カードローンの金利と利息の計算方法をFPがわかりやすく解説
カードローンで最も重視される金利と利息について説明します。
カードローンを利用するならできるだけ利息の支払いを少なくしたいので、なるべく金利が低いカードローンに申し込みたいですよね。
しかし、金利が高いカードローンと金利が低いカードローンとでは、いったいどれくらい利息に違いがあるのでしょうか?
カードローンの金利が1.0%違うだけで利息額にどれくらい差があるのか、お金を借りる前に知っておきたいですよね。
この記事では、カードローンを利用するうえで重要な金利と利息の基礎知識や仕組み、利息の計算方法、返済総額を少なくする裏技までをご紹介します。
消費者金融と銀行カードローンの金利と利息を比較しながら学べる内容となっています。
カードローンの金利と利息の基礎知識
お金を借りると借りた金額とあわせて「利息」を支払わなくてはいけません。
利息とは、お金を借りたときに債務者(個人)が債権者(カードローン会社)に対して支払うお金のレンタル料のことをいいます。
例えば、レンタルDVDを借りるときはレンタル料を支払ってからDVDを借りますよね。カードローンも同じようにお金を借りると、レンタル料として利息の支払いが発生します。
ではカードローンの利息はどのように計算されるのでしょうか。そこで登場するのが「金利」です。
金利とは、借りたお金に対して支払う利息の割合のことをいいます。
年14.0%〜18.0%というように、パーセンテージ(%)で示したもので、利息額を計算するときに用いられます。
例えばカードローンでは以下のように金利が表示されていますよね。
例
三井住友銀行カードローンの場合:年4.0%~14.5%
プロミスの場合:実質年率4.5%~17.8%
金利は「年14.5%」「実質年率17.8%」というように、1年間お金を借りた場合に発生する利息の割合、「年率」で表示されています。
利子と利息、利率や年率の違いとは?
金融系の商品を見ると似たような単語が多くてなんだかややこしいですね。
よく使われる単語と意味をおさらいしましょう。
- 利子:支払う側(例:利子を払う)
- 利息:受取る側(例:利息を受け取る)
利子と利息の違いは支払う側か、受け取る側かで分けられます。
- 利率:金利と同じ。利息や利子にかかる手数料率のこと。
- 年利:1年分の金利。年間でかかる金利のこと。
- 年率:年利と同じ意味で使う。年間でかかる利率のこと。
金利と利率はほぼ同じですね。「年」がつくと1年間の金利・利率として年利・年率が使われます。
カードローンの金利と実質年率の違い
消費者金融では、「実質年率」が記載されていますが、これは金利となにが違うのでしょうか?
実質年率とは、支払利息だけではなく、契約時のかかる費用(手数料、印紙代、保証料など)のすべての合計額を年率に換算したものをいいます。
申し込みの都度、これらの費用を計算するのは大変です。そこで、消費者が融資費用を比較しやすいように、諸費用を含めた年率で表示したものが実質年率です。
カードローンは保証料や手数料などは原則無料ですが、実際には金利の中にそれらの費用が含まれているのです。
消費者金融などの貸金業者では、実質年率の表記が義務化されており、消費者金融では「実質年率◯%」、銀行カードローンでは「金利△%(年利)」や「利率 年◇%」と記載されています。
はじめてカードローンを利用する方は、申込時や借入時にお金は必要ないので安心してください。別途費用が発生するものといえば、カード再発行の手数料や借り入れ・返済時のATM利用手数料くらいです。
金利または利率のみを表示することは貸金業法に違反するため、消費者金融では、実質年率での表示が義務付けられています。
カードローンの上限金利は年率20%
カードローンの金利は出資法により上限が年20.0%と定められています。
また、利息制限法という法律によって貸付金額に応じた金利に上限が設けられています。
貸付金額 | 上限金利(年率) |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
2010年6月18日に改正貸金業法が完全施行して以降、金銭の貸付けを行う貸金業者が年20.0%を超える利率でお金を貸すと出資法違反により刑事罰が科せられます。
また、消費者金融などの貸金業者が利息制限法の上限金利を超えて金銭を貸付けた場合、法令違反で行政処分の対象となります。
カードローンの金利相場
出資法や利息制限法は金利の上限を定めた法律です。そのため、法律の範囲内であれば金利設定はカードローン会社が自由に決められます。
大手のカードローン会社を例に金利の相場を見てみましょう。
カードローン | 金利(年率) | ご利用限度額 | |
---|---|---|---|
銀行 | 楽天銀行スーパーローン | 年1.9%〜14.5% | 10万円~800万円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 10万円~800万円 | |
