使わない・使ってないカードローンは解約したほうがいい?

カードローンを知る・学ぶ

使わない・使ってないカードローンは解約したほうがいい?

Q.使っていないカードローンは解約したほうがいいの?
A.使わないカードローンは解約するべきです。今すぐに、1日でも早く!

この記事では、使っていないカードローンを今すぐにでも解約するべき3つの理由について銀行員が説明します。

そして、使わないカードローンを保有するリスクについても解説します。

私が勤務している銀行を例にしてお話ししますので、カードローンを解約すべきかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

カードローンは使っても使わなくても借金

極度額(限度・ワク)を設定して、その範囲内で借りたり返したり自由なのがカードローンです。

こうしたカードローンの特長を「貸越」といい、銀行融資の審査では貸越も借金と見なされます。

カードローンを満額使っているならいいのですが、まったく使っていないのに「借金している」と見られてしまうことがあります!

使っていたら満額、使っていなければ1割がカウントされる

極度30万円のカードローンを持っている人が、私の勤務する銀行の住宅ローンに申し込んだとします。

1万円でもカードローンを使っていると、私が勤務する銀行では満額30万円を借りていることにしています。

一方、利用ゼロでまったく使っていなかった場合には、極度の1割(3万円)は借金していることにしています。

  • たとえ1万円でも使っていたら→フル(満額)加算
  • まったく使っていなかったら→一部(極度の1割)加算

これは住宅ローンなどの融資の審査において銀行は返済比率を厳しく見る必要があるからです。

住宅ローンの審査では、返済比率を「すべての借金÷年収」で計算します。

「カードローンは極度額の範囲内でいつでも満額借りられますし、実際に1万円使っているのだから、これはもう満額借りていることにしよう」という論法で返済比率に満額が加算されてしまうのです。

カードローンを使っていないときも同じ考え方です。「いつでも満額借入できるけれど、今は使っていないから1割だけにしておこう」といった具合です。

このように、使っていないカードローンを持っているだけでも借金として扱われてしまいますので、使わないカードローンがあれば今すぐにでも解約したがいいのです。

使わないカードローンを解約しないと次の審査にも影響

使っていないカードローンを持っていると、次のカードローンに申込んだときの審査にもマイナスに影響します。

カードローンの極度はとにかく満額加算

逃亡、自己破産などで借金が回収できなくなることを「貸倒れ」といいます。

保証会社付きの銀行カードローンなら代位弁済で回収できますが、ノンバンクなどの保証なしのローンは貸倒れリスクは当然高くなります(だからそのぶん金利も高い)。

また、業界の情報交換会で会話した消費者金融の社員から聞いた話によると、ノンバンクや消費者金融系では、原則として審査のときに貸越極度は満額加算するそうです。

つまり、「使っていても未使用でも、借入残高にかかわらずとにかく満額を加算する」ということです。

ノンバンクや消費者金融系は銀行よりも貸倒れリスクが高いのでシビアな審査をしているようです。

このように使わないカードローンは、次のカードローンの審査で大きくマイナス影響します。

使っていないカードローンはタイミングを逃すと解約できない?

これまで説明してきたように、使っていないカードローンは持っているだけでマイナスなことが多いので、早く解約するべきです。

しかも、時が経つほど解約するのが難しくなり、最悪の場合にはカードローンを解約できなくなってしまうこともあります。

カードローンの申し込みは簡単・解約は困難

例えばカードローン会社の名称が変わったり、どこかと合併したり、あるいは会社が倒産してしまってどこに連絡していいのか分からなくなってしまうことがあります。

住宅ローンや他のカードローンを申込むと未使用カードローンの解約が条件に含まれることがあります。

このとき慌てて解約しようとしたがカードローン会社の連絡先が分からなくなって大変な苦労をしたお客様を何人も見てきました。

私が連絡先を探すお手伝いをしてほとんどの人は無事に解約できましたが、中にはどうしても解約できない人もいました。

この方は解約できずにいるうちに自宅工事代金の支払期限が迫ってしまい、自分と奥さんのご両親の計4人に保証人となってもらい、何とか住宅ローンを融資することができました。(※ご両親はカードローンの解約が完了するまでの一時的な保証人)

私も銀行員という職業柄、付き合いで作ったままの使っていないカードローンやクレジットカードを何枚か持っていました。

私が銀行で住宅ローンを借りるときに、当然解約が必要になりましたが、カード会社に電話をしたところなんと不通!そのあといろいろ手を尽くして、やっと解約できた経験があります。

私の場合はカード会社の合併が原因で、解約までにそれほど時間はかかりませんでしたが、例えばカード会社が倒産して別会社が引き継いだ場合には、想像以上に時間がかかることもあります。

まとめ

使わないカードローンは、今すぐにでも解約するべきです。

その理由は、以下の3つのリスクがあるからです。

  • カードローンは使っても使わなくても借金
  • 使わないカードローンを解約しないと次のカードローン審査に影響する
  • 使っていないカードローンはタイミングを逃すと解約できなくなる

これまでお話ししてきたことは、銀行員として数え切れないくらいカードローンとそのお客様に接してきた私の経験をもとにしています。

特に自分の家を手に入れるための住宅ローンは人生でもまさに一大イベントです。

その住宅ローンで、使っていないカードローンがあったばかりに審査でマイナスの影響が出てしまう人が実はたくさんいたのです。

ほとんどの人は幸いにも住宅ローンを借りられたのでよかったのですが、銀行員からすれば「借金のためにカードローンを作り、その存在を忘れているような人に住宅ローンを貸しても大丈夫なのか?」と疑問に感じたことも事実です。

将来的なことを考えると、やはり使わない・使っていないカードローンは今すぐに1日でも早く解約するべきです。

この記事の執筆者

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知って得するお金の情報サイト「知っ得!カードローン」の運営者です。キャッシング専門ライターとして活動を始めてから、今年で6年目になります。貸金業務取扱主任者資格、ファイナンシャル・プランニング技能検定2級(FP)、日商簿記検定2級に合格。生活困窮者や自己破産者を救いたい一心で記事を書いています。