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和解金や示談金が払えない…自己破産では債務を帳消しにはできません

「事故や事件を起こしてしまい、被害者との間で和解が成立し、和解金(示談金)が提示された。」
事件はともかく、交通事故などは誰にでも起こり得ることです。しかし、高額な和解金や示談金は誰もが支払えるわけではありません。
和解金や示談金を支払わないと刑務所に入れられてしまう可能性もゼロではないので、お金が払えないというのは非常にリスクが大きいことなのです。
裁判になり、和解金や示談金が提示されたときに手元にお金がなかったらどうすべきでしょうか?
和解金や示談金が払えないリスクと対処法について詳しく解説していきたいと思います。
※和解金と示談金の意味はほぼ同じです(示談金≒和解金)。

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和解の種類は2つある

一口に和解金といっても和解には2つの種類があります、当事者同士の和解と裁判中の和解です。
裁判中の和解の場合には、法的拘束力が強く支払えないときのリスクが非常に大きいので特に注意が必要です。
当事者同士の和解と裁判中の和解で、それぞれの和解金(示談金)の違いについてまずは解説していきます。

当事者同時の和解は法的拘束力が弱い

和解といっても裁判所はおろか警察すらも交えずに当事者同士でトラブルをお金で解決してしまう場合があります。
交通事故で警察に介入してほしくない人が当事者同士で話し合い「和解金(または示談金)はいくら」と決めることがあります。このケースでは和解金や示談金を支払いしなくても刑務所に入れられるようなことはありません。
ただし、和解金や示談金を支払えないと債権者から損害賠償を訴えられるなど財産が差し押さえられ、民事上の責任に問われることはあります。

刑事事件の和解は法的拘束力が非常に強い

一方、刑事事件の刑事裁判中に被害者との間で示談が成立して和解金や示談金の支払いが生じることがあります。
この和解金や示談金を支払わないと刑事上の罰が重くなり、最終的には刑務所に入れられる可能性が生じてしまうので、未払いはとてもリスクが高い行為です。
当事者同士の和解金を支払わないというのは、個人間で借りたお金を返済しないときの手続きと同じです。
ここからは、主に刑事裁判中に示談が成立したにもかかわらず、和解金や示談金を支払えないときの対処法について解説していきます。

刑事事件の和解金や示談金が払えないとどうなる?

刑事事件の裁判中に示談が成立し、その和解金や示談金が支払えないと、刑事罰が重くなり最悪の場合には刑務所に入れられてしまうこともあります。
刑事事件での和解金や示談金は「お金がないから払えなくても仕方がない」というわけにはいきません。では、この和解金を支払えないとどうなってしまうのでしょうか?

内容証明郵便と督促がある

民事であろうと刑事であろうと、和解金や示談金の支払いができないと被害者からの督促が行われます。
当初は電話や普通郵便での督促が一般的ですが、いつまで経っても支払いされないと、内容証明郵便での督促に切り替わります。
内容証明郵便とは、「いつ」「誰が誰に」「どんな内容」の文章を送ったのかを郵便局が証明する書類です。内容証明郵便での督促状は、裁判で「督促を行ったのに支払いがされない」ということに対する客観的な書類となるものです。
つまり、内容証明郵便で督促が行われているということは、被害者が裁判を検討しているという証拠ですので、内容証明郵便が届いたら可及的速やかに和解金や示談金を支払うか、被害者に分割払いの交渉をする必要があります。

刑事罰が重くなる可能性がある

和解とは、本来は民事上の言葉であり、裁判ではなく当事者同士で合意してトラブルを解決したという意味です。
自動車の事故であれば、加害者が被害者に壊れた自動車相当分の金額を支払うことでトラブルは解決するので和解が成立します。
これが民事上の和解です。このため、刑事裁判そのものに和解は存在しません。
しかし、刑事裁判の最中に当事者同士が示談をすることができると、裁判上で大きなプラスの効果があり、刑が軽くなる可能性があるのです。
被害者との間で和解が成立しているので、裁判官に対して良い印象となり、刑が軽くなったり、不起訴処分となったり、拘留期間が短くなったりすることがあります。
刑事事件での和解金・示談金の意味とは「お金を受け取り和解したので加害者に対して重い刑罰を望まない」という被害者側の意思表示でもありますので、和解をすることによって裁判の判決が軽くなる可能性があるのです。
つまり、和解をしたのに和解金や示談金を支払わないということは、被害者に対して不誠実だという悪い印象を与えてしまい、さらに刑罰が重くなってしまう可能性があるのです。

執行猶予がなくなり懲役刑が科せられることも

被害者との間で和解が成立したことによって執行猶予を獲得できたとしても、和解金や示談金を払わないことによって執行猶予がなくなり、刑事罰を避けられるチャンスを逃してしまうこともあります。
執行猶予がないということは、罰金または懲役の刑が科せられるということですので、最悪のケースとして、刑務所に入らなければならない可能性もあるのです。
いずれにせよ、和解金や示談金を支払えなかったことで執行猶予がなくなると、刑罰が科せられて「前科」がついてしまうことになります。その後の人生に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

和解金や示談金を払えないときの対処法

このように和解金や示談金を払うことができずに、支払いを無視するようなことがあると、刑務所に入らなければならないようなこともあります。
和解金や示談金をどうしても支払うことができない場合には、以下の2つの方法のいずれかで対処するしかありません。
和解金や示談金が払えないときの2つの対処方法について詳しく解説していきます。