三菱UFJ銀行カードローン 「バンクイック」 | 1.4%~14.6% | 10万円~800万円 | |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 10万円~800万円 | |
りそな銀行カードローン 「りそなプレミアムカードローン」 | 3.5%~12.475% | 30万円~800万円 | |
auじぶん銀行カードローン 「じぶんローン」 | 通常:年1.48%~17.5% <カードローンau限定割> 誰でもコース:年1.38%〜17.4%* 借り換えコース:年0.98%〜12.5%* (*)au IDをお持ちの方が対象 | 通常:10万円~800万円 <カードローンau限定割> 誰でもコース:10万円~800万円* 借り換えコース:100万円~800万円* (*)au IDをお持ちの方が対象 | |
住信SBIネット銀行カードローン | 1.59%~14.79% | 10万円~1,200万円 | |
オリックス銀行カードローン | 1.7%〜14.8% | 最高800万円 | |
PayPay銀行カードローン | 2.5%~18.0% | 10万円~1,000万円 | |
消費者金融 | プロミス | 4.5%~17.8% | 1万円~500万円 |
アコム | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | |
アイフル | 3.0%~18.0% | 最大800万円 | |
レイク | 4.5%~18.0% | 1万円~500万円 |
カードローンの金利はご覧のとおり銀行と消費者金融では大きく異なります。
金利○%~○%と幅があるのは融資額の大きさによって適用される金利が違うからです。
原則として融資額が大きくなるほど金利は低くなり、逆に融資額が小さいほど金利が高く設定されるのです。
カードローンで金利を比較するときは最低金利ではなく最高金利を比べてください。なぜなら、はじめての利用や借入額が小さい場合は大抵高い金利が適用されるからです。
基本的には、利用限度額が100万円以内なら、カードローン会社で定められた最高金利が適用されるケースがほとんどです。
「消費者金融って金利が高いなぁ」と感じてしまいますが、銀行カードローンと比べて消費者金融の金利が高いのは、審査や融資スピード、サービス面を重視しているからです。
カードローンは金利だけではなく総合的に判断し、自身のニーズに合うものを選びましょう。
カードローンの金利と利息の計算方法
カードローンの金利は年率(年利)表示ですので、「借入額×実質年率」で計算すると、1年間お金を借りたときの利息額が分かります。
例
100万円(借入金額)×14.0%(年率)=14万円(利息)
1年間借入れすると「100万円(借入金額)+14万円(利息)=114万円(返済総額)」です。
しかし、利息は借入日数に応じた日割計算のため、1年未満で発生する利息の計算はどのようにしたらいいのでしょうか?
利息を日割りで計算する方法は、以下の計算式を利用します。
利息の計算式
利息額=借入金額×実質年率÷365日×借入期間(日数)
※うるう年は366日で計算します。
例えば、借入金額10万円、実質年率18.0%、借入期間30日(約1ヵ月)という条件でお金を借りた場合に、利息がいくらになるのか計算してみました(※計算はすべて1円未満切捨)。
返済利息シミュレーション
10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円
10万円を年18.0%の金利で30日間だけ借りると、30日後に支払う利息は1,479円となります。返済総額は、元金の10万円と利息の1,479円を足した10万1,479円です。
そのほかにも1週間と約半年間で計算してみましょう。
利息シミュレーション
7日間:10万円×18.0%÷365×7日=345円
→返済総額10万345円
180日間:10万円×18.0%÷365×180日=8,876円
→返済総額10万8,876円
このように、カードローンでキャッシングするときは日割りで利息が計算されます。
カードローンの利息と返済額の計算シミュレーション
上記では、簡単な利息の計算方法をご紹介しましたが、実際の利息額や返済額を求める場合は、計算方法が異なります。なぜならば毎月の返済額を考慮しなければいけないからです。
カードローンの毎月の返済額を決める計算方式は「残高スライドリボルビング方式」が採用されており、毎月の借入残高に応じて利息額を算出します。
カードローンによっては「借入後の残高」や「返済日前の残高」というように算出日に若干の違いはありますが、基本は残高に応じて返済額が変動(スライド)して再計算されます。
つまり、返済が進むにつれて借入残高が減少するので、それにあわせて毎月の「支払利息」も減っていく仕組みです。
