあります。
郵便で督促
電話で督促したにもかかわらず、それでも支払いがない場合には自宅に郵便で督促状が届きます。
ペットのローンは犬や猫などのペットを購入するためのローンですので、家族に秘密で借りる人はあまりいないかもしれませんが、返済金を他のことに使い込んでしまって、返済ができないような場合には、家族から「なぜ返済するお金がないのか?」と問い詰められてしまう可能性もあります。
最初はハガキなどで督促が行われることが一般的ですが、1ヵ月を過ぎても返済がないような場合には督促は内容証明郵便で行われます。
内容証明郵便とは、「督促をした」という客観的証拠となる書類のことで、後あと裁判になったときに証拠として活用できる、督促を行なった事実を証明するための書類です。
つまり、内容証明郵便で督促が行われた段階で銀行や消費者金融や信販会社が裁判を含めた法的な手続きを検討している可能性があるので、早めに支払ったほうがいいでしょう。
内容証明郵便を受け取った時点で少なくとも債権者へ「返済ができないけど、〇〇日まで待ってほしい」などの具体的な連絡をしたほうが賢明です。
なお、この時点でローンの返済金を支払ってしまえば信用情報がブラックになるような取り返しのつかない事態となってしまうことは避けることができます。
期限の利益を喪失
内容証明郵便での督促を行っても返済が行われない場合には信用情報がブラックになります。具体的には期限の利益を喪失してしまいます。
期限の利益喪失とは、「貸しているお金を全額一括返済せよ」というものです。
銀行のローンであれば、この時点で保証会社に対して代位弁済請求が行われ、銀行に対して保証会社がペットローンの残金をすべて保証します。
代位弁済は金融事故情報ですので、保証会社へ立て替えてもらった残金をすべて返済してから5年間はいわゆるブラックとよばれる状態になり、どこからもお金を借りられなくなってしまいます。
銀行以外の場合には、延滞が61日に達した時点で、信用情報に「延滞」という金融事故情報が記録され、やはりブラックになってしまいます。
一括返済請求
期限の利益を喪失し、信用情報がブラックになると、借りているお金を一括で返済しなければならなくなります。
ここで、一括で返済することができない場合の対応は債権者によって異なります。
中には「絶対に一括で支払え」ということもありますし、分割での支払いに応じてくれることもあり、いずれにせよ、債権者と債務者の間で一度話合いが行われることになります。
財産の差し押さえ
一括返済ができない場合や、話し合いによって決めた分割返済額を返済することができない場合には、財産の差し押さえが行われることがあります。
財産の差し押さえというと、不動産を連想する人が多いようですが、実際には差し押さえは確実に現金を回収することができる給料に対して行われることが一般的です。
給料の差し押さえが行われるときには、裁判所から勤務先に対して差し押さえの通知が届きます。
つまり、勤務先に対して差し押さえが行われたことがバレてしまうのです。
これが原因で会社に居づらくなった人や、出世がなくなってしまった人は多数存在しますので、財産の差し押さえが行われると、自分の社会的地位が危うくなってしまうリスクがあるという点を理解しておきましょう。
また、差し押さえの対象となるのは給料だけではなく換金性のある財産すべてです。不動産や自動車や家財なども対象ですし、ローンで購入したペットも対象になり得ます。
ペットが差し押さえられてしまうかどうかはケースバイケースですが、少なくともローンを滞納すると、大切な家族であるペットまで差し押さえ対象となり得るということは理解しておいたほうがいいでしょう。
財産の差し押さえになるとペットも奪われる?