被害者に頼んで分割払いにしてもらう

被害者に「一括では難しい」という話をして、被害者がそれに応じれば、和解金および示談金は分割で支払うことも可能です。
あくまでも和解金や示談金は一括払いが原則ですが、和解は当事者同士の行為ですので、相手の同意さえあれば分割でも支払うことができます。
和解金や示談金の金額が決まった段階で一括で支払うのが難しいのであれば、正直に相手に話をして分割での支払いに応じてもらえるよう交渉しましょう。
なお、このような交渉は弁護士が行うのが一般的ですので、弁護士に「分割にしたい」という旨を最初から伝えておくといいでしょう。

親族や知人から借りる

刑事罰から逃れたいのであれば、やはり和解金や示談金の支払いから逃れることはできません。
家族や信頼できる知人に和解金や示談金を借りられるなら、借りてしまったほうがいいでしょう。
特に両親であれば、お金を払うことで子どもが刑務所に入らずに済むのなら、お金を貸してくれる可能性は高いのではないでしょうか。
親族や知人でお金を貸してくれる人がいないとか、それだけは絶対に避けたいなどの理由があるなら、金融機関からお金を借りることでも和解金や示談金を支払うことができます。
「お金を払うくらいなら刑務所に入ったほうがマシ」と考える人であれば、和解金や示談金を支払う必要はありませんし、そもそも被害者と和解の交渉も不要なはずですが、そのような人はほとんどいないでしょう。
手元にお金がなく、周りに和解金や示談金を貸してくれる人がいないのであれば、「金融機関から借りてでも払ったほうがいい」のです。

自己破産で和解金や示談金の債務は帳消しにできない

前述したように和解金や示談金を支払わないと刑事罰が重くなる可能性があります。
また、刑事罰が重くなり高額な罰金が課せられると、罰金は自己破産の免責対象ではないので自己破産後にも罰金の支払いの義務は残ります。
そもそも和解金や示談金の清算のみを目的として自己破産の申請を行っても裁判所に認められない可能性があります。
刑事事件による和解金や示談金の清算のみを目的に自己破産を行うことは、あまり現実的とはいえないかもしれません。

和解金や示談金を借入によって調達する2つの方法

和解金や示談金を借りられるのは、「使い道が自由」で「見積書などの資金使途確認資料が不要」なローンでしか借りられません。
フリーローンなどで「和解金や示談金を貸してほしい」と和解調書を持参して申し込んでも、まず融資を受けることは不可能です。
和解金や示談金を借入で調達する方法としては、不動産担保ローンとカードローンの2つの方法が有効です。
この章では、和解金や示談金を借りられる不動産担保ローンとカードローンそれぞれの特徴について解説していきます。

不動産担保ローンは高額の和解金・示談金にも対応

銀行や消費者金融などは、不動産を担保として借りたお金を自由に使うことができる不動産担保ローンという商品を扱っています。
不動産担保ローンは不動産の担保評価額の一定範囲内まで融資を行ってくれますので、不動産の価値によっては高額な和解金や示談金の支払いにも対応することができます。
銀行の不動産担保ローンはすでに抵当権が設定されている先順位のある物件は担保として活用することはできませんが、3親等以内の親族の不動産であれば担保として活用することができます。
親や親戚に和解金や示談金を貸してくれる人がいなくても、担保として不動産を提供してくれる人であればいるかもしれませんので、自分が不動産を所有していなくても不動産担保ローンで借りられる可能性があります。
また、消費者金融の不動産担保ローンは先順位のある不動産でも担保として利用することができるので、住宅ローンを組んで購入した土地建物でも、その不動産を担保として和解金や示談金を支払えるかもしれません。
自分や親族が不動産を所有しているという人であれば、不動産担保ローンを利用して高額な和解金や示談金を払える可能性があります。

カードローンは和解金・示談金にも利用可能

不動産がない人でも和解金や示談金を借りられる唯一の方法がカードローンです。
カードローンは使い道が自由ですので、借りたお金で和解金や示談金を支払うことも可能です。
ただし、あまりにも高額な和解金や示談金を借りることは難しいかもしれません。
消費者金融は総量規制の対象ですので、年収の3分の1を超える借入をすることができませんし、銀行カードローンも自主規制によって年収の3分の1が限度となっています。
200万円程度の和解金や示談金であればカードローンから支払える可能性がありますが、500万円~1,000万円の高額な借入は難しいのが実情です。
刑事事件の和解金や示談金の金額は、民事裁判となった場合に判決される金額と同程度に設定されることが一般的です。
詳しくは弁護士が調べてくれますが、過去に同じようなケースでいくらの和解金や示談金が民事裁判で判決されているのかを調べて、それほど高額でないのであればカードローンを利用して支払うことができます。
なお、裁判には和解金(示談金)や罰金だけではなく、弁護士の費用も必要です。
カードローンであれば弁護士の費用までカバーできるので、和解金や示談金だけはどうにかできるけど弁護士費用が払えない…という人はとりあえずカードの枠だけでも作成しておくといいでしょう。
事件が明るみになってしまうとカードローンの審査には通りにくくなってしまうので、できる限り事件後すぐに申込をしておくことをおすすめします。

まとめ

刑事事件でも被害者と和解することができます。
被害者と和解することによって刑罰が軽くなったり、執行猶予がついたりなどのメリットがあるので、和解ができるのであれば和解したほうがいいでしょう。
しかし、和解金や示談金を支払えないと逆に刑罰が重くなり、刑務所に入れられるリスクがあります。
和解金や示談金は交渉によって分割にすることも可能ですが、被害者が分割に応じてくれなければ一括で支払うしかありません。
刑事罰を軽くしたいのであれば、和解金や示談金は金融機関で借りてでも支払わなければなりません。
和解金や示談金を借りられるローンとしては、不動産担保ローンとカードローンの2種類だけですが、刑事事件を起こしたことが担当者に知られてしまうと審査には通りづらくなってしまうので、できる限り早いタイミングで申し込みをするように心がけましょう。

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