例えば年18.0%の金利で20万円を借り入れると、シミュレーションでは以下のような計算結果が表示されます。
支払回数 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
---|---|---|---|---|
1回 | 1万8,335円 | 1万5,335円 | 3,000円 | 18万4,665円 |
2回 | 1万8,335円 | 1万5,566円 | 2,769円 | 16万9,099円 |
3回 | 1万8,335円 | 1万5,799円 | 2,536円 | 15万3,300円 |
4回 | 1万8,335円 | 1万6,036円 | 2,299円 | 13万7,264円 |
5回 | 1万8,335円 | 1万6,277円 | 2,058円 | 12万987円 |
6回 | 1万8,335円 | 1万6,521円 | 1,814円 | 10万4,466円 |
7回 | 1万8,335円 | 1万6,769円 | 1,566円 | 8万7,697円 |
8回 | 1万8,335円 | 1万7,020円 | 1,315円 | 7万677円 |
9回 | 1万8,335円 | 1万7,275円 | 1,060円 | 5万3,402円 |
10回 | 1万8,335円 | 1万7,534円 | 801円 | 3万5,868円 |
11回 | 1万8,335円 | 1万7,797円 | 538円 | 1万8,071円 |
12回 | 1万8,342円 | 1万8,071円 | 271円 | 0円 |
累計 | 22万27円 | 20万円 | 2万27円 | 0円 |
このように、返済が進むにつれて残高が減少し、利息も同時に減っていきます。
返済額の計算は自分でやるのは難しく非常に手間がかかるのでシミュレーションツールを利用してください。
今回はプロミス公式サイトにある「ご返済シミュレーション」を使いました。
他社のシミュレーターの中には、10万円単位でしか借入金額を設定できなかったり、金利を自由に選べなかったりしますが、プロミスのシミュレーションなら1万円単位での設定が可能ですし、月ごとに表示されるので返済がイメージしやすいですね。
返済金額、返済期間、借入可能額の3つのシミュレーションが可能ですので、カードローンの利用がはじめてという方はぜひ試してみてください。
参照プロミス公式サイトより
毎月の返済額はカードローン会社によって異なる
「毎月の返済額はいくら支払ったらいいの?」と疑問に感じるかもしれませんが、毎月の返済額はカードローン会社によって異なります。
カードローン各社で30万円を借り入れると、毎月返済額がいくらになるのかを下表にまとめてみました。
カードローン会社 | 回数 | 返済額(約定返済額) | 返済総額 | |
---|---|---|---|---|
銀行 | 三井住友銀行カードローン | 78回 | 6,000円 | 49万2,898円 |
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | 43回 | 9,000円 | 38万7,058円 | |
みずほ銀行カードローン | 39回 | 1万円 | 37万6,793円 | |
イオン銀行カードローン | 38回 | 1万円 | 37万20円 | |
消費者金融 | プロミス | 36回 | 1万1,000円 | 38万7,289円 |
アコム | 29回 | 1万3,000円 | 37万993円 | |
アイフル | 36回 | 1万1,000円 | 38万8,683円 | |
SMBCモビット | 36回 | 1万1,000円 | 38万8,683円 |
※各社のシミュレーションツールの結果です。実際の金額と異なる場合があります
このようにカードローン会社によって毎月の最少返済額(約定返済額)は違います。
実際には残高スライドリボルビング方式で利息は再計算されていくので返済額や返済回数は異なります。
例えば三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」の場合、借入残高が20万円以下になると利息が再計算され返済額が9,000円から6,000円にスライドするからです。
会社ごとに決められた最小の返済額を支払う場合、金利差ほど返済総額に差はありません。
銀行カードローンの金利を見てみると毎月の返済負担は軽いと思われがちですが、約定返済額を支払っていくと消費者金融とそこまで大差がないのが分かります。
理由として、銀行カードローンは返済額が小さく設定されているので返済期間が長引くからです。
金利が低いカードローンを利用したとしても、返済期間が長くなればその分だけ利息総額が膨らむというカラクリです。
カードローンの利息を減らす方法
カードローンを利用するなら利息はできるだけ減らしたいですよね。
支払利息を減らすには、「カードローンを金利で選ぶ」「借入後はなるべく早く返す」この2つがポイントです。