前述したように、ペットローンが払えなくなり財産まで差し押さえられてしまうと、ペットが差し押さえられてしまう可能性があります。
すべてのペットが差し押さえられる訳ではありませんが、少しでも換金性の高い財産は差し押さえの対象になりますので、差し押さえになってしまったら、大切なペットも差し押さえの対象になってしまう可能性があるということを理解しておきましょう。
差し押さえ対象となるペットの条件やペットに迷惑をかけないための対処法についてご説明していきたいと思います。
差し押さえられるペットの条件
差し押さえられるペットの条件とは以下のようなものです。
- 鑑賞対象のペット
- 多頭飼いをしている
- 市場価値が高い
鑑賞対象のペットはさまざまでしょうが、例えば高額な熱帯魚などは対象となるでしょう。
また、繁殖させて売却するために多頭飼いをしているような場合も経済的な利益を生む財産と判断されて差し押さえ対象となることもあります。
人気の小型犬なども市場価値があると判断されれば差し押さえ対象となってしまいます。
ローンを組んで購入するほどの高級なペットであればあるほど、差し押さえによって取られてしまう可能性があるという点をよく理解しておきましょう。
ローンを滞納すると何も罪のないペットが非常にかわいそうなことになってしまう可能性があるのです。
差し押さえになる前にペットの里親を探す
最悪のケースとして差し押さえになってしまったら、ペットが競売にかけられて見知らぬ誰かに飼われてしまう可能性があります。
その後のペットがどうなるのかは知る由もありません。このような事態にならないように、もしも「差し押さえを免れることができない」という状況になった場合には、急いで里親を探すようにしてください。
今はペットの里親募集サイトなどもありますので、インターネットから大切なペットを可愛がってくれる里親さんを探すことも昔よりは難しくありません。
もしも友人や恋人や実家に預けることができれば、再び引き取ることができる可能性もありますし、いつでも会いに行くこともできます。
「差押予告通知書」という書類が届いたときに、お金がなければ差し押さえを回避することはできませんので、この書類が届いたら、急いで信頼できる里親の元へペットを預けるようにしてください。
ペットローンを支払えないときの対処法
ペット購入のローンが払えない場合には、ペットを差し押さえられてしまう可能性があります。
このような最悪の事態にならないために、ペット購入のローンが払えない場合の対処法をご紹介していきます。
複数のローンはまとめる
ペット購入のために組んだローンのほかにも借入金があるのであれば、それらのローンを1つにまとめることで、毎月の返済が可能になる可能性もあります。
おまとめは、おまとめ専用ローンのほかにも、カードローンやフリーローンでまとめることも可能です。
ペットローンで延滞が発生してしまったらまず審査には通過できませんので、返済日が到来して延滞状態になる前におまとめを行うようにしてください。
短期間だけお金が足りない場合
どうしても返済金が足りないのであれば、即日融資に対応しているカードローンで急場をしのぐという方法もあります。
大手消費者金融であれば、申込日当日にお金を借りられる即日融資に対応しているので、「明日が返済日だけどお金がない」という場合でも、ペットローンを延滞することを防ぐことができます。
ただし、借金の返済を借金から行うことが癖になってしまうと、借金は雪だるまのようにどんどん増えてしまいます。
あくまでも一時的かつ短期間の利用にとどめ、翌月からはペットローンの返済は支出を見直すなどして、自分の収入の中から行うようにしてください。
債務整理も検討
弁護士などに依頼して債務整理をすることも方法の1つです。
おまとめの審査に通過できない場合や、カードローン審査などに通過することができない場合の最後の手段です。
債務整理には自己破産という方法があり、この方法の場合には、20万円超の財産はすべて没収され、場合によってはペットも没収されてしまうことになります。
債権者と交渉して、借金の減額や返済条件の緩和を行うことができる任意整理をすれば、ペットを失わずに返済ができるようになる可能性もあります。
まずは「ペットを守ったうえで借金を返済可能な状態にしたい」と弁護士へ相談するようにしましょう。
まとめ
一時的にペットのローンが払えないからといって、ペットが取り上げられてしまうことはありません。
あくまでも他のローンの延滞時と同じように督促と回収が行われます。ただし、延滞が長期化するとペットが差し押さえられてしまう可能性もあります。
ペットには何も罪はありませんので、このような事態にならないように、ペットをローンで購入する場合には、ローンの返済金だけではなく飼育にかかるさまざまな費用を加味して検討するようにしてください。
どうしても返済することができない場合には、カードローンで一時的にお金を用立てることもできますが、利用はあくまでも短期的なものに留めておき、くれぐれも借金の返済を借金から行うということが常態化することがないようにしてください。