金利でカードローンを選ぶと支払利息が減る
カードローンの利息は「借入額×金利」で計算されるので、金利条件がいいカードローンを申し込みすれば利息を節約できます。
例
金利年18.0%で100万円を借りる:100万円×18.0%=18万円
金利年14.0%で100万円を借りる:100万円×14.0%=14万円
※毎月の返済額は考慮していません。
利息の負担を軽くしたいなら、金利でカードローンを選びましょう。
例として、カードローンで10万円を借りて、3ヵ月後に返済した場合に利息がいくらになるかシミュレーションしました。
※すべて上限金利(最高金利)で計算しています。
カードローン | 金利(年率) | 利息 |
---|---|---|
りそな銀行カードローン 「りそなプレミアムカードローン」 | 3.5%~12.475% | 2,085円 |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% | 2,308円 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 2,341円 |
楽天銀行スーパーローン | 1.9%〜14.5% | 2,425円 |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 2,425円 |
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | 1.4%~14.6% | 2,442円 |
上記は金利重視の方に選ばれているカードローンです。貸付条件は各社で異なるので確認しておきましょう。
借入期間を短くして利息を減らす
たとえカードローンの金利が高くても、借り入れの期間を短くすることによって支払利息を減らせます。
年18.0%の金利で100万円を借りて1年後に返済すると利息は18万円です。しかし、半年(6ヵ月)で返済すると利息は9万円に半減します。
このように、カードローンの金利がいくら高くても、借り入れの期間を短くすることで利息の負担は軽くなるのです。
無利息サービスを活用してカードローン金利・利息を減らす
カードローンの利息や金利、返済額についてお話ししましたが、「できれば利息は払いたくない」「返済額をもっと減らしたい」というのが本音ではないでしょうか。
無利息サービスのあるカードローンなら、一定期間の利息は0円です。
無利息期間付きのカードローンは主に消費者金融が発行しており、銀行カードローンでは珍しいサービスです。
カードローン | 無利息期間 | 適用条件 | |
---|---|---|---|
消費者金融 | レイク | <Web申込み限定> Webで申込むと60日間特典あり | ・初めてなら初回契約翌日から特典あり ・特典期間経過後は通常金利適用 ・30日間特典、180日間特典と併用不可 ・Webで申込いただき、ご契約額が1万円〜200万円の方 ・ご契約額が200万超の方は30日特典のみになります ・Web以外で申込された方は60日間特典を選べません |
お借入れ額5万円まで180日間特典あり | ・初めてなら初回契約翌日から特典あり ・契約額1万円〜200万円まで ・特典期間経過後は通常金利適用 ・30日間特典、60日間特典と併用不可 ・ご契約額が200万超の方は30日特典のみになります | ||
プロミス | 初回出金日の翌日から30日間 | ・はじめてご利用の方 ・メールアドレス登録 ・Web明細利用 | |
アコム | 契約日の翌日から30日間 | ・はじめてご利用の方 | |
アイフル | 契約日の翌日から30日間 | ・はじめてご利用の方 | |
銀行 | PayPay銀行カードローン | 初回借入日から30日間 | ・はじめてご利用の方 |
無利息サービスは、金利が高いカードローン会社が顧客獲得を目的に実施しているお得なキャンペーンです。
もしあなたが急な出費でお金が必要だけど次の給料日までには返済できるという自信があるなら、無利息のカードローンを利用すれば一定期間の利息は無料なので実質的に「借りた分しか返さなくていい」ということです。
金利ばかりを気にしていると、こういったお得なサービスを見逃してしまう可能性があります。
無利息サービスの対象者や条件はカードローンによって異なりますが、共通しているのは「利用がはじめてであること」です。
はじめての申込みが条件ということは、新規申込みに対しても柔軟な姿勢を持っているともいえます。審査が不安というカードローン初心者の方は、銀行カードローンはちょっと敷居が高いかもしれませんが、消費者金融は新規貸付に積極的ですよ。
審査が不安だけど今すぐお金が必要!という方は、上記の無利息カードローンも選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
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